青森県日韓演劇交流事業 「青森の雨」 「青春礼讃」
青森県日韓演劇交流事業とは
青森県立美術館では、絵画・映像事業などの面で進めてきた交流・調査を演劇の分野にも広げ、一歩踏み込んだ文化交流事業を展開することを目標に、平成19年度、韓国の人気劇団「コルモッキル」 (作・演出の朴根亨 (パク・グニョン) 氏は2006年の韓国の主な演劇賞を多数受賞しています。) と青森県の演劇人との共同制作による「ソウルの雨」を上演いたしました。「ソウルの雨」は、長谷川孝治青森県立美術館舞台芸術総監督が脚本・演出を担当し、日本・韓国の両国での稽古を重ねた後、青森県内で合同稽古を行い、青森、ソウル、東京の3都市で上演し、好評を博しました。
2年目となる今年度は、長谷川孝治青森県立美術館舞台芸術総監督がプロデューサーとなり、韓国で、最も注目を集めている劇作家である朴根亨 (パク・グニョン) 氏が脚本・演出を担当する「青森の雨」という作品を、8月から10月にかけて、青森、東京、ソウルの3都市で上演します。なお、ソウル公演は、ソウル公演芸術祭2008に参加予定です。「青森の雨」に出演する俳優は総勢14名 (韓国から6名、日本から8名) を予定しており、青森県日韓演劇交流事業は、演劇の共同制作を通じて、隠れた才能を発掘し、青森県ひいては日本国内の演劇のレベルアップを図ることも目標の一つとしています。
劇団コルモッキルとは
劇団コルモッキルは、劇作家・演出家であるパク・グニョンを中心に1999年に結成されました。旗揚げ公演として上演された『青春礼讃』は、その年のあらゆる演劇賞を総なめにし、一躍人気劇団に成長した。それ以後、『代々孫々』、『三銃士』、『船着場で』、『ギョンスク、ギョンスクの父』など、数多くの名作を生み出しています。『青春礼讃』は、1999、2000年度の主要演劇賞を総なめし、これまでに数多くの再演を繰り返しています。
「コルモッキル」とは、「路地、裏通り」を意味する韓国語。その名のとおり、都会的で洗練されたトレンディーな演劇とは距離が遠い。大都会の喧騒とはかけ離れ、ひっそりと佇む裏通り。しかし路地には、人々の思い出、暮らし、喪われた情緒、郷愁などが染みついています。劇団コルモッキルは、路地を散歩している途中に偶然通りかかった家の庭先で起こるような庶民の日常の物語を、飄々としたユーモアを交え、淡々と、しかし時に度肝を抜くほど大胆に描く独特なスタイルで人気を集めています。それを支えるのは個性豊かな俳優たち。この劇団の俳優たちの演技のうまさには定評があります。今回上演される『青春礼讃』で、初代主人公を演じたパク・ヘイルは今や韓国映画界のスターに成長。今回、青年役を演じるキム・ジュワンも将来の活躍が期待されており、今回、『青森の雨』『青春礼讃』に出演するコ・スヒは、個性的な演技派女優として、映画にも多数出演(『親切なグムジャさん』など)しています。『青森の雨』に出演するキム・ヨンピルも、映画『卑劣な街』、『カン・チョルジュン』などに出演し、人気浮上中です。また、コ・スヒ、チュ・イニョンは、新国立劇場が制作した日韓合作公演『焼肉ドラゴン』 (2008) に出演、その熱演が絶賛されました。その他の俳優たちも、さまざまな映画やドラマに出演し、多方面で活躍しています。
作品内容

※平成19年度 文化庁芸術祭参加公演
