美術館堆肥化計画2021 Museum Composting Project 2021
地域・アーティスト・美術館の協働による【堆肥場】としてのミュージアムをもとめて
青森県立美術館が地域とアートのこれまでにないつながりを生み出す「堆肥」となることを目指すアートプロジェクト事業「美術館堆肥化計画」。今後三年かけて津軽・南部・下北の県内三地域にお邪魔し、県立美術館プロモ−ション展示「旅するケンビ」と、地域を拠点に現代アーティストの作品制作等を行う「耕すケンビ」を二本立てで開催、各年度最後に県立美術館で成果展示を開催します。2021年度は津軽地域で展開!
事業概要
本計画においては、アート体験を従来の限定された空間から解放し、生活と連続した中に置きなおすことで、美術館が地域のなかで様々な活動を創出する〈肥やし〉となることを目指します。すなわち「旅するケンビ」で美術館的な体験を、「耕すケンビ」で現代アート体験を地域に広げる本計画において、美術館は堆肥が作物の成長を促進させるがごとく、地域の人やアーティストが互いの存在を分解・成長させあう仲立ちとしての役割を担う。そうして生活も芸術も、それらを包みこむ自然も、一切がまぜこぜになった場所から、人が世界と生き生きと関係するための術(アート)を地域・アーティスト・美術館が協働で計画してゆく事業です。
旅するケンビ
〈県立美術館プロモーション展示〉
(1)10月2日(土)~11月3日(水・祝) 会期中無休
[会場]ELM [営業時間]10:00~20:00 観覧無料(2)11月6日(土)~12月12日(日) [休館日]毎週月曜日、第4木曜日、祝日
[会場]中泊町博物館 [開館時間]9:00~16:45(入館は16:15まで)
[入館料]一般200(100)円、高大生100(50)円、小中学生50(30)円
※( )内は20名以上の団体料金耕すケンビ 津軽編:みみずの足あと
〈現代アーティストらの現地制作を主軸としたアートプロジェクト事業〉
10月2日(土)~12月12日(日) 会期中無休
[会場]colere-ON(これるおん)
[鑑賞可能な時間]10:00~17:00 参加無料
[参加作家]アート・ユーザー・カンファレンス、小田香、colere-ON×弘前大学教育学部有志
※上記期間において会場周辺の野外作品をご鑑賞いただきます。新型コロナウイルス感染症拡大にともない会場内は非公開としていますが、一般公開可能となった際には本ページにてお知らせいたします。成果展示
2022年4月11日(月)-6月26日(日) ※コレクション展内で開催
[休館日]4月18日-22日、25日、5月9日、23日、6月13日
[会場]青森県立美術館 [開館時間]9:30-17:00(入館は16:30まで)
[観覧料]一般510(410)円、高大生300(240)円、小中学生100(80)円
※( )内20名以上の団体料金 ※※心身に障がいのある方と付添者1名は無料。
開催概要
津軽エリア各会場への交通案内
ELM
住所:五所川原市大字唐笠柳字藤巻517-1
電話:0173-33-4000
JR五所川原駅から徒歩約20分 ※駅前からELM行き120円バスの運行あり
(青森、黒石市街から)津軽自動車道五所川原I.C.から車で約2分
(弘前市街から)藤崎三差路を経由し国道339号線から車で約15分
中泊町博物館
住所:中泊町中里字紅葉坂210
電話:0173-69-1111
津軽鉄道津軽中里駅前から徒歩約15分
津軽自動車道五所川原北I.C.から車で約25分
colere-ON(これるおん)
住所:五所川原市漆川鍋懸147-2
電話:0173-26-1021
津軽鉄道十川駅前から徒歩約5分
津軽自動車道五所川原I.C.から車で約7分
主催
青森県立美術館
特別協力
社会福祉法人あーるど
後援
東奥日報社、陸奥新報社、五所川原市教育委員会、中泊町教育委員会
展示監修
西澤徹夫建築事務所
お問合せ
青森県立美術館
〒038-0021 青森市安田近野185
TEL 017-783-3000 FAX 017-783-5244
MAIL bijutsukan@pref.aomori.lg.jp
展示内容
旅するケンビ
県立美術館(ケンビ)を構成する一部-ネオンサイン、制服、コレクションに関連する映像や写真-に地域ゆかりの資料(偽石器や十三湖開拓写真)を組み合わせた展示を津軽エリア内に持ち込み、様々な会場で紹介します。
(1)10月2日(土)~11月3日(水・祝) 会期中無休
[会場]ELM[営業時間]10:00~20:00 観覧無料
(2)11月6日(土)~12月12日(日) [休館日]毎週月曜日、第4木曜日、祝日
[会場]中泊町博物館 [開館時間]9:00~16:45(入館は16:15まで)
[入館料]一般200(100)円、高大生100(50)円、小中学生50(30)円
※( )内は20名以上の団体料金
耕すケンビ 津軽編:みみずの足あと
津軽の人びとの日々の営みを、人知れず土を肥えさせる「みみず」のそれに重ね合わせ、ラテン語の「colere(耕す)」を語源とする福祉作業所兼ゲストハウス・colere-ON(これるおん)を会場として、現代アーティストらの作品制作を展開する「耕すケンビ」を行います。作品の一部をcolere-ON周辺野外にてご鑑賞いただくほか、作品制作の様子をトークやレクチャー等の形で随時公開します。(新型コロナウイルス感染症拡大にともない野外作品や外から見ることのできる範囲での鑑賞可能となりました)
10月2日(土)-12月12日(日) 会期中無休
[会場]colere-ON(これるおん)
[鑑賞可能な時間]10:00~17:00 参加無料
アート・ユーザー・カンファレンス
An Art User Conference=2014年設立。ユーザーの声、橋本聡、松井勝正、木原進を中心に運営されるアートコレクティブ。作者や鑑賞者、批評家、キュレーターなどと異なる「user(使い手)」という立場から、既存の芸術概念の問い直しに基づくネオ・コンセプチュアルな作品やアートプロジェクトを展開。主なプロジェクトや展覧会としては、アースワークの先駆者である故R.スミッソンを「作者」として「架空に使用」し、ランドアート作品を新たに展開した「宮城でのアース・プロジェクト – Robert Smithson without Robert Smithson」(風の沢ミュージアム, 宮城, 2015)。「過去」の事物と同じように「未来」の事物を芸術の資源として使用する「未来芸術家列伝IV:宇宙と貨幣」(S.Y.P Art Space, 東京, 2017)、「未来芸術家列伝IV:オーダーと第I次世界大戦」(青山|目黒, 東京, 2017)等。
〈津軽での作品展開〉
世界全体をミュージアムとして捉える「ジェネラル・ミュージアム」のプロジェクトを、美術館での「作品」や観光地での「遺跡」とは異なる(通ずる)あり方としての「墓」を手がかりに「ジェネラル・ミュージアム|墓」として展開します。具体的には津軽地方の風景を「発掘する」リサーチを作品として展開。リサーチはウェブ上でのツアー・マップのような形で公開するほか、colere-ON野外での作品展示や美術館での成果展示の形で現実の空間上でも展開します。https://generalmuseum.wixsite.com/abcd
小田香
おだ・かおり=イメージと音を介して「人の記憶のありか」「人間とは何か」を探求するフィルムメーカー/アーティスト。1987年大阪府生まれ。米国ホリンズ大学教養学部映画コース修了。2016年映画監督タル・ベーラ指揮によるfilm.factory修了(第1期生)。2015年ボスニアの炭鉱を主題とした映画『鉱ARAGANE』(2015)で山形国際ドキュメンタリー映画祭・アジア千波万波部門特別賞受賞。2019年ユカタン半島の洞窟泉を撮影した映画『セノーテ』で2020年大島渚賞受賞、芸術選奨新人賞受賞。映画制作と並行して、カメラを向けた土地や人とのつながりを保つための絵画をはじめとした作品制作を行う。主な展覧会に2021年「特集 小田香 光をうつして-映画と絵画」(まなびあテラス、フォーラム東根 山形)等。https://www.fieldrain.net/
〈津軽での作品展開〉
津軽地方の風土的な特質や、障がいのある方の芸術制作をはじめとする活動の現場のリサーチ等をもとに、立体作品や映像作品の制作を行います。立体作品がcolere-ON等で展示されるほか、制作された映像作品は県立美術館での成果展示の中で紹介します。
colere-ON(これるおん)×弘前大学教育学部有志
colere-ON自体を創造的な活動体と捉え、施設・大学・美術館の三者協働により、colere-ONの日常と将来的な活動のさらなる充実化を準備する過程を制作展開とします。具体的には弘前大学教育学部の学生らが施設の将来像をスケッチ等で形にしてcolere-ONに展示するほか、成果展示の期間中、colere-ONでの活動を紹介するリーフレットを制作します。
〈colere-ONについて〉
10月2日プレオープンする福祉作業所兼ゲストハウス。子どもの放課後支援やグループホームの運営、強度行動障害などを抱える人々の支援を行う「社会福祉法人あーるど」(代表:大橋一之)が運営。弘前大学教育学部からは佐藤光輝(デザイン)とその研究室の学生、勝川健三(園芸)、塚本悦雄(彫刻)らが参加予定。
成果展示
コレクション展「2021-4」「2022-1」のなかで開催。「旅するケンビ」で展示した地域ゆかりの資料(偽石器や開拓農家・竹内正一氏による戦後十三湖干拓の記録写真、農婦・外崎令子氏による平成の中泊の生活写真など)を再構成して紹介するほか、「耕すケンビ:津軽編 みみずの足あと」でアーティストらが制作した作品、関連企画として開催した講演会の内容などを組み合わせて展示します。また「みみずの足あと」にちなんで平内町出身の「みみず博士」畑井新喜司先生ゆかりの資料も県立郷土館からお借りして紹介します。各要素を作物の根のように組み合わせ、「よい畑」の条件である土の団粒構造になぞらえるように構成した本展では、美術館の日常と連続した形で、人が地域と生き生きと関係するための術(アート)のありようが示されます。
2022年4月11日(火)-6月26日(日) ※コレクション展内で開催
[休館日]4月18日-22日、25日、5月9日、23日、6月13日
[会場]青森県立美術館 [開館時間]9:30-17:00(入館は16:30まで)
[観覧料]一般510(410)円、高大生300(240)円、小中学生100(80)円
※( )内20名以上の団体料金 ※※心身に障がいのある方と付添者1名は無料。