スクールプログラム、久しぶりのブログ更新です。
6月から今まで、何をしていたかと言いますと、メインは学校団体の受入でした。
ほぼ毎日、県内各地からやってくる元気いっぱいのこども達のお世話に、スタッフ一同、
奔走していました。夏休みには先生と一緒に勉強する研修会が6本。
そして気がつけば2学期がはじまり、3週間。早いです。
さて、今回は「お出かけ講座」について、お話します。
「お出かけ講座」は、美術館が学校で開催する授業のこと。
今年度は、すでに数校で実施しました。
どんな授業があったか、振り返りましょう。
まずはアーティストが講師を務めた授業から。
7月8日「お出かけ講座@県立戸山高校」
「名を名乗らぬ者」そして「見えない物をデザインする者」という名でプロダクトデザインから空間デザイン、工芸品のリデザインまで幅広く活躍するデザイナーNosigner(ノザイナー)を講師に迎え、美術科の生徒を対象にレクチャーを開催しました。
テーマは「対話のデザイン デザインの対話」。
「デザインとは何か?」を、人と人との対話に例えて、わかりやすくお話ししてくれました。
メッセージが明確なこと(話し上手)、相手から進んで話をさせること(聞き上手)など、必要な条件を満たしていれば、人から受け入れられる「良いデザイン」となるとのこと。
なるほど、これはデザインだけでなく、いろんな場面で考えなくてはいけないことかもしれません。
「デザイン」というわかりにくいテーマも、自分の体験に置き換えて考えることで、
理解してもらえたようです。
終了後に生徒からいただいた感想では、デザイン専攻だけでなく、絵画や彫刻専攻の生徒も「自分の制作についての迷いが晴れた」など、それぞれが自分なりに受け止めて、今後の活動に活かしていきたいとのことでした。
さらに、Nosignerは1月に県立美術館でワークショップを開催!
タイトルは「NEBUTOLOGY(ネブトロジー)」
ねぶたとテクノロジーが生み出すものとは?!
こちらもお楽しみに!
つづいて、7月19日「お出かけ講座@県立弘前高校」。
「天の川をつくる~綿棒建築ワークショップ~」でお世話になった斎藤麗さんによる授業。対象は美術部の8名。斎藤さんは弘前高校出身ということで、久しぶりの母校訪問でした。
綿棒ワークショップで、身近な素材がインスタレーションに様変わりすることを鮮やかに示してくれた斎藤さん。彼女が高校生に与えた課題がこちら。
「マイペースな課題:A4の紙1枚を使ってできる平面または立体。あるいはそれ以外でも可。とにかくA4紙1枚を自由に使って、何かを作る。道具の使用可。最後にタイトルをつける」
身近な素材の変容をテーマにする斎藤さんらしい課題です。
さて、生徒のみなさんがどんな作品を作ったかと言いますと・・・
ゴミ捨て場を漁るカラスの姿!を巧妙に再現した立体作品「ゴミ袋とカラス」。綺麗にスライスした紙が、ピアノの弦のように波状に立ち上がる「気持ちの浮き沈み」。ユーモラスなイラスト「森の音楽隊」などなど。さまざまな作品が生まれました。
感想を聞いたところ、「自由すぎて、しばりがないから、難しかった」という意見が最も多かったです。斎藤さん曰く「答えが無限にある課題に取り組んで欲しいと思った」とのこと。身近な素材による多様な表現。斎藤さんの制作の一端に触れるひと時になりました。
この他にも9月5日には五所川原小学校と弘前北小学校で授業を行いました。
両校とも9月の下旬に美術館に来館して、作品鑑賞と創作活動をする予定で、お出かけ講座は、そのための事前学習でした。
五所川原小学校では、奈良美智さんの作品につていのスライドレクチャー。
弘前北小学校では、シャガールのバレエアレコの背景幕について、お話しました。
先生による事前授業と合わせて、来館まで、しっかり準備。
当日はそれぞれ、大きな絵を描きます!楽しみです!
そして、すっかり前置きが長くなりましたが、現在、アートカードを使ったお出かけ講座の参加校を募集しています!
教室でできる作品鑑賞として、この秋冬はアートカードをクローズアップ。
詳細はこちらをご覧ください。
質問、相談などもお気軽にどうぞ。
次のお出かけ講座は、あなたの学校かもしれません!