毎週土曜、日曜の、10:00と、14:00に行われている、大ナポレオン展担当の、菅野学芸員によるギャラリートーク。ついさきほどの様子をご紹介いたします!
今朝は、土曜日だというのに、平日よりもお客様が少なく、「いったい何があったんだ!?」と考えたところ、そうか、昨日は北京オリンピック開会式があったではないですか。人が集まらないのでは…と少々不安ながら、展示室へ降り、菅野学芸員がトークを始めると、一瞬にして人だかりができ、一安心。みなさん寝不足は大丈夫でしょうか?菅野学芸員による解説は、展示品の紹介に交えながら、ナポレオンや、ナポレオンの周辺人物の人柄、そして、当時のフランスの様子などを、楽しく紹介してくれるものです。それでは私が興味を持ったお話をちょっとご紹介します。
今回ポスターやちらしのイメージにも使われている『サン=ベルナール峠を越えるボナパルト』。この絵は、皆さんのナポレオンのイメージと直接結び付く絵だと思いますが、この絵は、ナポレオンが自分の名前を広めていくために画家に描かせた絵で、当時はそのような絵を、何枚も何枚も制作し、現在のポスターのような役割を果たしていました。今の感覚で考えると、とても贅沢なポスターですよね。
この絵にはちょっとしたトリックがあって、実はこの峠、とても寒くて、実際はこの絵のような馬では越えられないため、「ロバ」などの、もっと丈夫な生き物に乗っていたのではないかと言われているそうです。それをナポレオンは、この厳しい峠を、かっこいい白馬で颯爽とかっこよく駆け上ったように描かせ、それを各地に飾らせたのです。200年を越えてもなお、ナポレオンといえば、この絵のイメージを思い起こしてしまう私たちは、ナポレオンのそのような戦略にのせられ続けているのです!!!
すごいことです…
ということであっという間の30分。あれ?お客さんが増えている。今日はやっぱり皆さん、朝の活動開始時間がちょっと遅かったのですね。オリンピックも盛り上がっていますが、大ナポレオン展も負けていません!今日からテレビコマーシャルも新しくなったようで、くすっと笑えるものになっています。
大ナポレオン展は9月7日(日)まで。お見逃し無く!