青森県立美術館・開館プレイベント 県民参加型演劇 「 津 軽 」

2005年12月3日(土) ━ 12月11日(日)

演劇 終了
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青森県立美術館・開館プレイベント 県民参加型演劇 「 津 軽 」

青森県立美術館・開館プレイベント 県民参加型演劇 「 津 軽 」

●前売りチケット 〜メールでも予約受付中●

 

開催概要

原作

太宰治 著 「津軽」

潤色・脚本・演出

長谷川孝治
(青森県文化振興課美術館グループ 舞台芸術総監督)
(弘前劇場主宰・劇作家・演出家)

会場

青森県立美術館

日時

2005年 12月3日(土)午前11時00分
12月4日(日)午前11時00分
12月10日(土)午前11時00分
12月11日(日)午前11時00分
(開場:午前10時30分 終演:午後5時予定)

主催

県民参加型演劇制作実行委員会・青森県

助成

財団法人 地域創造

アクセス

公演当日、青森駅より往復臨時バスが運行します!(要予約)

 

●青森駅からご来場の方
公演当日、青森駅=県立美術館の往復臨時バスを出します(往復500円)。ご利用をご希望の方は、公演日の3日前までに県民参加型演劇制作実行委員会までご連絡ください。
[※バス発車時刻]
青森駅交番前発:午前10:00   青森県立美術館発:公演終了の30分後

 

●車でご来場の方
美術館そばの縄文時遊館の駐車場をご利用ください(美術館の駐車場は使えません)。縄文時遊館からはシャトルバスをご用意しております。
車いすご利用の方の駐車場もご用意しております。ご希望の方は公演日の3日前までに県民参加型演劇制作実行委員会までご連絡ください。

お問い合わせ

県民参加型演劇制作実行委員会(青森県文化振興課内)
tel 017-734-9237   fax 017-734-8063
e-mail : bunka @ pref. aomori. lg. jp
URL : http: // www. pref. aomori.lg.jp / museum/
〒030-8570 青森県青森市長島1-1-1

チケット販売

前売りチケット 〜メールでも予約受付中〜

●料金 (全席自由、日時指定、食事付き)

前売 : 一般2,500円  学生2,000円
当日 : 一般2,800円  学生2,300円

 

●前売券E-mail予約受け付け中!

E-mailにてチケット予約を受け付けております。

件名に 「 津軽チケット予約 」
本文に
1. お名前
2. お電話番号
3. 公演日
4. 枚数
をご記入の上、 bunka@pref.aomori.lg.jp までお申し込み下さい。

公演当日、受付にてお名前をお知らせください。
その場にて、前売料金でチケットをお渡しいたします。

 

●その他チケット取扱い
県内全域
チケットぴあ(サンクス、サークルK他 Pコード365-025)
ローソンチケット(ローソン Lコード21352)

青森市
さくら野青森店1階サービスカウンター
成田本店新町店(地下1階)
サンロード青森総合サービスカウンター

弘前市
紀伊国屋書店弘前店
JOYPOPS
日弘楽器

作品内容

県民参加型演劇『津軽』

はじめに
県民参加型演劇「津軽」は、青森県立美術館の画期的なアートスペースを活用し、新しい美術館のヴィジョンにふさわしい演劇空間の創造を目指すプロジェクトです。
2006年7月13日、「シャガール:『アレコ』とアメリカ亡命時代」展で開館を迎える青森県立美術館ですが、何もない美術館での演劇公演は、文字通り、これが最初で最後のものとなります。

 

「津軽」とは
底本となるのは太宰治の「津軽」。昭和19年、太宰は久しぶりに故郷津軽を旅します。その旅で太宰はそれまでマイナスのイメージしかなかった津軽に、「そこに住む人々」をとおして新しい価値を見出します。それは、津軽の人々が持つ「大らかさ」であったり、「優しさ」であったりしました。そして、2005年、60年の時を経て津軽を旅する2人の女子大生がいました。2人は60年前の太宰と一緒に青森、弘前、金木、蟹田、小泊と津軽半島を旅します。60年の時を経て、津軽はどう変わったのか、そしてどう変わらないのか……。
登場人物は、演出家に指名された俳優と、青森県内からオーディションで選ばれた一般の方々が扮します。

 

公演時間は6時間 県立美術館内に5つもの舞台を設定
太宰が旅する津軽の町――青森、弘前、金木、蟹田、そして小泊。この5つの町での太宰と人々との出逢いと別れを描くために、青森県立美術館の巨大な館内に、5つもの舞台を設定します。そして、太宰が町から町、舞台から舞台へと旅するのと同時に、観客も一緒に舞台を巡っていきます。
この壮大な旅を描くために、公演時間は6時間を予定。これまでの演劇の常識を超えた、型破りな公演です。

スタッフ・キャスト

原作:太宰治

潤色・脚本・演出:長谷川孝治

出演:青海衣央里 秋山由美子※ 石田悟※
石橋彩子 泉谷汐里※ 井山人美※
海老名里美※ 小山内孝夫※ 金本幸子※
貴田岡文子※ 木村金光※ 工藤早希子
工藤佳子※ 古川真実※ 小関仁※
東風由天※ 齋藤嘉※ 齋藤洋史※
斉藤蘭  櫻庭由佳子 鹿内彩織※
清藤志磨※ 田中英次※ 対馬てみ※
永井浩仁 長尾美由紀※ 中橋耕平※
鳴海まりか※ 西山広野※ 長谷川等
畑中明人※ 濱野有希 林久志※
平塚麻似子 平間宏忠※ 古川華織※
本間正子※ 山田竜大
(※は青森県在住のオーディション合格者)

照明:中村昭一郎

舞台監督:野村眞仁

演出家のコメント

青森県民演劇

潤色・脚本・演出 長谷川孝治

 

「県立美術館で青森県民が参加できる演劇」そう考えた時、真っ先に浮かんできた名前が太宰治と寺山修司だった。どちらの名前も私の青春時代にはあまりいい響きのものではなかった。あまりにも「近く」あまりにも「通俗的」過ぎたのである。
人は身近にいるものをたやすく憎んだり蔑んだりする。しかも、大抵それには根拠などどこにもないのである。手っ取り早く近くのものを憎んでみる。そうすると、自身の現在が何か保証されたような気になる。「なんだ、あんなもの」と蔑んでみる。自分が蔑んだ対象より少しだけ上位になったように錯覚する。実にかわいいものだが、人はそれで安心して生きているのだ。
しかし、ある日、その太宰や寺山の名前が特別な名前になる瞬間がある。太宰は「津軽」の最後にこう記す。「私は虚飾を行わなかった。読者をだましはしなかった。さらば読者よ、命あらばまた他日。元気で行こう。絶望するな。では、失敬。」敗戦濃厚な昭和十九年、太宰はこう読者に告げた。ここには彼の正直があり、やせ我慢があり、ひたむきさがある。津軽を旅した最後の言葉が輝くのは、彼の「矜持」以外にはあり得ない。
寺山の一首「列車にて遠く見ている向日葵は少年のふる帽子のごとし」を読んだ時、私は寺山のスキャンダリズムから脱却した。
三十九歳で死んだ太宰、四十七歳で死んだ寺山。どちらの年齢をも越えて生き延びた私に、津軽や青森の風景と人はどう映っているのだろうか。これから始まる太宰と寺山を巡る二カ年は、青森県に暮らす人たちと共に「青森県」を考えたり、感じたり、発見したりする旅になるだろう。
安易さなどはなから思っていない。目と耳をしっかりと開き、そして歩いてみるのだ。

 

長谷川孝治プロフィール
1978年、 弘前劇場を旗揚げし、以後、ほぼすべての公演で作・演出を担当。青森県を拠点に弘前、東京、そのほか全国各地で公演を行っています。
主な作品に「職員室の午後」(日本劇作家協会優秀新人戯曲賞)、「あの川に遠い窓」(出演:山田辰夫・村田雄浩)、「家には高い木があった」(今年6月に開催されたドイツ・シュトゥットガルト世界演劇祭に出品)等。
なみおか映画祭アソシエイトディレクター、東京芸術大学非常勤講師。青森県文化振興課美術館グループ 舞台芸術総監督。

 

弘前劇場:青森県南津軽郡浪岡町(2005年3月より青森市に移行)に本拠地および稽古場を置く劇団です。日本では珍しい、国際的に知名度の高い地域劇団(リージョナルシアター)であり、今年の6月にはドイツ・シュトゥットガルト世界演劇祭に参加。また、これからもドイツ、フランスでの公演が予定されています。