演劇ワークショップ兼「音楽劇アレコ」出演者オーディション参加者募集
県立美術館では、令和3年度に絵画と演劇、音楽、ダンスを融合させた「音楽劇アレコ」を上演する予定です。
これに先立ち、俳優として出演いただく方を選考する「出演者オーディション」を県内3会場で行います。
また、演劇の身体表現などを学ぶワークショップも同時開催します。ワークショップだけの参加も可能ですので、お気軽にお申し込みください。
募集に寄せて
「それは日常から」
劇作家・演出家 長谷川孝治
その音と声を聞いたのは、どこかのファストフード店のBGMだったと思う。最初、ノラ・ジョーンズの新曲かなと思って久々のハンバーガーにかぶりついていたのだが、どうも違う。毎日生きている「ここ」から音楽が生まれている感じはノラ・ジョーンズそのものなのだが、不可視で暴力的で曖昧な世界に無理矢理自分を挟み込んで、とっても辛いのですよというメッセージがゴツンゴツンとやってきた。
それから部屋に掃除機をかけながらFMの音楽番組を聞き流していたとき、またいきなりその音と声がやってきた。ビリー・アイリッシュという名前のシンガーソングライターであることを知った。ティーンエイジャーにならば既に広く深く膾炙していて、随分遅くにその音楽を身体に受けたのだけれど、「ああ、これはアレコの中のゼンフィーラだな」と強く思った。
青森県立美術館にある「アレコ」という舞台背景画は、M・シャガールがチャイコフスキーのピアノトリオとA・プーシキンの叙事詩にインスパイアされて制作されたが、若い男女の恋物語の誕生と終焉を描いたもので、男の名前がアレコ、女の名前がゼンフィーラという。アレコは青年貴族で階級闘争と革命意識という時代の物語で簡単に説明できるキャラクターなのだが、ゼンフィーラのキャラクターにはただ「気まぐれ」という紋切り型の説明があるだけなのだ。つまり、アレコの単なる添え物。若い女は流れゆく雲のように気まぐれなんだよ、以上おしまい、という感じなのだ。
しかし、多くの芸術や表現行為は、毎日の日常生活からしか生まれない。ある種の神秘体験も体を貫くような芸術的な衝動も日常生活をベースにしているのだ。そう、ゼンフィーラは未だに理解もされていないし、感じられてもいない。
わたしには何もない、特別な才能なんてないし、普通すぎて嫌になる。おれは平々凡々と生きてきたし、これからもそうやって生きていくだろう。そう思うしかない。多くの人はそうやって自分を納得させている。
しかし、日常生活を持たない人はいないのだ。つまり、そのありきたりの日常から生まれるものがあると気づく力は誰もが持っているのだ。
音楽劇「アレコ」(仮題)にあなたのありきたりの、平々凡々で退屈でもある日常を持って参加しませんか
開催概要
応募資格
応募時点で20歳以上の、青森県内にお住まいの方。
※性別・演劇経験の有無等は問いません。
日程・会場
・2020年10月18日(日)13:00~ 下北文化会館(むつ市金谷1-10-1)
・2020年10月24日(土)13:00~ 青森県立美術館(青森市安田字近野185)
・2020年10月25日(日)13:00~ 友の会福祉会館(八戸市長根1-2-8)
※内容は全会場同じです。ご都合のよい会場(いずれか1つ)にお越しください。
※2時間程度の予定です。
※動きやすい服装でお越しください。
※会場等の詳細は応募いただいた方に別途お知らせします。
参加料
無料。ただし、交通費や食費等は参加者負担となります。
応募方法
チラシ裏面の参加申込書に必要事項を記入のうえ、E-mail、FAXまたは郵送により提出してください。
※令和3年10月開催予定の「音楽劇アレコ」への出演を希望する方は、ワークショップ後、同じ会場で選考面接を行いますので、申込書の面接欄の「受ける」にチェックし、応募動機・自己PR等の欄を必ずご記入ください。
受付期間
2020年9月1日(火)~10月8日(木)必着
「音楽劇アレコ」出演者の選考について
全会場を通して、4名程度(男性2名・女性2名)選出します。選考結果は、2020年11月16日(月)以降、面接参加者全員へ郵送で連絡します。
その他
開催にあたり傷害保険に加入します(経費は事務局負担)。
新型コロナウイルス感染症拡大防止に係るお願い
・以下の場合は、参加をご遠慮いただきますのでご了承ください。
37.5℃以上の発熱がある場合。
咳、咽頭痛、全身倦怠感、鼻閉、味覚障害などの症状がある場合。
・感染者又は感染が疑われる方が発生した場合は、保健所等公的機関へ氏名・連絡先が提供される可能性があります。ご了承ください。
・社会的距離の確保、マスク着用、手指消毒等にご協力ください。
※その他、演出や運営上、必要に応じ、新たな措置を講じる可能性があります。ご了承ください。
主催
青森県立美術館パフォーミングアーツ推進実行委員会、青森県立美術館
お申し込み・お問い合わせ
青森県立美術館パフォーミングアーツ推進実行委員会事務局
〒038-0021青森市安田字近野185
TEL 017-783-5243(受付時間 平日9:00~17:00)
FAX 017-783-5244
Eメール aleko@aomori-museum.jp