プロジェクト「PHASE 2014」

2014年7月19日(土) ━ 11月24日(月)

プロジェクト 終了
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プロジェクト「PHASE 2014」

青森県立美術館は今年度から、若く才能豊かな国内外のアーティストたちに、美術館の空間を最大限活かした展示や企画を実施してもらうプロジェクト「PHASE (ファーゼ) 」をスタートします。

青森県立美術館八角堂 [撮影: 阿野太一]

青森県立美術館八角堂 [撮影: 阿野太一]

プロジェクト概要

平成26年度と27年度は、本県出身のアーティスト・奈良美智氏をディレクターに迎え、同氏がデザインした当館の「八角堂」を会場に開催いたします。
今年度は、昨年度末に行われたいくつかの美術系大学の卒業展を奈良氏がリサーチし、注目した3人の学生 (大学院生) たちに、それぞれ八角堂を会場に個展を開催してもらうというものです。
奈良氏は、八角堂という特殊な形状と趣をもった空間に対して、冒険的な展示を行ってくれることを期待しながら、大学を卒業したての意欲的な3人を選びました。
このフレッシュなアーティストたちの展覧会を通じて、八角堂も今までにない表情を見せてくれるでしょう。

 

※「ファーゼPHASE」はドイツ語で、「段階」や「相」を意味する言葉です。国内外の若手アーティストの新たな「段階」への展開を支援し、青森県立美術館内の一つの場所が持つさまざまな「相」を生じさせることをねらいとした継続的プロジェクトです。

 

自分の信ずるべき直感と拙い理解力を持って、美術系大学を卒業したばかりの作家・・・
いや、期せずして彼らはみな大学院に進学したので、『作家』とは言わず『大学院生』と言おう・・・大学院生を、卒業制作展での作品を頼りに選抜した。彼らが八角堂という特異な空間を上手く使ってくれるかどうか、信頼するしかないが、ひとつの与えられた課題だと思ってくれればいい。将来、活躍するようになった時、ちっぽけでもその課題に向き合ったことを忘れないでいてほしい。

 

―奈良美智

八角堂とは

青森県立美術館南側の「創作ヤード」とよばれる敷地にある八角形をした建造物。入り口から、らせん状の階段を昇りつめると青天井の空間が広がっている。建物自体、奈良美智氏のプランに基づいたもので、2006 年の開館から 2013 年まで、堂内のガラスケースの中には、奈良氏の皿型の絵《Shallow Puddles Ⅰ/浅い水たまり Ⅰ》が展示されていた。

開催概要

会場

青森県立美術館八角堂

観覧料

無料

ディレクター

奈良美智 (美術家)

展示内容

PART1 宮川慶子 MIYAGAWA Keiko

会期:7月19日 (土) -8月24日 (日)
休館日:7月28日 (月) 、8月11日 (月)

 

「生」と「生」の営みにまつわる矛盾について考えながら、樹脂粘土を用い、架空の動物のような立体作品や、毛皮や繊毛を思わせる触感に富んだ平面作品を制作してきた。平面と立体を組み合わせた展示で、いたいけな者たちの、はかない美と生命力に満ちた世界を作り上げる。

 

宮川慶子 (みやがわ・けいこ)

1991 神奈川県横浜市出身
2014 東京造形大学造形学部美術学科絵画専攻領域卒業 / 東京造形大学大学院造形研究科美術研究領域在学

宮川慶子
《あなたの中を歩いていると》(部分)
2014年
©Keiko Miyagawa

PART2 伊藤早樹子 ITO Sakiko

会期:8月30日 (土) -10月13日 (月・祝)
休館日:9月8-12日 (月-金) 、29日 (月)

 

大学時代テキスタイルコースに所属しながら、素材やジャンルにとらわれず、空間を大胆に使った、不可思議で強烈なインパクトを与える作品を発表してきた。日常というベールに覆われた日々の暮らしに抱く違和感や、心象と現実の遠近のずれなど、東日本大震災を体験してから一層深化していった問題意識の中で、空間全体を使った新しい作品を試みる。

 

伊藤早樹子 (いとう・さきこ)

1991 宮城県石巻市出身
2014 東北芸術工科大学芸術学部美術科テキスタイルコース卒業 / 京都市立芸術大学大学院美術研究科彫刻専攻在学

伊藤早樹子《ヒッキー山荘》
2014年
©Sakiko Ito

PART3 永井天陽 NAGAI Solaya

会期:10月18日 (土) -11月24日 (月・祝)
休館日:10月27日 (月) 、11月10日 (月)

 

時間、空間、空中の水蒸気など、身の周りにある見えない存在に、作品を通じて形を与えることで、日常の視覚体験とそれに基づく価値観を問う試みを行ってきた。ある物体を別の物体から象った透明の殻に閉じ込め、実体の感覚に揺らぎを生じさせる近年のシリーズ「メタラクション」に連なる作品で、八角堂に新しい空間を創出する。

 

永井天陽 (ながい・そらや)

1991 埼玉県飯能市出身
2014 武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒業 / 武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻彫刻コース在学

永井天陽《metaraction #5》2014年
©Solaya Nagai

関連企画

PART1関連イベント 「樹脂粘土で変身しよう!」

日時:2014年8月17日(日) 13:30 – 16:30
会場:青森県立美術館ワークショップA
講師:宮川慶子(出展作家)
対象:小学校高学年以上
料金:無料
定員:20名

PART2関連イベント 「伊藤早樹子 アーティスト・トーク」

日時:2014年10月5日(日)13:30 – 15:00
会場:青森県立美術館ワークショップA
トーカー:伊藤早樹子(出展作家)、工藤健志(青森県立美術館学芸員)
料金:無料
申込:不要。当日、会場に直接お越しください。
定員:30名

PART3関連イベント 「300と60、そして5日のカレンダー」

日時:2014年11月23日(日)13:30 – 16:00
会場:青森県立美術館ワークショップAおよび八角堂
講師:永井天陽(出展作家)
料金:無料
申込:電話(017-783-3000)にて受付。定員に達し次第締め切ります。
対象:高校生以上
定員:10名
持ち物:特になし

座談会

3名の参加アーティストとディレクターの奈良美智氏をお招きし、それぞれの展示について自由に話し合います。

 

日時:10月18日 (土) 14:00-15:30
会場:青森県立美術館スタジオ
参加者:宮川慶子、伊藤早樹子、永井天陽、奈良美智
参加料:無料
定員:80名
申込方法:往復ハガキに、「座談会希望」と記入のうえ、氏名、郵便番号、住所、電話番号、参加希望人数 (2名まで) を記載して、青森県立美術館まで、お申し込みください。
申込締切:9月1日 (月) 必着
申込先:038-0021 青森市安田字近野185 青森県立美術館「PHASE座談会」係
※応募者多数の場合は抽選により決定し、応募者全員に抽選結果をお知らせします。