青森県立美術館 美術館の映画祭2007

2007年12月8日(土) ━ 12月9日(日)

映画 終了
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青森県立美術館 美術館の映画祭2007

青森県立美術館 美術館の映画祭2007

- 美術館はヴィスコンティが大好き! -

ルキノ・ヴィスコンティ

ルキノ・ヴィスコンティ (Luchino Visconti) 1906年11月2日 – 1976年3月17日イタリアの映画監督・舞台演出家・脚本家。イタリア・ミラノの名門ヴィスコンティ家出身の貴族。ジャン・ルノワール (印象派の画家ピエール=オーギュスト・ルノワールの次男) 監督のアシスタントとして映画界にデビューし、透徹したリアリズムを根本にすえながら、デカダンス (退廃) の雰囲気に満ちた絢爛豪華な貴族社会を描いた。
※平成19年度の定期映画上映会では、「美術館はヴィスコンティが好き」と題した特集を行っています。ぜひ合わせてご覧下さい。

上映作品 + スケジュール

12月8日 (土)
10:00 – 11:40 熊座の淡き星影
12:30 – 14:43 ベニスに死す
15:10 – 18:07 若者のすべて

12月9日 (日)
10:00 – 11:40 熊座の淡き星影
12:30 – 13:41 ヴィスコンティの肖像
14:10 – 16:46 地獄に堕ちた勇者ども
17:20 – 20:17 若者のすべて

※各回入替制

開催概要

会期

2007年12月8日 (土) -9日 (日)

会場

青森県立美術館シアター

主催・協力

主催:青森県立美術館映像事業実行委員会、青森県立美術館
写真提供:ヴィスコンティ・アルヒーフ
協力:根岸邦明、内田達夫
フィルム協力:ワーナーブラザース映画、ザジフィルム、イーサンアソシエイツ

料金

1回券/1,200円 (前売り 1,000円)
1回券5枚綴り/前売り 4,500円
大学生以下 前売・当日共通券/600円

※会場が満席となった場合、入場をご遠慮いただくこともありますので、ご容赦下さい。

交通案内

青森県立美術館までの交通案内はアクセスマップのページをご覧下さい。

※上映終了後、
青森駅行きの有料シャトルバス (300円) をご用意いたします。
ご希望の方は青森県立美術館映像事業実行委員会事務局までご連絡ください。

お問い合わせ

青森県立美術館映像事業実行委員会事務局 (青森県立美術館内)
住所  〒038-0021 青森市安田字近野185
Tel  017-783-5243
Fax  017-783-5244

チケット販売

チケット取扱

紀伊國屋書店、弘前大学生協、日弘楽器、サンロード青森、さくら野青森店、成田本店しんまち店Pax、三春屋、青森県立美術館映像事業実行委員会

作品内容

若者のすべて

ROCCO E I SUOI FRATELLI/1960年/イタリア=フランス/177分/ヨーロピアンヴィスタ/白黒
出演:アラン・ドロン、レナート・サルヴァト-リ、アニー・ジラルド
〈1960年ヴェネチア映画祭審査員特別賞〉

第二作 (揺れる大地) でシチリアの悲惨な現実を告発し、ネオリアリズモの神髄を極めたヴィスコンティが、イタリア南部の農村から北部ミラノの工業地帯へと移住した一家の崩壊を通してイタリア南北が抱える様々な摩擦を浮き彫りにし、その名声を決定づけた作品。ヴィスコンティ自身の最も好きな作品であり、レナ−ト・サルヴァト−リ、アラン・ドロンが兄弟役で初出演して傷ましい青春像を熱演している。

ヴィスコンティの肖像

LUCHINO VISCONTI/1976年/イタリア/71分/16ミリ/カラー&白黒
監督:ルーカ・ヴェルドーネ/インタビュー出演:ルキノ・ヴィスコンティ、スーゾ・チェッキ・ダミーコ (脚本家) 、マルチェッロ・マストロヤンニ、フランコ・ゼッヒレッリ (監督) 他

このドキュメンタリーはヴィスコンティの芸術家としての生涯を膨大な資料や自身の言葉、貴重なフイルムによって再現したもので、マストロヤンニやダミーコなどかつてヴィスコンティ組だった俳優やスタッフがヴィスコンティの映画や舞台の演出に対する熱意を興味深く語りかける。 (ベニスに死す) 他全11作のハイライトシーンや最後のオペラ演出となった (マノンレスコー)(1973) 、レジスタンスの記録映画 (栄光の日々)(1945) などの珍しい映像が紹介されている。

熊座の淡き星影

VAGHE STELLE DELL ‘ORSA/1965年/イタリア/100分/ヨーロピアンヴィスタ/白黒
出演:クラウデイア・カルディナーレ、ジャン・ソレル、マイケル・クレイグ
〈1965年ヴェネチア映画祭金獅子賞〉

ヴィスコンティ唯一のミステリーであり、後期作品の幕開けを告げた重要な作品。故郷ボナテッラに新婚の夫アンドリュ−と帰ってきたサンドラを待っていたのは古めかしい邸宅に住む、召し使い、精神を病んだ母と弟のジャンニ、幼なじみ、そして2人を取り巻く過去の噂だった。ギリシャ悲劇エレクトラとオレイテースの伝説をモチーフにヴィスコンティが描いた家族と人間関係の崩壊のドラマ。ナチスの犠牲になった父の死によって心の絆が深く結ばれた姉弟をカルディナーレとジャン・ソレルが好演。その幻想的な映像とテーマ曲セザール・フランクの (前奏曲、コラールとフーガ) がミステリアスなテーマを際立たせる。

ベニスに死す

MORTE A VENEZIA/1971年/イタリア=フランス/133分/スコープ/カラー
出演:ダーク・ボガード、シルバーナ・マンガーノ、ビヨルン・アンドレセン
〈1971年カンヌ映画祭25周年記念特別賞〉

原作はトーマスマンの同名短編小説。ヴィスコンティはこの映画化に当って (“ベニスに死す”のテーマは私の中で長年あたためてきたものだった。老境に入った一人の芸術家の内面の葛藤、というテーマを私自身必要としていたし、そういう精神状態にあった) と語っている。自らの死を賭して美少年タジオを追い求めた老作曲家アッシェンバッハの姿にヴィスコンティ自身が重なり、その陶酔と苦悩、歓喜と絶望が映画芸術の頂点を極めた画面から伝わってくる。全編に流れるマーラーの交響曲第5番が深い余韻を残す。

地獄に堕ちた勇者ども

LA CADUTA DEGLI DEI/1969年/スイス=イタリア=ドイツ/156分/ヨーロピアンヴィスタ/カラー
出演:ダーク・ボガード、イングリッド・チューリン、ヘルムート・バーガー、シャーロット・ランプリング

ドイツ文化に深い造詣と関心を持ちつづけたヴィスコンティが、ナチス台頭期、1930年代初頭のドイツを背景に、権力の陰謀によって崩壊されていく鐵鋼王エッセンべック一族の崩壊の悲劇をデカダンスの極致ともいえる映像美の中に刻みながら歴史そのものまでを語り尽くした野心作。ナチスの権力を二分した突撃隊と親衛隊の殺戮 “血の粛清”のシーンは公開当事、三島由紀夫も絶賛した。原題のサブタイトル (神々の黄昏) はワグナ−の (ニ−ベルンゲンの指輪) からとっており、日本では (ル—トヴィヒ) の初公開時 (‘80年) のサブタイトルに使われた。