Art and Air ~空と飛行機をめぐる、芸術と科学の物語 或いは、人間は如何にして天空に憧れ、飛行の精神をもって如何に世界を認識してきたか。
空を見上げる…神話の時代から続く飛翔の夢、大空への挑戦と挫折の歴史。
空から見下ろす…俯瞰の視点に込められた人間の意識。
空と飛行機が織りなす、豊かな物語の数々。
飛行機のフォルム、メカニズムの魅力とそこに投影された人々の欲望。
そして、「空をとぶこと」の意味。
それまで地上を移動することしかできなかった人間の思考や感覚は、空にあがることでどのように変化したのでしょうか。
本展は、「空」と「飛行機」をモチーフとした様々な作品、資料をとおして、20世紀という時代の社会性や、現代に生きる我々人間の精神性を考察する文化史展です。
本展概要
人間は遙か昔から大空に対し憧れを抱いてきました。
たくさんの人々が飛翔を夢みて、挑戦と挫折の歴史が繰り返されます。
空に対する強い想いは、幾多のすぐれた芸術作品を生みだし、また科学技術も大きく発展することになります。
やがて20世紀に入り、空を飛ぶ機械「飛行機」が発明されると、すぐさま人々は飛行距離やスピードを競うようになり、そこでまた様々な物語が生まれ、多くの人々を魅了していきました。
また目に見えない空気の力を利用して空を飛ぶ飛行機じたいも、プロペラ、翼、胴体などそれぞれが美しいラインを持ち、さらに空気の特性を研究する航空力学はF1マシンのデザインにも援用され、その造形美は世界中の人々を魅了し続けています。
さらに、高いところから地表を見下ろすことは、「世界」の認識に大きな変化をもたらし、時にその視点は「力」の象徴にもなっていきました。
この展覧会は、「空」と「飛行機」をモチーフとする様々な作品、資料をとおして、そうした人間の意識や感情、欲望の在処を探り、「空を飛ぶ」ことの意味を問い直す企画です。
それまで地上を移動することしかできなかった人間の二次元的な思考は、「空を飛ぶ」ことでどのように変化したのでしょうか。
出品作家 ※7月3日現在
見どころ
近世の鳥瞰図から戦争記録画、プラモデルの箱絵原画、そして現代美術まで多彩な美術作品を展示。
中村哲也、古井智、松江泰治等の新作や、青秀祐、八谷和彦、中ハシ克シゲ等のインスタレーションも公開。
飛行機の貴重なパーツ、資料等を多数公開。
北村小松、木村秀政、工藤富治等、青森県とゆかりのある人々の貴重な飛行機関連資料も紹介。
空への憧れを象徴する東京スカイツリー® の資料展示。
航空力学を応用したF1マシンの展示。
飛行機愛好家として知られる松本零士の飛行機コレクションを特別展示。
開催概要
名称
Art and Air ~空と飛行機をめぐる、芸術と科学の物語
或いは、人間は如何にして天空に憧れ、飛行の精神をもって如何に世界を認識してきたか。
会期
2012年7月21日(土) – 9月 17日(月・祝)
休館日
会期中無休
開館時間
9:00 – 18:00(入館は17:30まで)
観覧料(当日券)
Art and Air展
一般 1,500(1,300)円
高大生 800(700)円
Art and Air展+常設展(成田亨特集)
一般 1,900(1,600)円
高大生 1,040(880)円
※ ( )内は20名以上の団体料金
※心身に障害のある方と付添者1名は無料
観覧料(前売券)
Art and Air展
一般 1,000円 / 高大生 500円
※発売期間:5月26日− 7月20日
※前売券には、常設展観覧料金は含まれておりません。常設展は当日、割引料金にてご覧いただけます。(一般400円 / 高大生240円)
会場
青森県立美術館企画展示室
共催
Art and Air展実行委員会(青森県立美術館、青森テレビ、株式会社タミヤ、株式会社フジドリームエアラインズ、青森県立三沢航空科学館)
特別協力
防衛省、海上幕僚監部、日本航空株式会社、株式会社ハセガワ、株式会社青島文化
教材社協力
所沢航空発祥記念館、青森空港振興会議、青森空港国際化促進協議会、三沢空港ターミナル株式会社、旅館とびない本館、ホテル山上、青森プラモデラーズクラブ、青森空港写真クラブ、エフエム青森
後援
財団法人日本航空協会、航空ジャーナリスト協会、株式会社アートボックス、航空ファン、青森県航空協会、青森県教育委員会、むつ市、東奥日報社、陸奥新報社、デーリー東北新聞社、FMアップルウェーブ
協賛
ヤマトロジスティクス株式会社、ゲインズ株式会社、青森空港ビル株式会社、青森オフセット印刷株式会社
Art and Air展実行委員会
名称:Art and Air ~空と飛行機をめぐる、芸術と科学の物語
或いは、人間は如何にして天空に憧れ、飛行の精神をもって如何に世界を認識してきたか。
委員長:鷹山ひばり(青森県立美術館館長)
委員:遠藤俊昭(青森テレビ代表取締役社長)
田宮俊作(株式会社タミヤ代表取締役会長)
鈴木与平(株式会社フジドリームエアラインズ代表取締役社長)
大柳繁造(青森県立三沢航空科学館館長)
事務局長:長崎茂樹(青森県立美術館事務局長)
学芸総括:飯田高誉
キュレーション:工藤健志
企画協力:トリメガ研究所
総務担当:鈴木耕司、白戸はるみ、藤本徹
広報担当:沼山文香
教育普及担当:鳴海弘志、高橋洋介
オリジナルサウンドトラック:伊藤ゴロー
宣伝デザイン:乗田菜々美
映像:須藤千晴
お問い合わせ先
Art and Air展実行委員会(青森県立美術館内)
〒038-0021 青森市安田近野185
Tel: 017-783-3000(代表) Fax: 017-783-5244
チケット販売
前売券発売所
ローソンチケット(Lコード26424)、チケットぴあ(Pコード 765-192)
青森市:青森県立美術館、青森県立美術館ミュージアムショップ、サンロード青森、イトーヨーカ堂青森店、さくら野百貨店青森店、成田本店しんまち店、青森県庁消費生活協同組合、青森市文化会館、青森市勤労者互助会
弘前市:イトーヨーカ堂弘前店、さくら野百貨店弘前店、紀伊國屋書店弘前店、日弘楽器、弘前大学生活協同組合
八戸市:さくら野百貨店八戸店、中合三春屋店、八戸ポータルミュージアムはっち
五所川原市:イトーヨーカ堂五所川原店、ELMの街
七戸町:鷹山宇一記念美術館
展示内容
チャプター1:見上げる/飛行・飛翔の夢(展示室A)
「夢見るものは上方を眺める」ガストン・バシュラール(『空と夢 運動の想像力にかんする試論』宇佐美英治訳、法政大学出版局)より
人間は空に対してどのような想いを抱いてきたのか。神話、科学、芸術作品をとおして「飛行」の歴史を振り返るとともに、人の空に対する想いを探ります。
チャプター2:見下ろす/神の視点(展示室B)
「飛行機とともに我々は直線を知った」サン=テグジュペリ(『人間の地』前田総助訳、青山社)
空から地表を見下ろすことの意味、そして「俯瞰」という視点に込められた人間の意識を様々な作品、資料から探ります。
チャプター3:空と飛行機の物語(展示室C、映像室)
「見よ、今日も、かの蒼空に / 飛行機の高く飛べるを。」石川啄木「飛行機」より
戦時中に描かれたものから現代作家まで、飛行機をモチーフにした作品を一堂に展示します。また飛行機を愛した稲垣足穂、北村小松など文学者の仕事もあわせて紹介します。さらに、松本零士氏の作品とコレクションを公開する「松本零士の飛行機世界」も併設。
チャプター4:メカニズムとフォルム(展示室D)
「飛行機の形態を印象づけ、美しいものとするのは、均斉、調和、安定の感じと、単純、簡素なクリーンラインにあると思ふ」木村秀政「飛行機の形態」(『婦人の友』、1931年10月号より)
航空力学によって規定される造形的な美しさを紹介するとともに、飛行機というモチーフに投影された人間の意識や欲望を様々な作品、資料から検証します。
チャプター5:空を飛ぶこと(展示室E)
「空中飛行を一言にして云えば、吾々の此の平面の世界を立体にまで拡張せんとするの努力である」稲垣足穂(「芸術的に見たる飛行機」より)
空を飛ぶことによって人間の意識がどう変化するのか・・・、その可能性を検証します。
トピック:青森県航空機物語
木村秀政、工藤富治、北村小松など青森県とゆかりのある飛行機、人物の業績を振り返ります。