『寺山修司 劇場美術館:1935~2008』併設開催:「土方巽と日本のアヴァンギャルド」

2008年4月1日(火) ━ 5月11日(日)

企画展 終了
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『寺山修司 劇場美術館:1935~2008』併設開催:「土方巽と日本のアヴァンギャルド」

『寺山修司 劇場美術館:1935~2008』併設開催:「土方巽と日本のアヴァンギャルド」

寺山修司 (弘前市出身/1935-83) は県立青森高等学校時代、「俳句」によって表現活動をはじめ、早稲田大学進学後は「短歌」の世界へ、その後凄まじいスピードでラジオ、テレビ、映画、そして競馬やスポーツ評論の世界を駆け抜けていったマルチアーティストです。1967年には「演劇実験室◎天井棧敷」を立ち上げ、人々の旧来的な価値観に揺さぶりをかけ、さらには多岐にわたる活動の中、美術、デザイン、音楽といった様々なジャンルで新しい才能を発見し、育てていったことも特筆すべき業績の一つと言えましょう。
本展は、美術館の5つの企画展示室それぞれを寺山の小宇宙と見立て、文学、演劇、映画、美術、音楽、スポーツといった様々なジャンルの作品、資料の展示を行います。その総体として、多岐にわたる寺山の活動が一望でき、その存在の意義が理解できる寺山修司展としては過去最大級の規模となります。
さらには、今年没後25年を迎える寺山の現在を、テラヤマ美学の最大の理解者である美輪明宏による「毛皮のマリー」の舞台装置、衣裳で現出させ、様々な関連資料もあわせて公開します。
コミュニティギャラリーでは、寺山修司と同時代に活躍した多彩な才能を紹介する同時開催展として、秋田県出身の舞踏家土方巽の資料を中心に、澁澤龍彦、種村季弘、唐十郎といった作家、演出家の仕事を紹介し、寺山の活躍した時代の世相を振りかえります。
「昭和」という時代に注目が集まる現在、寺山の華やかで多彩な活動をとおしてその時代に想いを馳せていただくとともに、寺山が残した言葉や思想から混沌とした今の時代を生き抜く智慧を感じ取っていただければ幸いです。
-「マッチ擦るつかのま海に霧ふかし身捨つるほどの祖国はありや」 寺山修司

開催概要

会期

2008年4月1日 (火) – 5月11日 (日)

休館日

4月14日 (月) / 開催日数:40日間

開館時間

9:30 – 17:00 (入館は16:30まで)

観覧料

寺山修司展+アレコホール
一般 1,000円 (900円)
高大生 600円 (500円)
小中生 300円 (200円)

 

寺山修司展+常設展
一般 1,400円 (1,200円)
高大生 840円 (680円)
小中生 380円 (260円)

※( )内は前売券および20名以上の団体料金
※心身に障がいのある方と付添者1名は無料 (入館の際に証明できるものをご呈示ください
)
※前売券は3月1日 (土) より 3月31日 (月) まで発売

主催

寺山修司展実行委員会
(青森県立美術館、青森朝日放送株式会社)

お問い合わせ

寺山修司展実行委員会 (青森県立美術館内)
住所 〒038-0021 青森市安田字近野185
Tel 017-783-5242 / 017-783-3000
Fax  017-783-5244

チケット販売

前売券販売所

サークルK サンクス (サークルK:青森、秋田、岩手県内の各店舗 サンクス:東北各県、北海道央、道南地区の各店舗)、サンロード青森、イトーヨーカドー青森店・弘前店、成田本店しんまち店Pax、さくら野百貨店青森店・弘前店・八戸店、三春屋、県庁生協・青森県民生協、弘大生協、青森市文化会館、紀伊國屋書店、青森県立美術館ミュージアムショップ

展示内容

展示室A:空には本 ~寺山修司の文学

展覧会導入部。代表的な俳句、短歌、詩、アフォリスムや紹介するとともに、全著作、自筆原稿、愛用品等を展示いたします。また寺山修司の活動歴や履歴を参照できるコーナーも設けます。

展示室B:あゝ、荒野 ~昭和零年 新宿、あしたのジョー、そしてニューヨーク

このセクションでは、寺山の活動した時代の空気を伝える森山大道の写真 (『あゝ、荒野』所収のオリジナルプリント) や、鋤田正義撮影のニューヨーク・ラママでの貴重な写真 (初公開) 、寺山が愛した競馬、ボクシング等のスポーツに関連する資料を一堂に紹介します。

展示室C その1:犬神家の人々 ~寺山修司幻想写真館

このセクションでは荒木経惟からカメラの手ほどきを受けた寺山の撮影した、幻想写真を公開いたします。

展示室C その2:世界の涯てへ連れてって ~演劇実験室◎天井棧敷

このセクションでは、1967年から活動を開始した寺山修司主宰の「演劇実験室◎天井棧敷」に関連する資料を展示いたします。天井棧敷の全ポスターをはじめ、演劇「百年の孤独」の舞台模型、台本、スチール写真等の資料に加え、「百年の孤独」と「天井棧敷アンソロジー」の映像も上映いたします。

映像室:さらば映画よ ~青少年のための映画入門

映像室では寺山映画作品の映像等を 3台のプロジェクターにより上映します。また展示室Cから映像室に至る通路には、映画ポスターや、台本、スチール写真等の資料も展示いたします。

展示室D:「毛皮のマリー」 ~美輪明宏VS寺山修司

寺山が美輪のために書き下ろした1967年初演の舞台を、寺山没後の1994年に再演し、2001年からは演出も手がけている美輪版「毛皮のマリー」の8m×11mの巨大な舞台美術セットを設置します。照明、音楽を用い、演劇の雰囲気を再現するとともに、舞台上には衣裳の数々も展示します。

展示室E 前通路:仮面画報 ~寺山修司とアーティストたち

寺山は生前数多くのアーティストと仕事を行いましたが、このセクションでは横尾忠則、宇野亜喜良、林静一を取り上げて展示します。

展示室 E:われに五月を ~百年たったら、その意味わかる

展覧会の最終展示室となるこのセクションでは、寺山の没後に開催された様々なイベントのポスターや資料、没後出版された書籍の展示をとおして、現在もなお寺山が強い影響力を持ち続けていることを紹介します。また、寺山とゆかりのあった人々のインタビュー映像や、音楽家としての和田誠や湯浅譲二や武満徹といった音楽家とのコラボレーション資料や、ラジオドラマ、映画サントラ等の視聴コーナーも設けます。

寺山修司作品集「われに五月を」表紙
1957年

寺山修司幻想写真 撮影:寺山修司

「天井棧敷定期会員募集」ポスター
宣伝美術:横尾忠則 1967年

「毛皮のマリー」舞台装置:デザイン・美輪明宏 2001年 資料提供:パルコ劇場

「書を捨てよ!町へ出よう!」ポスター 宣伝美術:及川正通 1969年

映画「田園に死す」1974年 資料提供:人力飛行機舎

映画「書を捨てよ町へ出よう」
デザイン:榎本了壱ポスター 1971年
資料提供:人力飛行機舎

関連企画

ワークショップ「寺山修司増殖計画」

寺山の全身写真をもとに等身大のパネルを大量に製作するワークショップ。参加者のメッセージを入れて完成したパネルを持って、寺山修司を町に増殖させよう。

会場:青森県立美術館ワークショップB
会期:3月22日 (土)、23日 (日) 各日 10:00-17:00 ※1日のみの参加も可能です
講師:寺山偏陸 (テラヤマ・ワールド)
対象:どなたでも
料金:無料
定員:各日50名 (先着順)
申込方法:電話またはFAXにてお申し込み下さい。

森山大道講演会

寺山修司と生前から深い親交があり、近年は寺山修司の小説『あゝ、荒野』に1960年代の新宿の写真をコラボレートさせた書籍を刊行する等の活動を行っている写真家森山大道氏が、寺山の魅力について語ります。

会場:青森県立美術館シアター
会期:4月6日 (日) 14:00 – 15:30
講師:森山大道 (写真家)
聞き手:笹目浩之 (テラヤマ・ワールド)
料金:無料 (展覧会チケットが必要です)
定員:先着220名 (申込不要)

寺山修司監督映画作品特集上映会 +九條今日子×佐々木英明講演会

県立美術館が収蔵する寺山修司の実験映画16mmフィルムを一挙に上映いたします。観客席とスクリーンの中を行き来する「ローラ」、観客がスクリーンに釘を打ち込む「審判」も完全再現。あわせて、人力飛行機舎/ATG 製作による「書を捨てよ,町へ出よう」「田園に死す」等の劇場公開作品の上映も行います。20日には寺山修司の元夫人で仕事上のパートナーでもあった九條今日子氏と「書を捨てよ,町へ出よう」の主役を演じた青森在住の詩人・佐々木英明氏による講演会も開催。

会場:青森県立美術館シアター
会期:4月19日 (土) – 4月20日 (日)
料金:無料 (展覧会チケットが必要です)
定員:220名

 

4月19日 (土)
10:00 – 10:11 「檻囚」1962年 モノクロ11分
10:15 – 11:30 「トマトケチャップ皇帝完全版」1971年 モノクロ75分
11:34 – 11:56 「書見機」1977年 モノクロ22分
12:00 – 12:15 「二頭女―影の映画」1977年 セピアカラー15分
休憩
13:00 – 13:03 「青少年のための映画入門」1974年 モノクロ3分 ※DVD上映となります
13:07 – 13:38 「疱瘡譚」1975年 カラー31分
13:42 – 13:54 「ローラ」1974年 カラー12分
14:00 – 14:31 「審判」1975年 カラー31分
休憩
15:00 – 15:12 「蝶服記」1974年 カラー12分 ※テラヤマ・ワールド提供
15:16 – 15:31 「迷宮譚」1975年 モノクロ調色15分 ※テラヤマ・ワールド提供
15:35 – 15:54 「一寸法師を記述する試み」1977年 カラー19分
15:58 – 16:18 「消しゴム」1977年 カラー20分
16:22 – 16:49 「マルドロールの歌」1977年 カラー27分

 

4月20日 (日)
10:00 – 12:18 「書を捨てよ,町へ出よう」 (人力飛行機舎/ATG)
13:00 – 14:00 九條今日子氏 (寺山修司元夫人) ×佐々木英明 (詩人) 講演会 聞き手:笹目浩之 (テラヤマ・ワールド)
14:05 – 15:47 「田園に死す」 (人力飛行機舎/ATG)
※2作はすべてDVDメディアを用いた上映となります。

講演会「土方巽の舞踏 ~東北から東北へ」

土方巽の舞踏に含まれる「東北」的要素について、1970年代の活動を中心に振り返りつつ探ります

会場:青森県立美術館シアター
会期:5月5日 (月・祝) 14:00 – 16:00
講師:森下隆 (慶應義塾大学アート・センター 土方巽アーカイヴ)
料金:入場無料 (本展チケットが必要です)
定員:先着220名 (申込不要)

特別映画上映会「シアトリカル 唐十郎と劇団唐組の記録」

(2007年/カラービデオ/102分 監督:大島新、出演:唐十郎他)
2006年11月から2007年5月の舞台「行商人ネモ」の初日までを追った唐十郎と劇団員のドキュメント。本作は、大島渚の次男、大島新の映画監督デビュー作でもある。
※第17回日本映画批評家大賞ドキュメンタリー作品賞受賞作品

会場:青森県立美術館シアター
会期:5月11日 (日) 10:00 –
料金:入場無料 (本展チケットが必要です)
定員:220名 (先着順)

展示室内演劇「リアカーシアター」

リアカーシアター (移動式小型舞台機構) にはプロジェクター・音響・照明装置が取り付けられ、各展示室を移動しつつ寺山修司の短歌・俳句・詩を中心に「文字」と「声」と「ダンス」で寺山修司を再現する試みを行います。単に過去の寺山修司を再現するのではなく、この現在に寺山修司の言葉はどう響いているのかを検証します。

会場:青森県立美術館企画展示室
会期:4月27日 (日)、5月4日 (日)、6日 (火・振)、11日 (日) 各日14:00 – 15:00
※観覧には展覧会チケットが必要です。

「ジャグダ青森デザインキャラバン#3 寺山修司展をデザインする」

会期:2008年2月2日 (土) – 7日 (木) 9:30 – 17:00 (入館は16:30 まで) ※終了しました
会場:青森県立美術館コミュニティギャラリー (A-C)
主催:JAGDA青森支部、寺山修司展実行委員会
※入場無料
JAGDA (日本グラフィックデザイナー協会) 青森支部と連携し、寺山修司展デザインコンペを行います。コミュニティギャラリーに寺山修司の世界を表現した鮮やかなポスターが多数展示されます。入場無料ですので、是非ご観覧ください。そして、お気に入りのデザインに一票を投じてみませんか。あなたの一票が展覧会のポスターを決めるかも知れません。

寺山修司展 特別関連イベント「毛皮のマリー」

上演日時:
2008年5月10日 (土) 19:00 –
2008年5月11日 (日) 15:30 –
会場:青森県立美術館シアター
料金:前売 2,500円/当日 3,000円
電話予約・チケット取扱:
青森県劇鑑賞会 Tel 017-722-7944
寺山修司没後25年特別公演。伝説の女優!!劇作家・川村毅が、マリー役にて捧ぐオマージュ!!

併設企画:「土方巽と日本のアヴァンギャルド」

会場:青森県立美術館コミュニティギャラリー(A-C)
寺山修司と同時代に活躍した多彩な才能を紹介する併設企画。1960-70年代の前衛芸術運動を総体的に振り返り、寺山の活動した時代相を明らかにします。本展では特に秋田県出身の舞踏家土方巽を中心としつつ、東北の風土や精神性が日本のアヴァンギャルドに与えた影響を考察するとともに、土方とゆかりの深い澁澤龍彦、種村季弘、唐十郎といった同時代に活躍した作家、演出家の仕事を様々な資料によって多角的に検証します。

関連ファイル

『寺山修司 劇場美術館:1935~2008』 併設開催:「土方巽と日本のアヴァンギャルド」

展示室内演劇「リアカーシアター」

「ジャグダ青森デザインキャラバン#3 寺山修司展をデザインする」

寺山修司展 特別関連イベント「毛皮のマリー」