青森県立美術館開館記念展 シャガール 『アレコ』とアメリカ亡命時代 

2006年7月13日(木) ━ 9月24日(日)

企画展 終了
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青森県立美術館開館記念展 シャガール 『アレコ』とアメリカ亡命時代 

青森県立美術館開館記念展 シャガール 『アレコ』とアメリカ亡命時代 

© ADAGP, Paris&SPDA, Tokyo, 2006 バレエ「アレコ」の背景画 第4幕 サンクトペテルブルクの幻想

© ADAGP, Paris&SPDA, Tokyo, 2006 バレエ「アレコ」の背景画 第4幕 サンクトペテルブルクの幻想

ようこそシャガールの「魂の中の国」へ

20世紀を代表する画家の一人、マルク・シャガール (1887-1985) 。青森県立美術館はシャガールが、1942年に手がけたバレエ『アレコ』の背景画、全4点の内、3点を収蔵しています。ユダヤ人であるシャガールは、ナチス・ドイツの迫害から逃れるため、1941年、住み慣れたフランスからアメリカに渡り、約7年間の月日をその地で過ごしました。バレエ『アレコ』の背景画が制作されたのは、このアメリカ亡命時代のことです。
アメリカのシャガールには、劇的な運命が待ち受けていました。皮肉なことに、シャガールと妻ベラがアメリカへ到着したのと時を同じくして、シャガールの永遠の故郷ヴィテブスクがナチス・ドイツ軍の侵略によって灰塵に帰します。そして三年後には、愛してやまなかったベラが急死します。シャガールは心の支えともいえる二つの大切なものを失ったのでした。こうした喪失感に加え、亡命者としての異国での暮らしは、シャガールに流浪galuthの運命を強く意識させます。そしてこのことが、シャガールの当時の作品に、特異な表現と力強さを生み出しています。
バレエ『アレコ』の背景画もまたそうした作品の一つです。1点の大きさは、縦約9メートル、横約15メートル。シャガールの作品としては日本で最も大きいものです。本展ではこれら3点を、フィラデルフィア美術館が収蔵する残りの1点(第3幕)とともに、美術館の中心に設けられた巨大な吹き抜けの空間、アレコホールに展示します。美術館での全4点そろっての展示は世界で初めてのことです。また、背景画とともに出品される、ダンサーの衣装やデザイン画の数々が、シャガールの想像力あふれる舞台の世界を色鮮やかに再現します。
シャガール遺族の特別な協力を得、舞台美術作品をはじめ、油彩画や水彩画、版画など、196点におよぶ秀作で構成される本展。シャガールの展覧会としては初めてアメリカ亡命時代に光を当てたことで、その中には日本初公開の貴重な作品も多数含まれることになりました。
「魂の中の国、それだけが私の祖国。」シャガールは自らの詩の中でこう語っています。本展に出品された作品の一つ一つは、シャガールが生涯を通じて魂の中にある祖国を描き続けた画家であったことを教えてくれます。その魂の祖国は、平和への祈りと情熱的な愛、そして画家の創造力が生み出す果てしない自由で満たされた場所です。
さあ、あなたもシャガールの「魂の中の国」へと足を踏み入れてみませんか。

© ADAGP, Paris&SPDA, Tokyo, 2006 バレエ「アレコ」の背景画 第1幕 月光のアレコとゼンフィラ

© ADAGP, Paris&SPDA, Tokyo, 2006 バレエ「アレコ」の背景画 第1幕 月光のアレコとゼンフィラ

© ADAGP, Paris&SPDA, Tokyo, 2006 バレエ「アレコ」の背景画 第2幕 カーニヴァル

© ADAGP, Paris&SPDA, Tokyo, 2006 バレエ「アレコ」の背景画 第2幕 カーニヴァル

© ADAGP, Paris&SPDA, Tokyo, 2006 バレエ「アレコ」の背景画 第3幕 ある夏の午後の麦畑

© ADAGP, Paris&SPDA, Tokyo, 2006 バレエ「アレコ」の背景画 第3幕 ある夏の午後の麦畑

開催概要

会期

2006年7月13日(木) – 9月24日(日)

開館時間

9:00 – 18:00 (入場は17:30まで) 会期中無休

※ 7月13日(木)は12:00より入場できます。

観覧料

一般:1,500円 (1,200円)
大学生・高校生:1,000円 (800円)
中学生・小学生:500円 (400円)

※( )内は20名以上の団体料金
※ 常設展示を観覧する場合は別途観覧料が要ります。

主催

シャガール展実行委員会 (東奥日報社、日本放送協会青森放送局、青森県) 、青森県立美術館

後援

外務省、文化庁、アメリカ大使館、フランス大使館、イスラエル大使館、日本ユダヤ教団、陸奥新報社、デーリー東北新聞社、河北新報社青森総局、北海道新聞社、毎日新聞社青森支局、読売新聞社青森支局、朝日新聞社青森総局、共同通信社青森支局、時事通信社青森支局、青森放送、青森テレビ、青森朝日放送、青森ケーブルテレビ、八戸テレビ放送、エフエム青森、コミュニティーラジオ局 BeFM、FMアップルウェーブ、エフエムむつ

助成

アサヒビール芸術文化財団

特別協賛

大和証券グループ

協賛

アステラス製薬、竹中工務店、西松建設、東北電力、東京電力、電源開発、日本原燃、三菱製紙八戸工場、きんでん、松下電器産業、コクヨ東北販売、高砂熱学工業、NEC、三菱電機東北支社、三菱電機ビルテクノサービス、NTTドコモ東北、奥村工務店、北斗建設、ヤマギワ、吉田産業、五十嵐電気商会、野呂電気、角弘グループ、青森三菱ふそう自動車販売、高田電気工事、青水工業、佐藤設備工業、芝管工、五戸組 (順不同)

特別協力

日本航空、JR東日本、JR北海道、JRバス東北、ヤマトロジスティクス、北星交通

衣装展示監修

大野木 啓人

衣装修復

アトリエ後藤

交通のご案内

○JR青森駅から有料シャトルバスで約25分。
青森駅発 9:00 10:00 11:00 12:00 13:30 14:30 15:30
美術館発 10:30 11:30 12:30 14:00 15:00 16:00 17:00
運賃:大人片道300円(こども半額)

○青森空港から有料シャトルバスで約20分。
空港発 9:05 10:00 11:35 13:55
美術館発 11:00 13:00 16:00 17:30
運賃:片道1,000円(小学生未満の幼児無料)

○青森市営バス青森駅前2番バス停から
「免許センター(三内丸山遺跡経由)行き」で約25分、「三内丸山遺跡前」下車。

○JR青森駅から車で約20分。

○青森空港から車で約20分。

○東北縦貫自動車道青森I.C.から車で約5分。

お問い合わせ

青森県立美術館
住所 〒101-0063 青森市安田字近野185
TEL 017-783-5241 / 017-783-3000
E-mail bijutsukan@pref.aomori.lg.jp