横尾忠則の「昭和NIPPON」-反復・連鎖・転移
横尾忠則は現代日本を代表する美術家であり、なかでもさまざまなポスターや装丁などグラフィックワークがよく知られています。彼がてがけた寺山修司の天井桟敷のポスターは、寺山の演劇の世界観をよく表している時代のアイコンとして有名です。
また、横尾の活動はグラフィックワークだけでなく絵画制作など多方面にわたっており、その作品イメージは一点一点で完結することなく、くりかえし同じ主題を反復し、また関連し合いながら連鎖し、そして姿をかえて転移していくという、全体として日本の戦後の歴史を反映した大きな表象を形作っているかのようです。
本展は、横尾忠則のこうした時代の表象としての側面に着目し、横尾によって一貫して描かれてきた「日本」の戦前、戦後、そして現代にいたる時間の連続性を、作家が生きてきた「昭和」という時代と重ね合わせてとらえ直していくものです。
見どころ
今までにない切り口の「横尾忠則展」
横尾忠則がかけぬけた昭和という時代を、デザイン、イラスト、絵画、版画などのジャンルを超えて、繰り返し描かれるモチーフを手がかりにしながら紹介していく試み。
11 室に区切られた展示室は、各章ごとに分けながらも、横尾忠則が描くイメージによって繋がって行きます。
印刷物原稿や、アイディアスケッチなど、貴重な原画を公開!
ポスター原画、イラスト原稿、アイディアスケッチ等、横尾忠則の創作の過程をかいま見ることができる、直筆原画を多数展示します。
装幀本約500冊を展示!
2012年12月に「横尾忠則全装幀集」が発売され話題になっています。そこに収録された約1,000点の装幀本のうち、500点ほどを展示予定。
作家略年譜
1936年 兵庫県多可郡西脇町(現在の西脇市)に生まれる。叔父の横尾家に養子に入り、かわいがられて育つ。幼いころから絵本の模写をしていた。
1943年 西脇国民学校に入学。漫画を描くようになり『漫画少年』誌に投稿。
1949年 市立新制西脇中学に入学。エリザベス・テイラーにファンレターを送り返信があったことが地元紙で報じられる。
1952年 兵庫県立西脇高等学校に入学。通信教育で挿絵を学び、油絵やポスター制作を開始する。郵便局員志望だったが教師の勧めで一時は東京の美大受験も考えたが結局地元の印刷屋に就職。地元の商店の包装紙のデザインを手がけ新聞社に引き抜かれる。
1956年 神戸新聞社へ入社。
1957年 結婚。
1960年 東京の日本デザインセンターに入社。
1964年 長女誕生。宇野亜喜良、原田維夫と「スタジオ・イルフィル」結成(翌年、解散)。
1965年 三島由紀夫と出会う。後に共に仕事をする。
1967年 寺山修司の「天井棧敷」に参加。ニューヨーク近代美術館に作品がパーマネントコレクションされる。
1969年 主役として出演した大島渚監督の映画『新宿泥棒日記』が公開される。
1970年 写真をはじめる。
1972年 ニューヨーク近代美術館で個展を開催。
1974年 篠山紀信とインド旅行。この後何度もインドを訪れるようになり精神世界に興味を深める。
1981年 渋谷西武で大規模な個展。
1982年 南天子画廊でペインティングの近作をまとめた個展。横尾忠則の「画家宣言」ととらえられた。画家としての活動が活発になっていく。
1987年 兵庫県文化賞を受賞し、兵庫県公館に作品が展示保存される。
1995年 毎日芸術賞受賞。
2001年 紫綬褒章受章。
2002年 これまでで最大規模の個展「横尾忠則森羅万象」開催。多摩美術大学大学院教授に就任(2004年まで)。
2004年 故郷のそばを走るJR加古川線電化開業、それにあわせ、ラッピング電車のデザインをし、同線で運行開始される。
2004年 この年から、多摩美術大学大学院客員教授(博士課程)に就任。
2008年 初の小説集『ぶるうらんど』で泉鏡花文学賞受賞。
2010年 神戸芸術工科大学大学院客員教授に就任。
2011年 旭日小綬章受章。
2012年 常に時代と共振する斬新なグラフィックデザイン・絵画の制作により2011年度朝日賞受賞。
開催概要
会期
2013年9月7日 (土) – 2013年11月4日 (月・祝)
休館日
9月24日 (火)、10月15日(火)
開館時間
9:00 – 18:00 (10月1日からは9:30 – 17:00)
※入館は閉館の30分前まで
観覧料
一般1,000(800)円、高大生600(480)円、小中生200(160)円
※ ( )内は前売および20名以上の団体料金
※ 心身に障がいがある方と付添者1名は無料
※ 常設展観覧料は含まれません
※ 前売券発売期間 7月24日(水)から9月6日 (金)まで
主催
横尾忠則展実行委員会(青森県立美術館、三沢市寺山修司記念館、青森朝日放送株式会社、公益社団法人青森県観光連盟)
特別協力
VILLAGE VANGUARD
協力
青い森鉄道株式会社
後援
青森県教育委員会
巡回予定
横尾忠則現代美術館(兵庫県) 2014年1月25日 – 3月30日
お問合せ
横尾忠則展実行委員会(青森県立美術館内)
〒038-0021 青森市安田字近野185
Tel 017-783-3000(代表) / Fax 017-783-5244
チケット販売
前売券発売所
ローソンチケット(Lコード23488)、チケットぴあ(Pコード 765-824)
青森市:青森県立美術館、青森県立美術館ミュージアムショップ、サンロード青森、さくら野百貨店青森店、成田本店しんまち店、青森県庁消費生活協同組合、リンクステーションホール青森(青森市文化会館)、青森市勤労者互助会
弘前市:さくら野百貨店弘前店、紀伊國屋書店弘前店、日弘楽器、弘前大学生活協同組合
八戸市:さくら野百貨店八戸店、中合三春屋店、八戸ポータルミュージアムはっち
五所川原市:ELMの街
七戸町:鷹山宇一記念美術館
盛岡市:盛岡駅ビル・フェザン
仙台市:エスパル仙台