横尾忠則の「昭和NIPPON」-反復・連鎖・転移

2013年9月7日(土) ━ 11月4日(月)

企画展 終了
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横尾忠則の「昭和NIPPON」-反復・連鎖・転移

横尾忠則の「昭和NIPPON」-反復・連鎖・転移

横尾忠則は現代日本を代表する美術家であり、なかでもさまざまなポスターや装丁などグラフィックワークがよく知られています。彼がてがけた寺山修司の天井桟敷のポスターは、寺山の演劇の世界観をよく表している時代のアイコンとして有名です。

また、横尾の活動はグラフィックワークだけでなく絵画制作など多方面にわたっており、その作品イメージは一点一点で完結することなく、くりかえし同じ主題を反復し、また関連し合いながら連鎖し、そして姿をかえて転移していくという、全体として日本の戦後の歴史を反映した大きな表象を形作っているかのようです。

本展は、横尾忠則のこうした時代の表象としての側面に着目し、横尾によって一貫して描かれてきた「日本」の戦前、戦後、そして現代にいたる時間の連続性を、作家が生きてきた「昭和」という時代と重ね合わせてとらえ直していくものです。

見どころ

今までにない切り口の「横尾忠則展」

横尾忠則がかけぬけた昭和という時代を、デザイン、イラスト、絵画、版画などのジャンルを超えて、繰り返し描かれるモチーフを手がかりにしながら紹介していく試み。
11 室に区切られた展示室は、各章ごとに分けながらも、横尾忠則が描くイメージによって繋がって行きます。

 

印刷物原稿や、アイディアスケッチなど、貴重な原画を公開!

ポスター原画、イラスト原稿、アイディアスケッチ等、横尾忠則の創作の過程をかいま見ることができる、直筆原画を多数展示します。

 

装幀本約500冊を展示!

2012年12月に「横尾忠則全装幀集」が発売され話題になっています。そこに収録された約1,000点の装幀本のうち、500点ほどを展示予定。

作家略年譜

作家略年譜

1936年 兵庫県多可郡西脇町(現在の西脇市)に生まれる。叔父の横尾家に養子に入り、かわいがられて育つ。幼いころから絵本の模写をしていた。
1943年 西脇国民学校に入学。漫画を描くようになり『漫画少年』誌に投稿。
1949年 市立新制西脇中学に入学。エリザベス・テイラーにファンレターを送り返信があったことが地元紙で報じられる。
1952年 兵庫県立西脇高等学校に入学。通信教育で挿絵を学び、油絵やポスター制作を開始する。郵便局員志望だったが教師の勧めで一時は東京の美大受験も考えたが結局地元の印刷屋に就職。地元の商店の包装紙のデザインを手がけ新聞社に引き抜かれる。
1956年 神戸新聞社へ入社。
1957年 結婚。
1960年 東京の日本デザインセンターに入社。
1964年 長女誕生。宇野亜喜良、原田維夫と「スタジオ・イルフィル」結成(翌年、解散)。
1965年 三島由紀夫と出会う。後に共に仕事をする。
1967年 寺山修司の「天井棧敷」に参加。ニューヨーク近代美術館に作品がパーマネントコレクションされる。
1969年 主役として出演した大島渚監督の映画『新宿泥棒日記』が公開される。
1970年 写真をはじめる。
1972年 ニューヨーク近代美術館で個展を開催。
1974年 篠山紀信とインド旅行。この後何度もインドを訪れるようになり精神世界に興味を深める。
1981年 渋谷西武で大規模な個展。
1982年 南天子画廊でペインティングの近作をまとめた個展。横尾忠則の「画家宣言」ととらえられた。画家としての活動が活発になっていく。
1987年 兵庫県文化賞を受賞し、兵庫県公館に作品が展示保存される。
1995年 毎日芸術賞受賞。
2001年 紫綬褒章受章。
2002年 これまでで最大規模の個展「横尾忠則森羅万象」開催。多摩美術大学大学院教授に就任(2004年まで)。
2004年 故郷のそばを走るJR加古川線電化開業、それにあわせ、ラッピング電車のデザインをし、同線で運行開始される。
2004年 この年から、多摩美術大学大学院客員教授(博士課程)に就任。
2008年 初の小説集『ぶるうらんど』で泉鏡花文学賞受賞。
2010年 神戸芸術工科大学大学院客員教授に就任。
2011年 旭日小綬章受章。
2012年 常に時代と共振する斬新なグラフィックデザイン・絵画の制作により2011年度朝日賞受賞。

開催概要

会期

2013年9月7日 (土) – 2013年11月4日 (月・祝)

休館日

9月24日 (火)、10月15日(火)

開館時間

9:00 – 18:00 (10月1日からは9:30 – 17:00)

※入館は閉館の30分前まで

観覧料

一般1,000(800)円、高大生600(480)円、小中生200(160)円

※ ( )内は前売および20名以上の団体料金
※ 心身に障がいがある方と付添者1名は無料
※ 常設展観覧料は含まれません
※ 前売券発売期間 7月24日(水)から9月6日 (金)まで

主催

横尾忠則展実行委員会(青森県立美術館、三沢市寺山修司記念館、青森朝日放送株式会社、公益社団法人青森県観光連盟)

特別協力

VILLAGE VANGUARD

協力

青い森鉄道株式会社

後援

青森県教育委員会

巡回予定

横尾忠則現代美術館(兵庫県) 2014年1月25日 – 3月30日

お問合せ

横尾忠則展実行委員会(青森県立美術館内)
〒038-0021 青森市安田字近野185
Tel 017-783-3000(代表) / Fax 017-783-5244

チケット販売

前売券発売所

ローソンチケット(Lコード23488)、チケットぴあ(Pコード 765-824)

青森市:青森県立美術館、青森県立美術館ミュージアムショップ、サンロード青森、さくら野百貨店青森店、成田本店しんまち店、青森県庁消費生活協同組合、リンクステーションホール青森(青森市文化会館)、青森市勤労者互助会
弘前市:さくら野百貨店弘前店、紀伊國屋書店弘前店、日弘楽器、弘前大学生活協同組合
八戸市:さくら野百貨店八戸店、中合三春屋店、八戸ポータルミュージアムはっち
五所川原市:ELMの街
七戸町:鷹山宇一記念美術館
盛岡市:盛岡駅ビル・フェザン
仙台市:エスパル仙台

展示内容

1 幼年時代 恐怖と快楽

愛の回想
1994年
アクリル・キャンバス
182.0 × 227.4cm
作家蔵

2 焼け跡 廃墟の記憶

美空ひばり
1966年
アクリル・キャンバス
53.0 ×45.5cm
兵庫県立美術館蔵

3 近代の病 呪われた部分

眼鏡と帽子のある風景
1965年
カラーインク・紙
70.0 x 54.5cm
個人蔵

4 陰惨醜悪怪奇 百鬼夜行


1985年頃
アクリル・板
180.0 x 120.0cm
横尾忠則現代美術館蔵

5 笑う女たち 土俗の悲しみ

歯みがき
1966年
アクリル・キャンバス
72.5 x 60.5cm
東京都現代美術館蔵

6 日本資本主義 シュミラークルの残骸

万博 太陽(日本万博楽しい会場より)
1967年
アクリル・キャンバス
33.4×24.3cm
国立国際美術館蔵

7 藤と旭日の光芒 至高性への憧憬

木花開耶媛の復活
1998年
アクリル、コラージュ・キャンバス
194.0 × 194.0cm
作家蔵(東京都現代美術館寄託)

8 記憶の鎮魂歌 心霊的交流

記憶の鎮魂歌
1994年
油彩、アクリル・キャンバス
182.0 × 227.7cm
作家蔵

9 忘れえぬ英雄 昭和残侠伝

新網走番外地(東映)
1969年
オフセット・紙
73.0 x 51.7cm
国立国際美術館蔵

10 泉 彼岸と此岸

実験報告
1996年
油彩・キャンバス
194.0 ×194.0cm
東京都現代美術館蔵

関連企画

横尾忠則公開制作(1)

日時:2013年9月7日(土) 12:00頃 –
会場:青森県立美術館 K展示室
料金:「横尾忠則展」チケットが必要です。(半券可)
申込:不要。当日、会場に直接お越しください。
※内容が変更になる場合もございますので、詳細は横尾忠則展実行委員会にお問い合わせください。

【中止】横尾忠則公開制作(2)

日時:10月末
会場:青森県立美術館 K展示室
料金:「横尾忠則展」チケットが必要です。(当日の半券可)
申込:不要。当日、会場に直接お越しください。
※内容が変更になる場合もございますので、詳細は横尾忠則展実行委員会にお問い合わせください。

県美土曜ゼミ「横尾忠則の昭和NIPPON」

世界的に活躍するグラフィックデザイナー / 現代美術家、横尾忠則。その作品群から日本の戦後史を考察します。
日時:2013年9月14日(土) 13:30 – 15:00
会場:青森県立美術館
定員:30名
料金:無料。ただし、「横尾忠則展」チケットが必要です。(当日有効の半券のみ可)
申込:不要。当日、会場に直接お越しください。

なりきりワークショップ「横尾忠則になりきる」

横尾忠則は、グラフィックデザイン、イラスト、絵画、版画など、表現ジャンルを超えて活躍し続けているアーティストです。今回は、独特の線で描かれる人物画に着目し、展覧会場でその作品を見た後に、描きたい人の写真をトレースしながら、グラフィック作品にしあげていきます。
日時:2013年9月21日(土) 13:30 – 16:30
場所:青森県立美術館ワークショップA
定員:20名 ※定員に達し次第締め切ります。
対象:小学校高学年以上
料金:無料。
申込:電話にて受付(017-783-3000)
その他:描きたい人の写真を各自お持ちください。

県美土曜ゼミ「寺山修司と日本のアヴァンギャルド」

アンダーグラウンドカルチャーの伝説となった寺山修司と、唐十郎、澁澤龍彦などの前衛芸術を通して、60-70 年代の日本のアヴァンギャルドを総括します。
日時:2013年10月12日(土) 13:30 – 15:00
会場:青森県立美術館
定員:30名
料金:無料
申込:不要、当日、会場に直接お越しください。

大島渚特集上映会

横尾忠則が主演した「新宿泥棒日記」など3本の映画を特集上映します。
日時:10月19日(土)
会場:青森県立美術館シアター
上映映画:
「新宿泥棒日記」(10:30 – 12:07、97分)
「東京戦争戦後秘話」(13:30 – 15:04、94分)
「儀式」(15:30 – 17:23、123分)
定員:200名
料金:無料。ただし、「横尾忠則展」チケットが必要です。(半券可)
申込:不要。当日、会場に直接お越しください。

関連ファイル