「なりきりワークショップ奈良美智・小野忠弘など」開催しました!

2012年3月3日

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「なりきりワークショップ奈良美智・小野忠弘など」開催しました!

去る2月26日、今年度最後のなりきりワークショップが開催されました。最後のお題は、「奈良美智・小野忠弘など」ということで、細矢エデュケーターの案内のもと、作品の鑑賞からスタート!
まずは、奈良美智展示室です。奈良美智の作品は、その描かれた魅力的な女の子や犬の絵に目がいってしまい、ついついその表情など、そこに描かれた絵柄に目がいってしまいますが、もう少しよく観てください。実は、マチエール(画肌)に、非常にこだわりがみられます。小さく切られた綿布を重ねて張り合わせた上に絵をかいていたり、企業のマークなどが入った封筒に、そのまま描いたり…普通に考えると、でこぼこしていない紙に描いた方が、すらすらと描きたいように描けるし、何か他のものが印刷された紙の上よりも、真っ白い紙の方が、邪魔するものがなくっていいはず。でも奈良さんは、その、ノイズのようなぼこぼこや、印刷、破れや、ほつれなども味方にして(あるいは戦いながら)、作品をつくりあげていきます。
そして、小野忠弘展示室へ。小野忠弘は、ジャンクアートの鬼才と呼ばれ、絵画作品と分類されてはいるものの、時に彫刻のような作品を作る作家です。廃品や、石、貝などの自然物、それらを画面に貼付けて構成していきます。絵具もまた、絵を描く画材としてというよりは、まるでそれらの物体と同じように、チューブからひねり出されたまま画面に置かれたり、ゆるく溶いたものを垂れ流して、細く繊細な線を乗せていったりします。
どちらの作家にも共通しているのは、「表面」への強いこだわりではないでしょうか。今回のなりきりワークショップでは、「絵」を描くのですが、絵柄を考えるのではなく、表面のマチエールを強く意識した制作にしてもらうために、まず、画面となるパネルに、いろんなものを貼付けていってもらいます。最後に、それらは前面白一色で塗ってしまうため、その物のもつ色や形などは、関係なくなります。絵の表面を強く意識して作っていただきました。
こんな慣れない作業でしたがみなさん楽しんで作っていただけたようでよかたです。写真でみても、きれいですよね。一体何が貼ってあるのかわかりますか???このような作業を通して、作家の細かなこだわりにまで目を向けていただければいいなと思っています。

今年度のなりきりワークショップは、これにて終了。参加いただいたみなさん、本当にありがとうございました!なんとこの日は、埼玉、東京からおこしいただいたお客さまも!うれしいですね〜。来年度も開催予定ですので、どうぞ宜しくお願いいたします!