「なりきりワークショップ」と題して、今年から、シリーズで開催しておりますワークショップの、第二回目が終了しました!主に、常設展示されている作家さんのなかから、テーマを決めて開催しております。第二回目は、『成田亨・高山良策』をテーマに開催いたしました!
成田亨と言えば、ウルトラマン、ウルトラ怪獣のデザインで知られていますが、そのデザイン原画をもとに、立体造形をしていたのが、高山良策でした。2人の関係は、とても面白く、彫刻家であった成田がデザインをし、画家であった高山が、立体造形をしていたという、一見逆の仕事をしていました。しかし、逆だっただからこそ生み出せた怪獣といってもいいかもしれません。成田のデザイン原画からは、彫刻家だからこその視点をみてとることができます。例えば、レッドキングは、より大きく迫力あるようにみせるために、下から見上げたときにパースがつくように、体にだんだんと幅がせまくなっていく階段のようなでこぼこをつけて、顔が、より小さくみえるようなデザイン原画をつくっています。それを受けた高山、平面からしっかりとその意図を読み取り、デザイン原画そのものといったような雰囲気の着ぐるみをつくっています。
また、二人の共通点として挙げられるのは、ふたりとも、芸術家であったことから、子供向けの怪獣とはいえ、デザイン、造形に、アート作品の形や、アートの概念そのものを取り入れることも多々ありました。その中から、今回は「シュルレアリスム」をご紹介!成田の怪獣デザインの3原則のなかに、「2つ以上の形をくっつけて、新たな形をうみだす」というようなことがあったり、高山は、日本に「シュルレアリスム」を紹介した画家である、福沢一郎に師事したことから、「シュルレアリスム」的な絵画作品を多数のこしています。
ということで、今回の創作は、「シュルレアリスム」の手法のひとつである、「コラージュ」に決定!「シュルレアリスム」の概念として紹介されることの多いロートレアモンの詩の一節である「手術台の上のこうもり傘とミシンの出会いのように美しい」という表現にあるように、意外な場所で、意外なもの同士を出会わせることで、不思議な風景や、びっくりするようなものを作り出すということを目指して、さあ、制作スタート!!
みなさん、それぞれテーマをもって、とても面白い作品を作ってくださいました!スタッフも一緒に制作したのですが、夢中になって、無言で進めてしまいました…笑!終了後、参加者のみなさんの「楽しかった!」という声を聞けてほっとしました!私たちもとても楽しかったです♪
以上のように、「なりきりワークショップ」では、展示室を観て、少しレクチャーを聞いたあとに、テーマとなる作家さんの手法を真似て制作してみる、というもので、「なにかすごい作品をつくる!」というような固いものではなく、「手を動かしながら、作家さんについて、深く知る。」ということを目的に開催しております。ぜひお気軽に参加くださいね♪
次回は3月26日、「奈良美智・小野忠弘」をテーマに開催いたします。2人とも、画肌(マチエール)にすごくこだわった作品を多く制作しています。そこに焦点をあてて、鑑賞&創作をしていこうと思います!詳細はこちら。
※なお、参加料は無料ですが、常設展観覧料がかかります。ご了承ください。