縄文アート制作ワークショップ 開催しました!

2011年8月24日

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縄文アート制作ワークショップ 開催しました!

美術は目で観るだけのものでしょうか?
時には触って素材感を確かめたり、音を感じたり、
また、作家との対話や創作を通じて作品に近づくこともできます。

青森県立美術館が隣接する三内丸山縄文遺跡。
縄文土器や土偶などに見られる造形感覚は、現代人からみても驚きの繊細さ。
縄文人の巧みな手わざは、青森の創作活動の原点ともいえます。
これを手で触れながら鑑賞を楽しむことができる特別展「Touch the Art!」展を
10月15日(土)~11月6日(日)に開催します。
展覧会では縄文土器のほか現代の彫刻作品も展示。
触ってみたり、叩いて音を楽しんだり、現代作家のトークやパフォーマンスなど
視覚だけに頼らずに体で感じて楽しめる内容となっています。
詳細は後日HPにアップしますので、お楽しみに!!

この特別展に先立ち8月21日に開催したのは「縄文アート制作ワークショップ」。
視力障害をお持ちの方を含む、小学生から70代の女性までの55名が参加してくれました!
はじめに、三内丸山遺跡保存活用推進室の齋藤さんから、
縄文文化についてお話を聞き、本物の縄文土器を触ってみます。
「これは煮炊きに使われたので、外側は模様がついていたりしてざらざらしているけど、
内側はつるつるしています。」と齋藤さん。
「落としたらどうしよう~!」「意外と軽い」「いや、重いよ」「おもしろい形」
恐る恐る触っていた子ども達も付添の親御さんも興味津々。

次に、津軽金山焼の作家さんから全員に厚さ2cmの粘土の板が配られました。
この板の上に、それぞれが「縄文」をイメージしたモチーフを粘土で付け加えていきます。
顔、家、動物、炎といった具体的なモチーフをつくった人もいれば、文様だけを表現した人も。
同じ話を聞いて、同じものを観て、同じものを触っても、感じ取り方は人それぞれ。
50枚の板に作者の個性があらわれます。
これらの作品は、津軽金山焼の窯場で焼成されたあと、ひとつの作品へと組み上げられ、
「Touch the Art!」展で展示します。もちろん、触れる展示となります!

印象的だったのは、視力障害の方々が触覚を研ぎ澄ませて“縄文”を感じ、楽しんでいたこと。
私たちは、目で観ることに頼りすぎて、実はよく観ていないのではないでしょうか?
「Touch the Art!」展では、「作品の本質を感じとる」ことを
いつもと違ったアプローチで体験してもらいたいと思っています。

<ワークショップ協力>
津軽金山焼窯業協同組合
県教育庁文化財保護課