プレスリリース

舞台芸術の世界展関連企画の開催について

2007年10月3日

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舞台芸術の世界展関連企画の開催について

標記について、下記のとおり開催いたしますので、告知協力及び取材方お願い致します。

                 記

1 日 時:平成19年10月28日(日)まで
2 場 所:青森県立美術館
3 舞台芸術の世界展 関連イベントのご案内

-ダンス公演+講演+シンポジウム 10/6(土)
-記念講演会           10/7(日)
-ワークショップ         10/20(土)・21(日)
-ロシア映画上映         10/13(土)
-アート入門           10/10(水)
-学芸員によるギャラリートーク  10/14(日)・28(日)
-『アレコ』鑑賞のための特別プログラム 会期中毎日

ダンス公演+講演+シンポジウム
《バレエ・リュスとロシア・アヴァンギャルドの夕べ》
日時:10月6日(土)14:00 - 17:00(13:45開場)
場所:青森県立美術館企画展示室E
参加料:鑑賞・聴講無料 *本展の観覧券が必要です
定員:100名(当日受付・先着順)
▼ダンス公演 14:00 – 14:45
『バレエ・ビオメハニカ/BALLET BIOMECHANICA』
演出・振付・美術:豊島重之 TOSHIMA Shigeyuki(モレキュラーシアター芸術監督)
舞台監督:高沢利栄 映像監督:宮内昌慶 音楽編集:田島千征・大久保一恵
出演:大久保一恵・苫米地真弓・四戸由香・秋山容子・斉藤尚子ほかモレキュラーシアター
▼講演 14:50 – 15:50
「ディアギレフからカバコフまで」
講師:鴻英良 OTORI Hidenaga(演劇批評家・ロシア芸術思想)
▼シンポジウム 15:50 – 17:00
「バレエ・リュスが今日の芸術にもたらしたもの」
出席:鴻英良(同上)・大久保一恵(ダンスアーティスト)・豊島重之(モレキュラーシアター芸術監督)

舞台作品『バレエ・ビオメハニカ/BALLET BIOMECHANICA』について
ディアギレフと「バレエ・リュス」が、多面的な要素をはらみながら、パリを起点として世界中の絶賛を浴びた理由は、同時代の前衛を積極的に取り込んだ点にあります。ピカソ・ブラック・ピカビア・レジェのキュビスムもその一つで、そのレジェの映画の題名から、本公演のタイトルが由来しています。もう一つは、メイエルホリドが提唱した「未来のための」俳優養成システム「ビオメハニカ」の含意も込められています。
「リュス」のクォリティの高さには、やはり同時代の「ロシア・アヴァンギャルド」との交響を忘れるわけにはいきません。そこで本公演のイメージとしては、マレーヴィチ「シュプレマティズム」の、とくに「白の中の(上の)白(い正方形)」を私達は参照しています。具体的には三面が白亜のギャラリーを想定しています。                      豊島重之(モレキュラーシアター芸術監督) 

講師紹介:鴻英良 OTORI Hidenaga 
演劇批評家・ロシア芸術思想。静岡県生まれ・東京都在住。東京工業大学卒業。東京大学大学院修了。ロシア演劇専攻。2002、03、04の3年間、世界最前衛のハンブルク国際演劇祭「ラオコオン」芸術監督を務める。著書に『二十世紀劇場』(朝日新聞社、1998年)。共著に『野田秀樹 赤鬼の挑戦』(青土社、2006年)。訳書にカントール『死の演劇』やタルコフスキー『映像のポエジア』など多数。2007年9月にはロシア最前衛の現代美術家イリヤ・カバコフの翻訳も出版される。
演出家紹介:豊島重之 TOSHIMA Shigeyuki 
モレキュラーシアター芸術監督・ICANOFキュレーター。八戸市生まれ・在住。東北大学卒業。精神科医。2004年現代詩手帖4月号で、故・太田省吾と吉増剛造との鼎談『渦巻く流動の相のもとに』に出席・提言。2006年10月、世田谷パブリックシアター企画制作「ベケットを読む」で、故・太田省吾演出の遺作と二本立て公演『OHIO・CATASTROPHE』を演出(シアタートラム)。論稿に『流刑地の秘書たち』『箔足のバロック』『四角いベケット』(舞台芸術誌)ほか。編著に『写真集パンタナル2006』など多数。
出演者紹介:
大久保一恵 OHKUBO Kazue 
ダンスアーティスト。八戸市生まれ・在住。豊島重之演出『f/F・parasite』『OSIRIS/OSCILLIS』など海外11ヶ国のモレキュラー公演に主演。2002年八戸市美術館主催・豊島弘尚個展オープニング・トーク講師として、深く鋭い明察を披露。
苫米地真弓 TOMABECHI Mayumi
ダンスアーティスト。八戸市生まれ・在住。豊島重之演出『FACADE FIRM=肖像画商会』など海外8ヶ国のモレキュラー公演に出演。06年モレキュラー世田谷トラム公演や沖縄公演にも出演。
四戸由香 SHINOHE Yoshika
モレキュラー・メンバー。ダンスバレエ・リセ出身。八戸市生まれ・東京都在住。ソロ作品に『untitled-0911』『監視カメラSUBWAY』など。06年9月モレキュラー20周年『PANTANAL』出演。
秋山容子 AKIYAMA Youko
モレキュラー・メンバー。八戸市生まれ・在住。06年モレキュラー20周年『PANTANAL』や『OHIO・CATASTROPHE』『CORIOLIS』で世田谷トラムや沖縄公演に出演。
斉藤尚子 SAITO Naoko
モレキュラー・メンバー。秋田県生まれ・八戸市在住。06年モレキュラー20周年『PANTANAL』や『OHIO・CATASTROPHE』『CORIOLIS』で世田谷トラムや沖縄公演に出演。
演劇ダンス・ユニット《MOLECULAR THEATRE》紹介:
1968年に(当時東北大医学生だった)豊島重之が破天荒なジャンク・シアターを始動。それが「微分子劇場」を意味するモレキュラーの前身となった。翌2008年は豊島重之にとって演劇活動40年の節目となる。1983年「アテルイ」パリ公演や初の「東北演劇祭」主催・実現の成果で84年、青森県芸術文化奨励賞受賞。
1986年に八戸を拠点にモレキュラー結成。翌87年より99年まで海外12ヶ国の芸術祭に招待公演。89年に「国際カフカ芸術祭」主催・実現の成果により、主演の大久保一恵が八戸市芸術文化奨励賞受賞。95年『FOOTNOTED』が読売演劇大賞にノミネート。翌96年に『FACADE FIRM』がアデレード芸術祭に正式招待。同時に演出の豊島重之が東京ジャーナル演劇賞受賞。
2005年、国際交流基金フォーラムで「ベケット東京サミット」を主催・実現。その全容は豊島重之編著06年10月刊『モレキュラー20周年写真集PANTANAL』に収録。06年10月世田谷パブリックシアター主催公演に新作『オハイオ即興劇・カタストロフィ』上演。その核心は07年舞台芸術誌11号に豊島が「四角いベケット」執筆。07年9月14・15・23日に八戸市美術館での『ISTHMIAN RHAPSODY』公演や、10月6日青森県立美術館での『BALLET BIOMECHANICA』公演に続いて、11月3-4日沖縄県立美術館・開館記念公演のモレキュラー新作『DECOY』も期待されている。

記念講演会
「バレエ・リュスから『アレコ』ヘ -新しいバレエ世界-」 
日時:10月7日(日) 14:30 –
場所:青森県立美術館シアター
講師:芳賀直子(舞踊研究家)
参加料:無料
定員:220名(当日受付・先着順)

バレエ・リュスはセルジュ・ディアギレフに率いられ1909年から1929年の間だけ存在したカンパニーでした。バレエ・リュスのパリ登場と同時に、ニジンスキーは文字通り一夜にしてスターとなり、また今で言うアイドルとなったのでした。
そして、初演から20年間、西欧芸術世界になくてはならない存在であり続けました。その顔ぶれは今から思うと夢のような豪華さです。ストラヴィンスキー、バクスト、ブノワ、コクトー、マティス、ピカソ、ゴンチャロワ、ラリオノフ、ローランサン、シャネル、キリコ、ルオー、etc… 綺羅星のようなメンバーが参加しています。
しかしそうした人たちを統率し続けるというのは簡単なことではありませんでした。バレエ・リュスは1929年のディアギレフの死と同時に解散を余儀なくされてしまったのです。
しかし、再興を願う多くの人たちによって様々なバレエ団が結成され、中でもバレエ・リュス・ド・モンテカルロは1962年まで存在し続けました。
また、バレエ・リュスのダンサー達は世界各国で活動を続け特に米国、豪州ではとりわけ多くのダンサー/振付家が活動し、大きな影響を与えました。
青森で背景幕を収蔵している『アレコ』(1942年)もそうした成果の一つなのです。振付けたマシーンもバレエ・リュスでディアギレフによってロシアで見出されたダンサー/振付家ですし、上演したアメリカン・バレエ・シアターはバレエ・リュスの最初のシーズンで人気を博したボルム、やはり最初のシーズンにも参加し後にアンナ・パヴロワの相手役としても人気を博したモルドキンらによって創設され、フォーキン、ドーリン、チューダーらの作品を次々上演したバレエ団なのです。
そうした事もご紹介しながら、バレエ・リュスによって始まり今も生き続ける「バレエ」の魅力をご紹介したいと思います。                              芳賀直子(舞踊研究家)

講師紹介:芳賀直子 HAGA Naoko 
舞踊研究家。東京都生まれ・神奈川県在住。明治大学大学院文学部文学科演劇専攻博士課程前期修了(文学修士号取得)。専門はバレエ・リュス、バレエ・スエドワ。研究者としてバレエ、ダンスをはじめ、演劇、オペラ、歌舞伎等国内外の舞台を幅広く見、評論活動をおこなうほか、コンクール審査員としても活躍している。また、兵庫県立芸術文化センター所蔵〈薄井憲二バレエ・コレクション〉キュレーターとして展覧会企画、監修等も手がけている。著書に『ICON~伝説のバレエ・ダンサー、ニジンスキー妖像~』(講談社、2007年)。

ワークショップ
「銅版画ワークショップ -『アレコ』のことば-」
銅版画には様々な技法がありますが、今回は主にディープエッチングと、リフトグランドエッチングという2つの技法を紹介します。技法によって生み出されてしまう偶然のかたちと、自分のイメージによってつくりあげた必然のかたちの重なりの面白さを体感しながら作品をつくりましょう。
『アレコ』のストーリーを構成している〈ことば〉を手がかりに、シャガールの「アレコ」とは全く違う、自分だけの『アレコ』ができあがっていきます。

日時:10月20日(土) – 21日(日) 10:00 – 16:00 *2日間通し
場所:青森県立美術館ワークショップB、屋外創作ヤード
講師:県立美術館スタッフ
対象:小学校高学年以上
参加料:1,000円(材料費)
申込方法:電話・FAX 
申込み先:電話017-783-5241/FAX017-783-5244
※事前申込みが必要です。

ロシア映画上映 
トルストイ原作による同名SF小説を映画化したソ連初のSF映画『アエリータ』(1924年/84分)の他、展覧会に関連した映画を上映します。

日時:10月13日(土) 13:30 –
場所:青森県立美術館シアター(220席)
入場料:無料
※当日会場へ直接お越し下さい。

アート入門
企画展「舞台芸術の世界」について、担当学芸員が映像をまじえてわかりやすく解説します。
日時:10月10日(水) 14:00 – 15:00
場所:青森県立美術館シアター
講師:板倉容子 (当館学芸員)

ギャラリー・トーク
担当学芸員による展示解説をおこないます。
日時:10/7 、21を除く会期中の毎週日曜日 14:30 - 
場所:青森県立美術館企画展示室
参加料:無料
*本展の観覧券が必要です

『アレコ』鑑賞のための特別プログラム
会期中の11:00 -、14:00 – (1日2回開催) 開催。 (10/6、10/10は11:00 -、13:30 – )
常設展示中の『アレコ』に特殊照明と音楽を用いたストーリー解説によりご鑑賞いただく特別プログラム(約15分)を実施しています。