ファシリテーター研修を実施しました

2010年2月6日

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ファシリテーター研修を実施しました

2月2日にファシリテーターを対象とする研修を、午前から午後にわたって実施しました。
「ファシリテーター」とは、理解を促す人といった意味あいを持っていますが、当館では、学校団体の鑑賞ツアーにおける対話型のギャラリートークなどを行う、美術作品と子どもたちをつなぐ架け橋となるスタッフとして位置づけています。
常設展の展示替えなど、これまでも必要に応じて研修を行ってきましたが、今回は武蔵野美術大学教授の三澤一実先生を講師にお招きし、ギャラリートークに関する講義やその実習などを行っていただきました。

午前中は、講義を中心に進められていきました。
講義といっても一方的なものではなく、「『青い海』という言葉からどのようなイメージを思い浮かべるでしょう?」などといった問いかけなどが随所に織り交ぜられた対話型のスタイルで展開されていきます。
そのほかにも、感光紙を用いたワークショップや、アートカードを使ったグループワークなどを通じて、ギャラリートークをするうえでのポイントなどについて解説していただきました。

午後からは、実際に展示室に出て、作品を前にしたギャラリートークの実習を行いました。
ふだんのギャラリートークではあまり選ばないような自分が苦手な(!)作品を選ぶように指示されていたファシリテーターは、最初はかたさが見られたものの、三澤先生の「自分がよくわからないと思う作品でも、ギャラリートークの参加者と一緒になって考えたりしていくのも手段のひとつです」といったアドバイスなどのおかげで、トークのコツをつかむことができたようでした。

研修に参加したファシリテーターの感想の一部をご紹介しますと・・・
「苦手というかよく分からないなと思った作品でトークしてみて、具体的に実践で見せて頂きうまくいかない原因が目に見えて納得できて、とても収穫になりました」
「今までは自分が好きな作品や気になる作品を選びがちでしたが、自分が納得できないものや、何なんだろ、わからないやと目を向けずにいた作品でも『一緒に考えればいいんだ』と思うと、心強いです」
「改めて他の人の意見を聞く楽しさや自分の意見を受けとめてもらえる楽しさやうれしさに気づくことができました。これからもファシリテーターとして、子どもたちとお互いに学びあっていけたらなぁと思います」

今回の研修を糧に、これからも美術館を訪れた子ども達に対し、作品を見る喜びや楽しさを発見していただけるようなギャラリートークを心がけていきたいと思います。
寒さの厳しい中、はるばる青森までお越しいただき講師を務めてくださった三澤先生、有意義な研修を本当にありがとうございました!