県内では、来週末から3学期が始まる学校も多いと思います。
当館では、スタッフが学校を訪問する「お出かけ講座」を毎年、主に秋から冬にかけて行っています。21年度は、11月から2月までの間に、希望していただいた県内小中学校と特別支援学校の合計19校にお邪魔する予定です。新型インフルエンザの流行による中止や日程変更など、少なからず影響を受けましたが、12月までに12校を終え、冬休み明けから残りの学校訪問を再開します。
今年度のお出かけ講座の主な内容は、当館コレクション作品と三内丸山遺跡出土品、計50点で構成されているオリジナル教材「アートカード」を使っての鑑賞です。昨年度から続けている内容ですが、アートカードを使って数種類のゲーム遊びをしながら、作品の要素や構成に注目する、作品の特徴をとらえる、といった鑑賞方法を体験し、最後に、選択したカード1枚の作品について鑑賞文を書いてもらいます。ゲームの最中の仲間との言葉のやりとりや鑑賞文の発表といった自己表現と他者の受容を通して、鑑賞がより豊かに深まることを期待しています。
今回は、小学校低学年を対象にした講座の内容を紹介します。
最初に、美術館の仕事や当館の特徴などを写真やキーワードを使ってわかりやすく説明した後に、2種類のゲームを行います。1つ目は、目の前に並ぶカードの中から3つのヒント全てに該当するカードを探すゲーム。2つ目は、スタッフが指定する形や物を机の上に広げたカードの中からできるだけたくさん探すゲーム。2つのゲームによって、作品の細部までよく見て、その特徴に気づいてもらうことを目的にしています。
ゲームの後にこどもたちが書いた鑑賞文の一部を紹介すると・・・
奈良美智「Mumps」について、
様々な発見をし、自分なりにいろいろと感じてくれていることがわかります。
約90分の講座の間、こどもたちの集中力が途切れないかが心配でしたが、最後まで楽しんでくれたので安心しました。
アートカードは県内学校への貸し出しも行っています。
お出かけ講座やアートカードに興味のある方は、教育普及担当までお気軽にお問い合わせください。