創作工房「津軽塗~いろんなものに漆を塗ってみよう」

2008年10月23日

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創作工房「津軽塗~いろんなものに漆を塗ってみよう」

10月4日(土)、11日(土)、18日(土)の3回連続で、創作工房「津軽塗~いろんなものに漆を塗ってみよう」を行いました。講師は津軽塗職人集団、Tsugaru Urushi Spirit合同会社の今 照芳さん、木村正人さん、小笠原富輝さん、斎藤和彦さん。さらに青森県工業総合研究センター 弘前地域技術研究所の研究員、小松勇さん、弘前商工会議所の村谷要さんも応援に来てくれました。

今回の企画は「もしもこんなものが津軽塗だったら…」と思うものを持ち寄って、職人さんの指導のもと自分の手で津軽塗を施してもらうものです。
一般的に知られる津軽塗の手順を簡単に言うと、漆を全体に均一に塗ったり、ぽんぽんと漆を置くように模様を付けたりをくり返し、乾燥した後、耐水ペーパーで研ぐことで、塗り重ねた漆の層が模様となって表れるというもの。

事前に参加者の「塗りたいもの」を確認すると、箸、ねぷた笛、額縁、革のブレスレット、樹脂製の指輪、iPodケース、メガネケース、自分で栽培したひょうたん(!)など、それぞれの個性が感じられるセレクトです。(漆は木、竹、紙、革、樹脂などにも塗ることができるそうです。)

作業には全て本漆を使います。
道具も特別なものが多く、漆を練るヘラはイタヤカエデの木、刷毛は髪の毛で出来ているそうです。そのため、今回は職人さんが普段から自分の仕事で使っている道具を使わせてもらいました。漆の食いつきを良くするために、塗りたいものにヤスリがけをした後、職人さんに教えてもらいながら、慣れない手つきで漆を練って、塗っていきます。模様を付けるときも、紙を丸めたものやスポンジなど、作りたい模様を想像しながら道具を選びます。
何しろ、最後に研ぎ出すまでどんな模様になっているかわからないため、楽しみだけどちょっと心配。職人さん曰く「仕上がりを予想しながら塗ってるけど、模様は出てみないとわからない。でもそれが一番楽しい!」。模様がうまく出来ていても研ぎの加減で、せっかくのきれいな模様を研ぎ過ぎてしまうこともあり、なかなか難しいようです。

本当なら20回ほど塗るものを、今回は5回程度の塗りで仕上げるという企画なので、最終日に間に合うか心配でしたが、どうにかみんな津軽塗らしくなり、ひとまず終了。(引き続き、職人さんの工房に通って仕上げたい!という熱心な方もいるようです。)

職人さんとの交流と制作の他、塗りたいものを自分で探すことや、他の参加者の持ってきたものを見ることで「自分の求める津軽塗」とか、「こんな津軽塗もアリかも?」とか考えるきっかけになってくれたらな、と思います。