去る10月13日に、ワークショップ「2000年後の未来遺跡を発掘しよう!」を行いました。
これは、「2000年後の三内丸山遺跡」に眠っているものを未来の人になったつもりで発掘してみようというもの。発掘するものは、私たちが現代社会の中で身近に目にする品々、使う道具は、スコップならぬローラー!この日は、友人同士で参加してくれた中学生やご家族連れなどが「2000年後の未来遺跡での発掘」を体験しました。
美術館に集まった参加者たちは、まず、講師の柴川敏之さんの案内で「2000年後の美術館」に展示されている様々な現代の品々の化石(作品)を見て回りました。その後、「発掘作業」をするために「2000年後の三内丸山遺跡」へ移動!この日の発掘現場は、大型竪穴住居前の2箇所。白い帆布で覆われていて、下に何があるかわからないようになっています。
ここで、インクをつけたローラーを渡された参加者が、帆布の上をローラーでコロコロすると、隠れていた現代の品々の形がその帆布に浮かび上がり・・・。色を失って形だけが残った「布の化石」の「出土」です。
タイヤ、ロープ、ハンガー、蚊取り線香、鍵、ハサミ、携帯電話、フロッピーディスクなど、たくさんの品物が出てきたうえ、最後には「現代人の化石」!?までも「発掘」し、この日の作業は無事終了!
長さ9メートルの「布の化石」5枚が完成しました。
秋晴れの空の下、本物の遺跡の中での「発掘」ワークショップは、身の回りにあふれるいろいろな物をあらためて意識した時間となりました。
2000年後に、本当に現代の品物や人骨が土の中から発見されたら、未来の人は何を思うでしょう。私たちが三内丸山遺跡で縄文時代を思うように。現代社会をうらやましく思うのか、悲惨な時代だったと思うのか。それとも、発掘してくれる人類は既に滅び、私たちの社会が存在したことの証である物たちは土の下に埋もれたままなのか。
今回制作した「布の化石」は、9月の「2000年後の縄文キャンプ」で制作したものとあわせ、さらに、10月25日と26日の縄文秋祭りにおいても「発掘ミニワークショップ」を行って数を増やし、12月に美術館アレコホールの壁に展示する予定です。ミニワークショップは、2日間とも三内丸山遺跡(雨天時は縄文時遊館)で10時から15時までの間行います。どなたでも自由に参加できますので、お気軽に「発掘」(拓本)体験をお楽しみください。