プラモデルは単に組み立てるだけでなく、新しい表現形式としての可能性もひめています。その代表的なものが「ジオラマ(情景模型)」です。この展覧会では、雑誌やテレビで活躍するプロモデラーによるジオラマ作品も展示しています。プラモデルを中心としつつも、様々な素材や技法を駆使して、箱庭の中に物語を表現していくジオラマは、プラモデルをただきれいに組み立てるだけでなく、実際の情景をイメージしながら汚し、時には壊したりしながら、「リアリティ」を追求していきます。リアリティと同時に、その小さな世界の中へ無限に広がる「ドラマ」を盛り込むなど、奥深い表現性を持っているのが特徴です。TVチャンピオンでお馴染みの山田卓司氏、映画「ALWAYS 三丁目の夕日」のセットをミニチュアで再現し、その精巧な仕上がりが注目を集めている伊藤康治氏、季刊『パンツァーグラフ!』の編集長もつとめている金子辰也氏、世界でもっとも権威のあるイギリスの模型コンテストで金賞を受賞した経歴を持つ青森市在住の島脇秀樹氏など、確かな技術に裏打ちされた豊かな物語性と高いクオリティを持つジオラマ作品がお楽しみいただけます。
○画像左:山田卓司「完成したよ!」 2007年
○画像右:島脇秀樹「明治38年5月27日 日本海海戦 ロシア戦艦クニャージスオロ」 2006年