企画展示室最後の展示室Eでは、ボックスアート展の併設企画として「発掘された小松崎茂」を開催しています。
もともと日本画家を志していた小松崎茂は、やがて挿絵画家に転向し、様々な雑誌のイラストを手がけ、時代を代表する人気作家となっていきました。1970年代には、当時の新興メーカーであったバンダイ模型のパッケージ原画を多数手がけていましたが、しばらくその原画は所在が不明となっていました。しかし近年、バンダイホビーセンターの改築にともなって、その貴重な原画群が発見され、その数は約200点にものぼりました。1971年から77年にかけて小松崎が描いた、それらアニメ、特撮のキャラクターたち、「サンダーバード」や「仮面ライダー」、「ゴレンジャー」や「マジンガーZ」など誰もが知っている人気番組に登場するヒーローやメカは今でも多くの人々の記憶にしっかりと刻み込まれています。
このコーナーでは、発見された約200点の原画から40点を厳選して展示しておりますが、いずれの作品も原画が公開されるのは初の機会となるものばかりです。小松崎独特の筆づかいや彩色など、原画をとおしてしか味わえない絵画としての魅力をお楽しみください。
また小松崎原画が用いられた当時の貴重なキットも多数展示。
さあ、1970年代にタイムスリップだ!
○画像左:イマイ「バージル人形付サンダーバードTB2号」 1971年 画:小松崎茂
こちらは今井科学版サンダーバードシリーズのボックスアート(映像室に展示)。
その後、その後金型がバンダイに移され、バンダイのプラモデルとして再販された際のボックスアートはこのコーナーで紹介しています。展示しているバンダイ版サンダーバードシリーズの原画はすべて文字が反転していますが、その理由は今井科学版で使用されたパッケージ原画を用いるにあたって、差別化を図るために逆版にすることで印象を変えようという意図から、小松崎自身が文字を逆さに修正し、背景にも一部手を加えているからなのです。
○画像右:展示風景