1のつく日はスタッフ日誌。
毎月21日はアテンダントにお願いしています。
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スタッフ日誌〈12〉
立春。
春とは名ばかりで寒い毎日が続いておりますが、皆様元気にお過ごしでしょうか。
当美術館には現在、絵画をはじめ、版画・陶芸・油絵など多彩な作品が展示されています。
ほとんどの作家は戦前生まれで、戦争という苛酷な時代を体験しています。
そんな作家達の経験が生み出す芸術は、とても華やかなのに力強さが感じられます。
展示室Hには、私が皆さんに是非見ていただきたい、六ヶ所村開拓写真が展示されています。
「庄内開拓農協」の人々が、六ヶ所村の原野を切り開いていく様子が写真に収められているのですが、
これらを撮影した写真家川村勇さんのコメントによると、彼らは満蒙開拓団の引き揚げ者であると記されています。
満蒙開拓団と言えば、「犠牲を多く出し、中国残留孤児を生んだもの」というのが頭に浮かびますが、
これらの写真を一枚一枚見ていくと、
悲しいけれども希望に満ちている、そんな人間の強くて美しい精神が伝わってきます。
とても貴重な作品だと思います。
作品をその時代の歴史的、政治的背景を想像しながら見てみると、また違うものが見えてきます。
美術館にはそのような作品がたくさんあります。
新しい目線で、美術館をお楽しみください。
ご来館、心よりお待ちしております。
アテンダント 佐々木