ただそこにあるものを写すだけ・・・

2008年2月20日

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ただそこにあるものを写すだけ・・・

今日、六ヶ所村開拓写真を撮影した野辺地町出身のアマチュアカメラマン・川村勇さんが、ご自身の写真を鑑賞するため奥様と2人で美術館にいらっしゃいました。
30代の頃、7年間、六ヶ所村倉内芋ヶ崎地区(通称、庄内地区)で村の農協職員として開拓民とともにその地で暮らしながら撮影した川村さんは、現在、名古屋にお住まいです。
名古屋への引越しの際に、ネガなどの所在が不明となり、ご自身の手元にも開拓写真は残っていないとのこと。
最初は冷害報告のための写真だったそうですが、徐々に、駆け回る子どもたちや農作業をする村人などに被写体が変わっていきます。村人たちは、最初はカメラに抵抗を示していたものの、どんどんカメラに慣れてきて、近付いて撮影してもカメラを意識しなくなったそうで、どの写真からも自然な生き生きとした表情が伝わってきます。
「ただそこにあるものを写すだけ。撮ったら子どもたちに焼いてあげる。村の人たちに写真をあげていた。物を大事にする人たちだから、今でも写真が残っている。良い写真を撮ろうという気もなく、残そうという気もなく、ただシャッターを夢中で切っていた。この写真を見て、当時、苦労したことを思い出す。今は、写真に残しておいて良かったな~と思う。村の人達が大事に写真を残しておいてくれたことに感謝している。六ヶ所で過ごした7年間は人生最高の時間だった。」と懐かしそうに語ってくださいました。
川村さんは、今でも村の人たちと年賀状のやり取りなどをされており、六ヶ所は第二の故郷なんだそうです。

そんな当時の様子をそのまま写し撮った川村さんの貴重な写真や、開拓の記録を綴った記念誌など、4月13日まで展示しています。