1 開催日:2007年10月8日 (月)
2 会場:都市センターホテル
3 主な提言等
(1) 入館者の見込みについて
- 入場者数の設定が高かった企画もあるようだが、どこの美術館も状況は同じである。いずれかの時点で現実に即して軌道修正すべきである。
- ゴールデンウィーク、夏休み、正月、春休みが入館を確保するシーズンであるが、冬場に入館者が入らないのであれば、どのような使い方をするか、別の視点から検討をして行くべき。
(2) 美術館の運営について
- 運営諮問会議をたまには青森で開催し、公開でやるということもいいのではないか。
- 人的な問題を整理しながら、美術館としてのビジョンをそろそろキチッと出す時期に来ているのでは。2年後くらいを見込んで、売りを打ち出してほしい。
- 美術館建築に関しても興味が高いので、来年オープンする西沢立衛氏設計による十和田市の美術館と、ACAC (国際芸術センター青森) を含めて、これらの建築を結ぶツアー等を考えてみてはどうか。
- 開館してから2、3年目が正念場。青森としてどうやってアピールしていくかということを考えるべき。
(3) 「県民のための美術館づくり懇話会」について
- 美術館に対する意見というのは左右に振れやすく、様々な意見が出る。懇話会の意見を踏まえつつ、美術館のスタンスは美術館自体がきちんと主導すべき。
- 館内が迷いやすいという点について、最低限のサインの見直しは必要であるが、いくらサインをつけても分からない方もいるので、案内係の研修・育成がもっと重要。この人的対応はボランティアではなく、きちんと美術館の顔として専門的に育成することが重要。
- 懇話会の意見に関して、遺跡をここ (美術館) まで延ばすことをコンセプトの1つと考えていたのでこの観点からの楽しむ工夫を考えてみてはどうか。
- 迷いやすい点を逆手にとって、ワークショップにより、みんなで展覧会場のマップを作ってみれば県民参加の中で理解が深まるのでは。
矢印のサインをうまく活用してほしい。一番のサービスは人的対応である。
- 休憩スペースについては、地下1階に休憩できる場所があり、椅子や緑を置いて休憩場所としてきちっと作ったほうがいい。
- 「あおもり犬」を近くで見たいと思う人がほとんど。早く実行してほしい。
- 壁の白が気になることについては、目を休める空間を作ることで解消できる。
(4) 教育普及について
- 教育普及が充実している。むしろ青森ではこんなに頑張っていることを全国的にアピールしたらよい。人材を確保して引き続き頑張ってほしい。
- 学校との連携のためにも、教育担当の充実が大事
(5) 常設展について
- 常設展に予想以上に入館者が入っているのは立派。これら入館者についての把握・分析をすることが重要。
(6) 企画展について
- 企画展については、「青森県の作家、文化芸術を検証する展覧会」「来館者の幅を広げる展覧会」「全国的にアピールできる、オリジナリティーある展覧会」を基本に、これらをうまく組み合わせることが必要。
- 他館と企画展を連携してやるというようなことも今後検討したらどうか。 (それにより経費面でも有利になり、貸館をする必要もなくなる。)
- 美術館の使命としてやらなければならない企画展もあると思うが、そのようなときには、プラスアルファーがほしい。たとえば、県出身の寺山修司の場合その時代のものを並べる。その他、地方と都市、海と山、南と北、といった比較をすることで、青森県から外にも繋がって行き、広がりも出てくる。
- たとえば戦争写真について考えると、戦争の現場ではなく三沢の米軍基地と沖縄の米軍基地周辺の生活写真とか、澤田教一と他の報道カメラマンとか。報道関係の写真展には人が集まるはず。
(7) パフォーミングアーツについて
- 音楽事業に関しては、もっとジャンルを広げてみては。たとえばスイングガールズみたいなものをやると、ブラスバンドをやっている学生がみんな来る。幅広い層を対象とすることも必要だが、あえて一つのジェネレーションに絞ってみる。民謡をやってお年寄りに来てもらうということもできる。
- パフォーミング・アーツで、ダンスに焦点をあてるのもよい方向で、欧米の基準とは違った身体表現というのがまた新たな流れになっている。