今年で3回目となる県民参加型演劇。
今年は宮沢賢治の詩などを題材とした「MIYAZAWA」を上演します。
その「MIYAZAWA」
6月30日の初日まで2週間となりました!
毎週末に重ねてきた稽古は、月曜日から毎日となり、さらに熱を帯びていくようです。
今年の県民参加型演劇「MIYAZAWA」の俳優参加者の皆さんのメッセージを日替わりでお届けしていこうと思います。
逆五十音順に登場していただきます。
今日は吉田秀治さんと西村智恵子さんです。
初めまして。吉田秀治と申します。
年齢は32歳、職業は運転手です。
特技は喋る事、歌う事、そして企む事。基本的に初対面で胡散臭がられます。狙い通りです。
きっかけは、共演者で五年来の戦友でもある清水志津香からの知らせでした。「こんなんあるから出てみないか?」と。しかし、人生で初めてのオーディションは、今までとは違った緊張感に襲われ、普段の八割程の口数でした。情けない限りです。
晴れて合格し、挑んだ初稽古は、基本をすっ飛ばしてきた自分にとって、大変ためになる内容でした。稽古メニューの中のダンスレッスンは、一度は正式に受けたいと思っていました。実際にやってみると実に面白いのですが、やる気に身体が着いて来ない悲しさに襲われます。嗚呼三十路…。
自分は、まだ賢治には出会えていません。自分の中には、半透明な彼の肖像が揺らいでいるに過ぎません。色が付き、熱が増し、彼の生と自分が重なり、彼の想いが自分に入り込んだその時に、何かが見えてくるのかなと、勝手に期待しています。
この様な大きな舞台で、素晴らしい出演者やスタッフに囲まれて大変光栄に思います。自分もその一員として「MIYAZAWA」という一つの世界を彩る、鮮やかな色の一つになろうと思っています。
楽しみましょう。
吉田秀治でした。
続いては西村智恵子さん!
夢を抱いて上京したあの頃。同じ気持ちで、何の気負いも無く、今回オーディションを受けました。
丸一年体調を壊し、何かと思うようにならず、今まで出来て当たり前と思っていたことが出来なかった時。想いがうまく伝わらない時。言葉は大切な表現と気づきました。
表現は歌でも演奏でも造形でもいい、デクノボーを経験した私にできることは何だろう。
宮沢賢治の詞にも「私とはいったいなんだ」とあり、総ては過程でしかないのかもしれません。
今回この挑戦で、出会いで、今度は何に気づくのだろうと、わくわくしています。
西村智恵子