今月の図書は「板極道」を取り上げ、「わだばゴッホになる~棟方志功の生涯と仕事」をテーマに当館学芸員より解説しました。
「わだばゴッホになる」と言っていたこの言葉、棟方志功の発言としてはとても有名かと思いますが、この「ゴッホ」という言葉が実は「油画」ということと同じだと思っていたという本人談や、また雑誌「白樺」に掲載されたゴッホの「ひまわり」に非常に感動したのでゴッホのように油絵を描くという話だけでなく、その白樺を見るまえから青森裁判所の弁護士控所に給仕として勤めていた棟方の先輩にゴッホの画集を見せられた頃からゴッホを知っていたのではないかなど、この言葉だけでもいくつものエピソードがありました。
他にも東京に住んでいた頃にトイレに絵を描いていた話など、今回は棟方志功の人柄を身近に感じられるようなお話が多くありました。
美術学校に通わずに、独学で繰り返しデッサンを描き練習しているなど大変な努力家の一面もあったようです。そして、海外で評価を受けた作品のスライドを見ながら解説を聞くと世界の棟方と言われる彼の作品をますます見たいと思わずにはいられません。
今回の県美土曜ゼミには、旅行で青森に来て棟方志功記念館にも立ち寄り、更に棟方志功についてもっと詳しく知りたくて会場に足を運んでくれた団体の方もいらっしゃいました。
根強いファンも多いのですね♪
また、市内からお越しのお客様も、今回初めて参加された方が多く、棟方志功について知らないことも知ることができて良かったというご意見もいただきました。
次回も棟方志功関連です。谷崎純一郎の著「鍵」、「瘋癲老人日記」を取り上げ、棟方志功と文学をテーマに行います。
ぜひ、お立ち寄りください★