企画展「生誕100年 昭和の版画師 関野凖一郎」展に先だって、常設展では「青森の版画・日本の版画・世界の版画」と題して版画特集を開催しています。
今回の常設展では、タイトルどおり棟方志功や恩地孝四郎をはじめとする青森・日本の版画家から、レンブラント、クレーといった海外の作家まで一挙公開しています。
当館では、版画を多数コレクションしていますが、今回の展示ではその約8割ほどを展示しているということで、大判振る舞いの内容になっています(笑)
ですので見どころがたくさんあるのですが、中でも、ピカソの「女の頭部、横顔」という作品は要注目です!
この作品は、なんと現在世界で1点しか確認されていない第一ステートのものなのです!
(第一ステートとは・・・版画は制作した版を摺ることで作品が生まれますが、版に変更が加えられた前と後に摺られた作品を区別するために「ステート」という言葉を使います。つまり、第一ステートは、初版ということです。)
ピカソの親しい友人であった文筆家 ラモン・レヴェントスへ贈られたもので、レヴェントスの死後も遺族のもとにあり、その存在は研究者などにも知られていませんでした。
この作品は、保存状態が懸念されるため、5年前の初公開以来、今回が2度目の展示という、滅多に見ることができないものです。
ピカソの若き日の繊細な精神が凝縮された傑作をぜひご覧ください!
常設展「青森の版画・日本の版画・世界の版画」
会期:9月13日 – 11月24日
観覧料:一般510円、高大生300円、小中生100円
※関野凖一郎展開催期間は小中生は無料です
http://www.aomori-museum.jp/ja/exhibition/64/