2013年9月7日(土) - 11月11日(月)
常設展

9/7~11/11は、「横尾忠則の『昭和NIPPON』-反復・連鎖・転移」展開催のため、常設展示は地下2階のアレコホール、展示室F、展示室Gのみとなります。シャガールによるバレエ「アレコ」の背景画3点の他、青森出身の個性豊かな作家3名の作品を展示しています。


アレコホール マルク・シャガールによるバレエ「アレコ」の背景画


青森県は1994年に、20世紀を代表する画家、マルク・シャガール (1887-1985) が制作した全4幕から成るバレエ「アレコ」の舞台背景画中、第1幕、第2幕、第4幕を収集しました。
ユダヤ人のシャガールは1941年、ナチの迫害から逃れるためにアメリカへ亡命します。バレエ「アレコ」の舞台美術は、画家がこの新大陸の地で手がけた初の大仕事でした。
1942年に初演をむかえたバレエ「アレコ」の振付を担当したのは、ロシア人ダンサーで、バレエ・リュスで活躍したレオニード・マシーン。音楽には、ピョートル・チャイコフスキーによるイ短調ピアノ三重奏曲をオーケストラ用に編曲したものが用いられ、ストーリーはアレクサンドル・プーシキンの叙情詩『ジプシー』を原作としていました。
シャガールは祖国ロシアの文化の粋を結集したこの企画に夢中になり、たくましい想像力と類いまれな色彩感覚によって、魅力あふれる舞台に仕上げたのです。

展示室F 奈良美智:『A to Z Memorial Dog マスター型』『ニュー・ソウルハウス』


国内外で活躍する青森県出身の美術作家・奈良美智(1959- )は、挑むような目つきの女の子の絵や、ユーモラスでありながらどこか哀しげな犬の立体作品などで、これまで若い世代を中心に、多くの人の心をとらえてきました。
青森県立美術館では、開館前の1998年から、絵画やドローイングなど、奈良美智作品の収集を始めました。現在、160点を超えるそのコレクションの多くは、1988年から2000年まで、奈良が滞在したドイツで制作されたものです。
この展示室では、創作ユニット・grafとのコラボレーションにより、2006年に制作した小屋の作品の一つ、《ニュー・ソウルハウス》を中心に、当館のコレクションや作家からの寄託作品を展示しています。

展示室G 成田亨:怪獣デザインの美学
       棟方志功:アメリカ・ヨーロッパの旅


成田亨:怪獣デザインの美学
成田亨(1929−2002)は、「ウルトラマン」、「ウルトラセブン」という初期ウルトラシリーズのヒーロー、怪獣、宇宙人、メカをデザインし、日本の戦後文化に大きな影響を与えた彫刻家兼特撮美術監督です。美術家としての高い感性によってデザインされたヒーロー、怪獣は、モダンアートの成果をはじめ、文化遺産や自然界に存在する動植物を引用して生み出される形のおもしろさが特徴です。誰もが見覚えのあるモチーフを引用しつつ、そこから「フォルムの意外性」を打ち出していくというその一貫した手法からは成田の揺らぐことのない芸術的信念が読みとれるでしょう。

棟方志功:アメリカ・ヨーロッパの旅
1959年、棟方志功はアメリカのロックフェラー財団とジャパン・ソサエティの招聘を受けて初めて渡米しました。1月に横浜港を出航、約3週間の船旅を経てニューヨークに到着。11月に帰国するまでの約9ヶ月間、アメリカ各地の大学で板画の講義を行い、ニューヨークのギャラリーで個展を開催するなど精力的に活動しました。夏にはヨーロッパにも足を延ばし、フランス、オランダ、スイス、イタリア、スペインを訪れ、各地の美術館を見学したり、フランス・オーヴェールにゴッホの墓を訪ねたりしました。
滞米中、多くの作品を制作しましたが、なかでも初めて取り組んだのが石版画(リトグラフ)の制作です。空気が乾燥しているアメリカでは木版画の制作が思うようにいかなかったこともあり、指導を受けて石版画の制作に熱心に取り組みました。
初めての海外旅行は非常に印象深く収穫の多いものであり、その感動を自伝にも詳細に綴っています。棟方はその後、生涯で合わせて四度渡米し、日本の木版画の魅力を伝えるとともに、海外で得た感動を自身の作品に昇華しています。
このたびの展示では、板画《巴里セーヌ川の柵》などの風景図や、ルーブル美術館で見たニケ像をモチーフにした板画《賜顔の柵》、アメリカで制作した石版画《ポプラ》、《リバーサイド》などの作品を紹介します。棟方の描いた海外をご覧ください。