フランク・ロイド・ライト 世界を結ぶ建築

2024年3月20日(水) ━ 5月12日(日)

企画展 開催中
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フランク・ロイド・ライト 世界を結ぶ建築

フランク・ロイド・ライト 世界を結ぶ建築

[帝国ホテル二代目本館100周年]

アメリカ近代建築の巨匠フランク・ロイド・ライト(1867-1959)。「カウフマン邸(落水荘)」や「グッゲンハイム美術館」で知られるライトは、「帝国ホテル二代目本館(現在は博物館明治村に一部移築保存)」や「自由学園」を手がけ、熱烈な浮世絵愛好家の顔も持つ、日本と深い縁で結ばれた建築家です。

2012年にフランク・ロイド・ライト財団から図面をはじめとする5万点を超える資料がニューヨーク近代美術館とコロンビア大学エイヴリー建築美術図書館に移管され、建築はもちろんのこと、芸術、デザイン、著述、造園、教育、技術革新、都市計画に至るライトの広範な視野と知性を明らかにすべく調査研究が続けられてきました。こうした研究成果をふまえ、本展はケン・タダシ・オオシマ氏(ワシントン大学教授)とジェニファー・グレイ氏(フランク・ロイド・ライト財団副代表、タリアセン・インスティテュート・ディレクター)を迎えて日米共同でキュレーションを行ない、帝国ホテルを基軸に、多様な文化と交流し常に先駆的な活動を展開したライトの姿を明らかにします。

世界を横断して活躍したライトのグローバルな視点は、21世紀の今日的な課題と共鳴し、来るべき未来への提言となるはずです。

 

《フランク・ロイド・ライト、タリアセン・ウェストにて》撮影者不詳、1954 年

コロンビア大学エイヴリー建築美術図書館フランク・ロイド・ライト財団アーカイヴス蔵

The Frank Lloyd Wright Foundation Archives

(The Museum of Modern Art | Avery Architectural & Fine Arts Library , Columbia University, New York)

お知らせ

開催概要

会期

2024年3月20日(水・祝)−5月12日(日)

※会期中、一部展示替えします。前期3月20日-4月14日、後期4月16日-5月12日

休館日・休室日

3月25日(月)、4月8日(月)、4月15日(月)※、4月22日(月)

※4月15日(月)は開館していますが、フランク・ロイド・ライト展のみ展示替えのため休室となります。

開館時間

9:30-17:00(入館は16:30まで)

主催

フランク・ロイド・ライト展青森実行委員会(青森県立美術館、青森放送、青森県観光国際交流機構)、フランク・ロイド・ライト財団

後援

アメリカ大使館、一般社団法人日本建築学会、公益社団法人日本建築家協会、一般社団法人DOCOMOMO Japan、有機的建築アーカイブ

特別協力

コロンビア大学エイヴリー建築美術図書館、株式会社 帝国ホテル

助成

公益財団法人ユニオン造形文化財団

協賛

倉橋建設株式会社

展示協力

有限責任事業組合 森の製材リソラ

会場構成

青木淳(AS)+佐藤熊弥(tandem)

 

※この展覧会は、フランク・ロイド・ライト財団の協力のもと開催されます。

チケット販売

観覧料

一般  1,500円(1,300円)

高大生 1,000円(800円)

中学生以下無料

 

※前売券の販売はございません。

※( )内は20名以上の団体料金および4/13以降はAOMORI GOKAN アートフェス 2024公式ガイドブック特典「スタンプラリー&パスポート」割引料金。

※心身に障がいのある方と付添者1名は無料。

 

お得な割引セット券

開催中の2つの展覧会をお得にご観覧いただけます。

 

※4月13日より「AOMORI GOKAN アートフェス 2024 前期コレクション展」の展示エリア拡大に伴い、料金が変更になります。

 

「フランク・ロイド・ライト展」+「AOMORI GOKAN アートフェス 2024 前期コレクション」セット券

 

(3月20日から4月12日まで)

一般  1,710円

高大生 1,040円

 

(4月13日から5月12日まで)

一般  2,000円

高大生 1,200円

 

※セット券に団体割引はございません。また、他の割引との併用はできませんので、予めご了承ください。

展示内容

セクション1 モダン誕生 シカゴ-東京、浮世絵的世界観

ライトが建築家としてのキャリアをスタートさせたアメリカ中西部最大の都市、シカゴ。そして、後に帝国ホテルを建てることになる東京。近代化により変貌していく2つの都市の姿とともに、ライトと日本文化との出会いや浮世絵との深いつながりなど、初期の活動を中心に紹介します。

フランク・ロイド・ライト《第1葉 ウィンズロー邸 透視図》
「フランク・ロイド・ライトの建築と設計」1910年、豊田市美術館蔵

 

セクション2 「輝ける眉」からの眺望

ライトは人間と自然と建築の美しい調和を理想とし、「有機的建築」を提唱しました。滝の上に建てられた代表作「エドガー・カウフマン邸(落水荘)」や丘の中腹に配されたライトの自邸兼スタジオ「タリアセン(ウェールズ語で「輝ける眉」の意)」、アリゾナ州ソノラ砂漠に築いた「タリアセン・ウェスト」など、自然に寄り添い設計された作品の数々を紹介します。

《タリアセン第二(ウィスコンシン州スプリンググリーン》
建築:フランク・ロイド・ライト 撮影:ヘンリー・ファーマン、1915年
コロンビア大学エイヴリー建築美術図書館フランク・ロイド・ライト財団アーカイヴス蔵
The Frank Lloyd Wright Foundation Archives
(The Museum of Modern Art | Avery Architectural & Fine Arts Library , Columbia University, New York)

 

セクション3 進歩主義教育の環境をつくる

民主主義の基本は教育にあると考えていたライトは、教育や女性の権利について進歩的な考えをもつ女性たちと積極的に関わりました。自身の自邸とスタジオも、子どもの成長にあわせてプレイルームを設けるなど増改築を重ねています。女性の運動家や教育者らの依頼により手がけられた教育施設とその関連資料を中心に紹介します。

フランク・ロイド・ライト《クーンリー・プレイハウス幼稚園の窓ガラス》
1912年頃、豊田市美術館蔵

 

《自由学園明日館(東京都、池袋)1921年 正面ファサード》
建築:フランク・ロイド・ライト、遠藤新 撮影:2021年、写真提供:自由学園明日館

 

セクション4 交差する世界に建つ帝国ホテル

日本に延べ3年以上滞在しながら設計した帝国ホテルは、ライトの生涯にとって一世一代の大仕事となりました。帝国ホテル設計のためのドローイングから模型、写真、家具、建築素材まで、さまざまな資料をとおして「帝国ホテル二代目本館」の全貌を紹介します。

フランク・ロイド・ライト《帝国ホテル二代目本館(東京、日比谷)第2案 1915年 横断面図》
コロンビア大学エイヴリー建築美術図書館フランク・ロイド・ライト財団アーカイヴス蔵
The Frank Lloyd Wright Foundation Archives
(The Museum of Modern Art | Avery Architectural & Fine Arts Library , Columbia University, New York)

 

セクション5 ミクロ/マクロのダイナミックな振幅

ライトは、全体と部分との有機的な関係を重視し、小さなものから大きなものまで展開可能なユニットシステムを探究しました。なかでもコンクリートという素材に着目し、コンクリートブロックをまるで織物を織るように施工していくテキスタイル・ブロック・システムを考案。そのシステムは、個人住宅からランドスケープとインフラと建築が融合した「ドヘニー・ランチ宅地開発計画案」のような大規模な開発計画の設計にまで適用されました。

フランク・ロイド・ライト《ミラード夫人邸『ミニアトゥーラ』
(カリフォルニア州パサデナ)1923-24年 庭園側から見た透視図》
ニューヨーク近代美術館蔵 The Museum of Modern Art, New York. Gift of Mr. and Mrs. Walter Hochschild, 1981 ©2023 Digital image, The Museum of Modern Art, New York/Scala, Florence

 

セクション6 上昇する建築の環境の向上

高層建築にもライトは早くから関心を示し、生涯を通じて高層ビルの設計に取り組みました。天窓のある高さ23mの明るく開放的な「ラーキン・ビル」や“世界でもっとも美しいオフィスビル”と呼ばれた「ジョンソン・ワックス・ビル」の他、実現していれば528階建て、1マイル(1,600m)の高さを誇る高層建築物「マイル・ハイ・イリノイ計画案」などを紹介します。

フランク・ロイド・ライト《ジョンソン・ワックス・ビル本部棟 中央執務室の椅子》
1936年頃、豊田市美術館蔵

 

セクション7 多様な文化との邂逅

ライトを形作ったのは、多様な文化との出会いと交流でした。日本をはじめ、世界各地を旅して多くの交流を持ち、さまざまな文化的要素を取り入れながら自身の作品へと結実させていきました。イスラム文化との出会いから生まれた美しい都市計画「大バグダッド計画」やアメリカの田園都市における生活と労働の再構築案として提案された「ブロードエーカー・シティ構想」などを紹介します。

フランク・ロイド・ライト《大バグダッド計画案(イラク、バグダッド)1957年 鳥瞰透視図 北から文化センターと大学をのぞむ》
コロンビア大学エイヴリー建築美術図書館フランク・ロイド・ライト財団アーカイヴス蔵
The Frank Lloyd Wright Foundation Archives
(The Museum of Modern Art | Avery Architectural & Fine Arts Library , Columbia University, New York)

関連企画

開幕記念トーク(終了しました)

(3月11日追記)予定人員に達しましたので締め切りました。

 

「フランク・ロイド・ライト-世界を結ぶ建築」展監修者のケン・タダシ・オオシマ氏と本展企画者の大村理恵子氏による本展開幕記念トークを開催、本展の見どころを分かりやすくお話しいただきます。本展に興味はあるものの、建築のことはよく分からなくて、、、という方も、ぜひご参加ください。

観覧を希望される方は、注意事項をご了承の上、申込フォームからお申込みください。

 

日時

3月20日(水・祝)14:00~15:00頃(終了時刻は前後する場合があります)

 

場所

青森県立美術館企画展示室

 

定員

20名(先着順となります。当落については後日メールにてご連絡いたします。)

 

講師

ケン・タダシ・オオシマ氏(ワシントン大学建築学部教授)

大村理恵子氏(パナソニック汐留美術館主任学芸員)

 

参加費

無料(ただし本展のチケットが必要です)

 

注意事項

・電話やFAXでのお申込みはできません。

・申込みの際にいただいた個人情報は、今回のイベント開催に関する連絡等にのみ使用させていただきます。

・当日はマスメディアによる撮影の可能性がございます。。観覧者の映り込み等について、予めご了承ください。

 

申込方法

上記注意事項をご了承の上、申込フォームからお申し込みください。

申込フォーム(先着20名・終了しました)

学芸員によるギャラリートーク(終了しました)

本展企画者であるパナソニック汐留美術館主任学芸員の大村理恵子氏と当館担当学芸員によるギャラリートークをおこないます。

 

日時

3月20日(水・祝)10:30~11:30頃(終了時刻は前後する場合があります)

 

場所

青森県立美術館企画展示室

 

定員

先着20名、予約不要

 

参加費

無料(ただし本展のチケットが必要です)

スペシャルトークイベント 青木淳×佐藤熊弥(4/13開催)

当館フランク・ロイド・ライト展の会場構成を担当した当館設計者で建築家の青木淳氏(AS)と、佐藤熊弥氏(tandem)のお二人をお迎えし、フランク・ロイド・ライトの建築について、本展の会場構成について等、さまざまなお話をしていただきます。トーク終了後は、展覧会場に移動してギャラリーツアーもおこないます。

 

日時
4月13日(土)14:00~16:00頃

 

場所
青森県立美術館1Fシアター

 

定員
トーク;150名・事前申込不要
ギャラリーツアー;30名・当日受付先着順(13:30より受付開始)

 

参加費
無料(ギャラリーツアーに参加される方は本展チケット、または半券が必要です)

講演会+VR作品上映(4/27開催)

フランク・ロイド・ライト設計の帝国ホテル二代目本館落成から100年、元 帝国ホテル会長の小林哲也氏をお招きし、帝国ホテルの歴史を中心に、帝国ホテルから始まったホテルサービスや同ホテルを訪れた要人にまつわるエピソードなどをお話しいただきます。
また、本講演会に続き、二代目本館の姿を再現したVR作品『帝国ホテル・ライト館』を、制作者の解説も交えながらご覧いただきます。(協力:TOPPAN株式会社)

 

日時
4月27日(土)
13:30~15:00 小林哲也氏講演会『帝国ホテル133年の歴史とおもてなしの心』
15:00~15:30 VR作品『帝国ホテル・ライト館』の上映と解説 (制作・著作:TOPPAN株式会社)

 

場所
青森県立美術館シアター

 

定員
150名・事前申込不要

 

参加費
無料

展覧会公式カタログ

フランク・ロイド・ライトに関する近年の調査研究の成果を基にした、本展展覧会公式カタログを販売。

ケン・タダシ・オオシマ、ジェニファー・グレイ/ 監修・著、水上優+田中厚子+田根剛+マシュー・スコンスバーグ/著、豊田市美術館+パナソニック汐留美術館+青森県立美術館/編

 

体裁:B5・256頁(カラー166頁)

定価:2,800円(+税)

発行:鹿島出版会