「特集・北野武/成瀬巳喜男」


展覧会チラシ (PDF/1.8MB)

悦び、哀しみ、笑い、暴力、絶望、愛…憂き世は、ただの現実。

今年度の映画上映は、「特集・北野武/成瀬巳喜男」と題し、日本映画史の中でも異彩を放つ2人の監督、北野武と成瀬巳喜男に焦点を当て、7月4日(土)から7月26日(日)の各週末(全9日間)に特集上映いたします。

一見、作風の違う両者ですが、その根底にあるのは、被写体と近づきすぎず一定の距離を保ち続けることで、"死" "痛み" "孤独" "哀しみ"、あるいは"悦び"や"笑い"でさえも、等価に捉え「人間誰にも起こる現実」として提示していることです。その視点・手法がもたらす、一寸先に見え隠れし続ける闇と光の存在が、独特の緊張感を産み出し、時を経ても色褪せない名作群となっております。

現在も精力的に作品発表を続け、最新作『龍三と七人の子分たち』も大ヒット、芸人として、そして俳優としても特別な才を持つ、国民的人気の北野武監督の歩みを振り返りつつ、今年生誕110周年の節目にあたる、日本映画界が誇る世界的名匠・成瀬巳喜男監督の作品にも触れる絶好の機会となります。

さらに、7月18日(土)・19日(日)には特別上映として、『それぞれのシネマ』を上映いたします。この作品はカンヌ国際映画祭が第60回の開催を記念して製作したオムニバス作品で、世界各国から32組の映画監督が選出され、日本からは北野武監督が参加。それぞれ3分間で【あなたにとって映画館とは】というテーマで競作した作品です。監督ごとの特色ある作風を一度に感じられる作品であり、青森県内では初となる貴重な上映となります。

上映作品・日時

【第1週】

『キッズ・リターン』

7月4日(土)10時30分 / 7月5日(日)13時20分

『菊次郎の夏』

7月4日(土)13時20分 / 7月5日(日)10時30分

【第2週】

『その男、凶暴につき』

7月11日(土)10時30分 / 7月12日(日)13時20分

『ソナチネ』

7月11日(土)13時20分 / 7月12日(日)10時30分

【第3週】

『HANA-BI』

7月18日(土)10時30分 / 7月19日(日)13時20分

『Dolls [ドールズ]』

7月18日(土)13時20分 / 7月19日(日)10時30分

『それぞれのシネマ』

7月18日(土)15時45分 / 7月19日(日)15時45分

【第4週】

『めし』

7月24日(金)10時30分 / 7月25日(土)18時05分

『おかあさん』

7月24日(金)13時20分 / 7月25日(土)15時45分

『浮雲』

7月25日(土)13時20分 / 7月26日(日)10時30分

『乱れ雲』

7月25日(土)10時30分 / 7月26日(日)13時20分

※開場は各上映時間の10分前
※各回入替制

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会場

青森県立美術館シアター
(青森県立美術館内・青森市安田字近野185)

客席: 200席 全席自由

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料金

各作品・各上映回ごとにチケットの購入が必要となります。(通し券を除く)

前売券

北野武監督作品

『キッズ・リターン』『菊次郎の夏』『その男、凶暴につき』『ソナチネ』『HANA-BI』
『Dolls [ドールズ]』『それぞれのシネマ』
一般800円/学生・シニア600円(当日は各200円増)
※学生は学生証を、シニアの方は年齢の確認できるものを、受付時にご提示ください。

成瀬巳喜男監督作品

『めし』『おかあさん』『浮雲』『乱れ雲』
400円均一(当日は100円増)

全作品通し券

全11作品・すべての上映回でご入場可能なお得なチケットです。
4,000円 ※事務局予約のみの販売

前売券販売プレイガイド

全 国:ローソンチケット(Lコード:23166)
青森市:サンロード青森、成田本店しんまち店、青森県立美術館ミュージアムショップ
弘前市:中三弘前店/弘前市まちなか情報センター
五所川原市:ELMインフォメーション
八戸市:八戸ポータルミュージアムはっち
※前売券の販売は各上映の前日まで。プレイガイドでの通し券販売はありません。

その他:事務局へのEメール・電話・FAXにて、チケットのご予約が可能です。

以下の内容をお伝え下さい。
■予約者の氏名・連絡先(電話・FAX・メールアドレスいずれか)
■希望の上映日・作品名・券種・鑑賞人数
※予約受付は、各上映前日の17時まで(通し券は7月10日の17時まで)
※個人情報は厳重に管理し、本上映会以外の目的では使用いたしません。

チケット予約 お申し込み先

青森県立美術館パフォーミングアーツ推進実行委員会 事務局
電話:017-783-5243(平日9時~17時)
FAX:017-783-5244
Eメール:eiga@aomori-museum.jp

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上映作品詳細

© 1996 バンダイビジュアル/
オフィス北野

『キッズ・リターン』

1996年/108分/カラー/35mmフィルム上映
監督・脚本:北野武
出演:金子賢、安藤政信、森本レオ、山谷初男、柏谷亨助、大家由祐子、寺島進、モロ師岡、北京ゲンジ、芦川誠、津川寛治、平泉成、大杉漣、下條正巳、丘みつ子、石橋凌


18歳のマサル(金子賢)とシンジ(安藤政信)は二流進学校の落ちこぼれ。いつもつるんで行動し、学校をサボっては自由に振る舞う毎日を送っていた。ある日、以前カツアゲした高校生が助っ人に呼んだボクサーにのされてしまったマサルは、毎日ボクシングジムに通い始める。マサルに誘われ、シンジも入門することになるが…。

© 1999 バンダイビジュアル・
TOKYO FM・日本ヘラルド映画/
オフィス北野

『菊次郎の夏』

1999年/121分/カラー/35mmフィルム上映
監督・脚本:北野武
出演:ビートたけし、関口雄介、岸本加世子、吉行和子、麿赤兒、細川ふみえ、グレート義太夫、井手らっきょ、ザ・コンボイ

楽しい夏休み、でも小学3年生の正男(関口雄介)の心はちっとも弾まない。そこで正男は、遠くの町にいる母に会いに冒険旅行を決意し、絵日記と僅かな小遣いをリュックに詰め、家を飛び出す。そんな正男の気持ちを知った近所のおばさん(岸本加世子)が、夫で遊び人の菊次郎(ビートたけし)を同行させることに…。

© 1989 松竹富士

『その男、凶暴につき』

1989年/103分/カラー/35mmフィルム上映
監督:北野武
脚本:野沢尚
出演:ビートたけし、白竜、川上麻衣子、平泉成、岸部一徳
ある殺人事件を追う一匹狼の刑事・我妻諒介(ビートたけし)は、青年実業家・仁藤(岸部一徳)と、我妻の親友でもある防犯課課長の岩城(平泉成)にたどり着く。自殺に見せかけられあっけなく死んでいく岩城を事もなげに闇に葬ろうとする警察、犯罪組織の首領・仁藤、彼らに対して我妻は自らの凶暴さで戦うしかなかった…。

© 1993 松竹株式会社

『ソナチネ』

1993年/94分/カラー/35mmフィルム上映
監督・脚本:北野武
出演:ビートたけし、渡辺哲、勝村政信、寺島進、大杉漣
ヤクザ稼業に嫌気が差している幹部・村川(ビートたけし)は組長からの依頼で、弟分の片桐(大杉漣)やケン(寺島進)らを連れて、沖縄での抗争の手助けに行く。村川を待っていたのは、敵対する阿南組の襲撃。抜けるような青い空と海、照りつける太陽の下、逃げ場を失った村川は、ただひたすら〈死〉に向かって突き進む…。

© 1997 バンダイビジュアル・
テレビ東京・TOKYO FM
/オフィス北野

『HANA-BI』

1997年/103分/カラー/35mmフィルム上映
監督・脚本・挿入画:北野武
出演:ビートたけし、岸本加世子、大杉漣、寺島進、白竜、渡辺哲、薬師寺保栄、大家由祐子、芦川誠、逸見太郎
刑事の西(ビートたけし)は、同僚・堀部(大杉漣)の好意に甘え、張込みを彼に任せ、数カ月前に幼い子供を亡くし失意のまま体調を崩していた妻(岸本加世子)を病院に見舞っていた。妻とは「話す」という習慣がいつしか失われていた。病院で西は、妻が不治の病で末期にあること、そして、堀部が撃たれたことを知る…。

© 2002 バンダイビジュアル
 TOKYO FM テレビ東京
/オフィス北野

『Dolls [ドールズ]』

2002年/113分/カラー/35mmフィルム上映
監督・脚本:北野武
衣裳:山本耀司
出演:菅野美穂、西島秀俊、三橋達也、松原智恵子、深田恭子、武重勉、豊竹嶋大夫、鶴澤清介、吉田蓑太郎、吉田玉女、津田寛治、岸本加世子、大杉漣
1本の赤い紐で互いの体を結び、彷徨い歩き続ける佐和子(菅野美穂)と松本(西島秀俊)。死期を感じ取ったヤクザの親分(三橋達也)と、若い頃に逢瀬を重ねた良子(松原智恵子)。交通事故で左目を失い、引退を余儀なくされたアイドル・春奈(深田恭子)と想い続けるファンの男(武重勉)。3つの愛の物語。

© 2007 バンダイビジュアル
TOKYO FM 電通 TV 朝日
/オフィス北野
© 2007 Festival de
Cannes-Elzévir Films.All
Rights Reserved.

『それぞれのシネマ』

2007年/114分/カラー/ブルーレイ上映
製作国:フランス
原題:chacun son cinéma
カンヌ国際映画祭が60回目の開催を迎えた2007年。映画祭は、カンヌの歴史を彩ってきた世界の著名な監督たちに短編制作を依頼。「あなたにとって『映画館』とは何か」をテーマに、名匠32組の監督が【3分間】で制作した作品集。日本から北野武監督が『素晴らしき休日』で参加。それぞれの監督が見せる視点の違いも楽しめる1本。

参加監督

  • レイモン・ドパルドン (フランス) 『アフリカ、痛みはいかがですか?』
  • 北野武 (日本)『HANA-BI』
  • テオ・アンゲロプロス (ギリシャ)『永遠と一日』
  • アンドレイ・コンチャロフスキー (ロシア)『ワーニャ伯父さん』
  • ナンニ・モレッティ (イタリア)『息子の部屋』
  • ホウ・シャオシェン (台湾)『悲情城市』
  • ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ (ベルギー)『ある子供』
  • デヴィッド・リンチ (アメリカ)『イレイザーマン』
  • アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ (メキシコ)『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』
  • チャン・イーモウ (中国)『初恋のきた道』
  • アモス・ギタイ (イスラエル)『キプールの記憶』
  • ジェーン・カンピオン (ニュージーランド)『ピアノ・レッスン』
  • アトム・エゴヤン (カナダ)『スウィートヒアアフター』
  • アキ・カウリスマキ (フィンランド)『過去のない男』
  • オリヴィエ・アサヤス (フランス)『イルマ・ヴェップ』
  • ユーセフ・シャヒーン (エジプト)『炎のアンダルシア』
  • ツァイ・ミンリャン (台湾)『河』
  • ラース・フォン・トリアー  (デンマーク)『ダンサー・イン・ザ・ダーク』
  • ラウル・ルイス (チリ)『見出された時・「失われた時を求めて」より』
  • クロード・ルルーシュ (フランス)『男と女』
  • ガス・ヴァン・サント (アメリカ)『グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち』
  • ロマン・ポランスキー (ポーランド)『戦場のピアニスト』
  • デヴィッド・クローネンバーグ (カナダ)『ザ・フライ』
  • ウォン・カーウァイ (香港)『恋する惑星』
  • アッバス・キアロスタミ (イラン)『友だちのうちはどこ?』
  • ビレ・アウグスト (デンマーク)『ペレ』
  • エリア・スレイマン (イスラエル)『D.I.』
  • マノエル・デ・オリヴェイラ (ポルトガル)『クレーヴの奥方』
  • ウォルター・サレス (ブラジル)『セントラル・ステーション』
  • ヴィム・ヴェンダース (ドイツ)『ベルリン・天使の詩』
  • チェン・カイコー (中国)『さらば、わが愛/覇王別姫』
  • ケン・ローチ (イギリス)『麦の穂をゆらす風』

『めし』

1951年/97分/白黒/35mmフィルム上映
監督:成瀬巳喜男
監修:川端康成
原作:林芙美子
出演:上原謙、原節子、島崎雪子、杉葉子、風見章子
結婚生活も5年が過ぎ、恋愛結婚をした岡本初之輔(上原謙)と三千代(原節子)の夫婦も、大阪・天神でつつましいサラリーマンの生活に明け暮れしている間に、いつしか新婚の夢もあせ、わずかなことでいさかいを繰り返すようになっていた。そこへ夫の姪の里子(島崎雪子)が家出して東京から転がり込んできて…。

『おかあさん』

1952年/98分/白黒/35mmフィルム上映
監督:成瀬巳喜男
出演:田中絹代、香川京子、岡田英次、片山明彦、沢村貞子
福原一家は、父が工場の守衛、母(田中絹代)は露店の飴売り、娘の年子(香川京子)はキャンディ売りに精を出したおかげでやっと、戦災で焼失したクリーニング店を再び開くことができた。しかし、父は過労で病床に伏し、病弱な長男の進(片山明彦)は母に会いたい一心で、療養所を逃げ出し息を引き取ってしまう…。

『浮雲』(うきぐも)

1955年/123分/白黒/35mmフィルム上映
監督:成瀬巳喜男
原作:林芙美子
出演:高峰秀子、森雅之、岡田茉莉子、山形勲、中北千枝子
幸田ゆき子(高峰秀子)は戦時中の昭和18年、農林省のタイピストとして海外へ渡り、同じ農林省の富岡(森雅之)に出会い愛し合う。「妻と別れ君を待つ」という富岡の約束を頼りに帰国したゆき子だったが、終戦後の混乱の中、次々と女を変える富岡の自堕落さを前にしても、それでもゆき子は別れることができない…。

『乱れ雲』

1967年/108分/白黒/35mmフィルム上映
監督:成瀬巳喜男
音楽:武満徹
出演:加山雄三、司葉子、森光子、浜美枝、草笛光子
江田由美子(司葉子)の夫婦は幸福の絶頂にいた。夫は通産省で米国派遣の辞令を受け、由美子は妊娠していることを知ったばかりだった。だが祝杯をあげて間もなく、夫は交通事故で死んでしまう。告別式の日、事故を起こした三島史郎(加山雄三)が現われ、由美子は史郎に激しい憎悪を感じる。その後、彼は無罪になるが…。

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監督プロフィール

北野武 TAKESHI KITANO

主演作『その男、凶暴につき』(1989)の監督を本名で兼任し映画監督デビュー。続く『3-4x10月』で初めて脚本から映画製作に携わり、『あの夏、いちばん静かな海。』『ソナチネ』と強烈な死生観をスクリーンに焼きつけ、海外でも大きな注目を浴び始める。1994年に事故で重傷を負い、再起が危ぶまれたが、1995年に復帰。『HANA-BI』(1998)では、ヴェネチア国際映画祭金獅子賞の他、多くの映画賞を受賞。その後は、日英合作の『BROTHER』(2001)、初の時代劇に挑戦しヴェネチア国際映画祭銀獅子賞(監督賞)を受賞した『座頭市』(2003)、芸術家としての自身を投影した『TAKESHIS'』(2005)『監督・ばんざい!』(2007)『アキレスと亀』(2008)等で挑戦を続け、バイオレンス・エンターテイメント『アウトレイジ』(2010)『アウトレイジ ビヨンド』(2012)が大ヒットを記録。最新作は2015年4月公開『龍三と七人の子分たち』。(写真提供:オフィス北野)

成瀬巳喜男 MIKIO NARUSE

女性の複雑な内面世界を描く世界的な名匠。『チャンバラ夫婦』(1930)で監督デビュー。水久保澄子を起用した『君と別れて』(1933)が出世作となる。戦時下には『三十三間堂・通し矢物語』(1945)などの〈芸道もの〉と、『秀子の車掌さん』(1941)など子供の視点から日常をみつめた秀作を放った。その後、スランプの時期が続くが、1951年、急病で降板した千葉泰樹に代わって『めし』を監督し、高い評価を獲得。以後、林芙美子原作の『稲妻』(1952)『妻』(1953)『晩菊』(1954)を次々に映画化。とくに1955年の『浮雲』は、高峰秀子、森雅之の名演と相俟って、映画史上の傑作となる。女優・高峰秀子との名コンビは晩年まで続き、『女が階段を上る時』(1960)『乱れる』(1964)では中年女性の揺れ動く心理を繊細に表現し、絶賛された。司葉子主演の『乱れ雲』(1967)の撮影中から体調不良を訴え、1969年逝去。(写真提供:映画演劇文化協会)

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主催等

【北野武監督作品】

主催:青森県立美術館パフォーミングアーツ推進実行委員会
上映協力:株式会社オフィス北野/松竹株式会社/青森映研

【成瀬巳喜男監督作品】

主催:青森県立美術館パフォーミングアーツ推進実行委員会文化庁/東京国立近代美術館フィルムセンター
協賛:松竹ブロードキャスティング株式会社
協力:株式会社オーエムシー

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お問い合わせ先

青森県立美術館パフォーミングアーツ推進実行委員会 事務局
電話:017-783-5243(平日9時~17時)
FAX:017-783-5244
Eメール:eiga@aomori-museum.jp

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