画像:あなたの肖像-工藤哲巳回顧展
展覧会チラシ (PDF/1.5MB)

工藤哲巳 (1935-1990)は五所川原出身の父を持ち、津軽で育ちました。東京藝大卒業後パリを中心に活躍、国際的な評価をうけたアーティストです。

大阪の国立国際美術館、東京国立近代美術館との共同企画による本展は、国内の主要美術館や個人が所蔵する作品に加え、ニューヨーク近代美術館など海外の美術館・コレクターの所蔵する作品を集め、日本初公開を含む約200点の作品と記録写真をはじめとする豊富な資料で工藤哲巳の全貌を包括的に紹介する大回顧展です。

休館日:
4月14日 (月) 、4月28日 (月) 、5月12日 (月) 、5月26日 (月)
開館時間:
9:30 – 17:00 (入館は16:30まで)
※ただし、6月1日 (日)  – 8日 (日) は9:00 – 18:00 (入館は17:30まで)

観覧料

一般1,200 (1,000)円 / 高大生900 (700)円 / 小中生300 (200)円
※( )内は20名以上の団体料金
※心身に障がいがある方と付添者1名は無料
※常設展観覧料は含まれません

常設展とのセット券もございます 一般1,500(1,300)円、高大生1,080(880)円、小中生360(260)円
※( )内は20名以上の団体料金

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展覧会のみどころ

世界で評価された津軽出身のアーティスト

工藤は津軽で育ち、50年代~60年代の激動の時代に「反芸術」の旗手として日本のアートシーンをさわがせた後、パリに移住します。西欧に留学したそれまでの画家達のように、美術の本場から学ぶのではなく、ハラキリなどの衝撃的なパフォーマンスや瓶にとじこめられた子供の人形、断片化した人体など、グロテスクな作品で西洋の人間中心主義を鋭く批判しました。没後20年を過ぎ、世界的に戦後日本美術に注目が集まる中、先鋭な問題意識と衝撃的な表現が現在でも色あせない工藤の作品があらためて評価され、フランスやアメリカで大規模な回顧展が開催されています。

現代に通じる予言的な作品群

工藤の中期以降の作品には「あなたの肖像」や「養殖」のシリーズなど、環境問題や放射能、遺伝染色体などをテーマにした予言的な作品群があります。「あなたの肖像」は、工藤哲巳が最も好んで使用した題名のひとつですが、「あなた」とは、作品をご覧になるあなたのことであり、既成の価値観や約束事に縛られた私たちのことです。と同時に、最初の観客である工藤自身をも指します。それはまた、今なお制御不能な状態が続く放射能による環境汚染から逃れられない人類の肖像でもあるのです。
当時も衝撃的にうけとめられたこれらの作品は3.11以後の現代日本の社会にこそ強いメッセージを伝えてくれるのではないでしょうか。

作家の思考をたどる包括的な展覧会

生涯にわたる約200点の作品により、「反芸術」といわれた初期の原子物理学などからインスピレーションを得た作品群、人間の運命を独自の言語感覚で表現した「インポ哲学」の一連の作品、パリにわたり、乳母車やデッキチェアに溶解した人間が乗っているといった一見グロテスクな表現で西欧の人間中心主義を鋭く批判した作品、そして帰国後の遺伝染色体をテーマにした晩年の内省的な作品など、単なる造形ではなく、社会への視点や人間の運命についての哲学的な省察を含んだ工藤の思考の軌跡をたどることができます。

津軽からの影響

工藤哲巳の作品には、初期の津軽塗から影響をうけたという平面作品や、縄文や津軽をタイトルに冠した晩年の内省的な作品群など、津軽からの影響を様々なところで見ることができます。また、青森会場では、1984年に工藤哲巳がみずから回顧展を企画し、弘前市立博物館に寄贈した五所川原市出身の父・工藤正義の作品を常設展示室で展示します。
本展は青森県民にとって、国立館を含む国内の主要美術館が収蔵し、世界中の美術館やコレクターが注目する津軽出身の国際的アーティストの全貌を知ることができるまたとない展覧会です。ぜひこの機会を逃さず、本展に足をお運びください。

  • <あなたの肖像>
    工藤哲巳
    <あなたの肖像>
    1963年、200.0×50.0×50.0cm
    高松市美術館蔵
    © ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2013
  • <電子回路の中における放射能による養殖>
    工藤哲巳
    <電子回路の中における放射能による養殖>
    1970年、25.0×φ48.0cm
    青森県立美術館蔵
    © ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2013
  • <あなたの肖像―種馬の自由>
    工藤哲巳
    <あなたの肖像―種馬の自由>
    1973年、64.0×53.0×12.0cm、米津画廊蔵
    撮影:福永一夫
    © ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2013
  • <縄文の精子の生き残り>
    工藤哲巳
    <縄文の精子の生き残り>
    1986年、51.0×40.0cm
    青森県立美術館蔵
    © ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2013

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プロフィール

工藤哲巳 (1935-1990) は、大阪に生まれ、少年期を父の出身地青森で暮らし、1945年に父が早世した後、母の郷里岡山で高校までを過ごしました。東京藝術大学在学中から、戦後の前衛美術の牙城であった読売アンデパンダン展に出品し、篠原有司男や荒川修作らとともに「反芸術」世代の代表格となりましたが、1962年に第2回国際青年美術家展での大賞受賞を機に、渡仏しました。その後、約20年、パリを本拠に、ヨーロッパを中心に文明批評的な視点と科学的な思考とを結びつけた独自の世界を展開しました。
1970年代の中頃からは、攻撃の目標が芸術家自身に向けられ、一転して内省的、自画像的な作品が現れます。1980年代に入ると、たびたび帰国し、講演やシンポジウム、パフォーマンスを盛んに行い、日本の社会構造を根幹から見つめなおす作品を展開します。1987年には母校の東京藝術大学の教授に就任しましたが、1990年11月12日に55歳の若さで他界しました。

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関連イベント

シンポジウム「縄文の構造=天皇制の構造=現代日本の構造」

大阪万博「お祭り広場」の建築家として知られるだけでなく、前天皇制の研究や特異な縄文論で知られる上田篤氏 (京都精華大学名誉教授) と工藤哲巳展を担当した島篤彦氏 (国立国際美術館学芸課長) をお招きし、「縄文」や「天皇」をテーマに掲げるようになった80年代の〝工藤哲巳〟に迫ります
日時:4月12日 (土) 13:00-14:30[開場12:30]
会場:青森県立美術館シアター
定員:200名
※申込み不要、入場無料

トークセッション「工藤哲巳と津軽」

少年期と80年代を青森で過ごし、晩年津軽や縄文をモチーフに取り上げるようになった工藤哲巳。彼と交流のあった青森の作家・太田美知氏をお招きし、担当学芸員とともに工藤哲巳にとって青森はなんだったのかを考察します
日時:4月27日 (日) 13:30-15:00 (開場13:00)
会場:青森県立美術館ワークショップA
定員:50名
※申込み不要、入場無料

映画上映「脱皮の記念碑」

工藤哲巳が1969年に鋸山 (千葉県房総) で岸壁モニュメントを製作した際の記録映画を上映します。また、映画終了後にギャラリートークを実施します
日時:4月29日 (火・祝) 上映13:30 – (開場13:00)、ギャラリートーク14:30-
会場:青森県立美術館シアター、展示室
定員:200名
※申込み不要
※ギャラリートーク参加者は当日有効の展覧会チケットが必要です

ギャラリートーク

4月12日と26日を除く毎週土曜日に担当学芸員によるギャラリートークを実施します
日時:4月19日、5月3日、10日、17日、24日、31日、6月7日 集合14:00-
場所:展示室
定員:20名
※参加者は当日有効の展覧会チケットが必要です
※地下2階エレベーターホールにお集まりください

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お問い合わせ

工藤哲巳展実行委員会 (青森県立美術館内)
〒038-0021青森市安田字近野185
Tel 017-783-3000
Fax 017-783-5244

主催

工藤哲巳展実行委員会 (青森県立美術館、五所川原市教育委員会、 公益社団法人青森県観光連盟) 国立国際美術館、東京国立近代美術館

共催

東奥日報社

協力

日本航空、青い森鉄道

後援

青森県教育委員会、弘前市、青森放送、青森テレビ、青森朝日放送、エフエム青森

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