画像:太宰展チラシ
展覧会チラシ (PDF/1.5MB)

2009年7月11日 (土) - 2009年9月6日 (日)

※休館日 : 7月27日(月)
観覧料:
大人800 (600) 円
大高生500 (400) 円
小中生200 (100) 円
※ ( )内は団体料金。常設展示もご覧になれます。
※本展は当日券のみの販売となります。





当館では今年、太宰治生誕100年を記念する特別展を開催します。

本県出身の作家・太宰治は、あまりにも有名な昭和を代表する小説家ですが、中学時代から美術にも関心が深く、生涯にわたり画家の友人たちと親密に交流したほか、作中にも様々な形で画家や美術作品が登場しており、太宰の文学において美術は重要な役割を占めていると言えます。
本展は、太宰治の生涯と文学を「故郷と自画像」をテーマに、画家の友人や美術との関わりを紹介しながら、太宰を育んだ青森の芸術風土なども展望できる、本県ならではの展覧会として開催するものです。
なお、本展は、青森県近代文学館で開催する「太宰治生誕100年特別展」との同時開催となっておりますので、併せてご覧頂くことでより一層太宰の全貌に近づくことができるでしょう。

展示の見どころ:「太宰治と美術」という切り口で、太宰の生涯と文学を展望します

太宰自身の描いた油彩画 (「自画像」とされる肖像画など)やデザインのほか、太宰のポートレート写真なども展示。これまでにない形で、太宰治の芸術と生涯を紹介するとともに、文学に表現された彼の「自画像」への関心をヴィジュアルに紹介します。
また、太宰の作品だけでなく、同窓の画家の作品や、太宰が生きた時代の写真や資料を展示。太宰を育んだ青森の文化環境を立体的に展望できるものとなっています。
その他、各コーナーに関連する太宰の小説の直筆原稿、書簡、初版本、初出雑誌など、貴重な文学資料を展示します。

プレスリリース 2009年6月9日 (PDF/1.5MB)

画像:太宰治 油彩画『自画像』昭和22年頃
太宰治 『自画像』
1947年頃 油彩
画像:太宰治 油彩画『風景』昭和15年頃
太宰治 『風景』 1940年頃 油彩
画像:;太宰治文学碑のための素描
阿部合成 太宰治文学碑のための 1965年頃 素描

画像:小館善四郎 『おべんきょう』
小館善四郎 『おべんきょう』
1945-46年 キャンバス・油彩
画像:根市良三『思い出』私家本のための装画 昭和8年
根市良三「思い出」私家本のための装画 1933年

展示構成及び展示概要


第1章 太宰治の青森

展示室:P

太宰は小説『思い出』で幼時から青森中学時代のことを回想し、みずみずしい文章でつづっています。青森中学の先生たちは少年期の太宰に大きな影響を与えました。橋本先生は、有名な「赤い糸」のエピソードを授業で話した教師であり、戦後、疎開中の太宰が青森中学で講演した際は教頭をつとめていました。この時代太宰は校友会雑誌に小説を掲載したり、自ら同人誌を編集し、出版していました。『蜃気楼』は、デザインも太宰がてがけたといわれ、印刷屋で印刷した立派な雑誌でした。
また、1年先輩には鷹山宇一がいましたが、棟方志功や松木満史とともに、洋画団体『青光画社』を組織し、一方では関野凖一郎や根市良三らが創作版画誌を出すなど、文化的には非常な活況を呈していた時代でした。


第2章 津軽」の風景

展示室:Q

太宰治の『津軽』は、紀行文のかたちをとりながら、津軽地方の地理や産業、歴史などを要領よく紹介し、自分の家族や友人との交流をつうじて、故郷の津軽を多面的に描き、戦争末期の危機の時代を強く明るく生き抜こうとする太宰の姿勢がうかがえる作品です。
このコーナーでは太宰が生きた時代の津軽の風景を、昭和8年から9年にかけて青森県内の名所や風物を石版画でえがき、頒布した今純三の『青森県画譜』、青森県史編さんグループが収集・所蔵する貴重な資料などにより紹介します。


第3章 太宰治と棟方志功

展示室:棟方志功展示室

太宰治と棟方志功は、直接の交友こそはありませんでしたが、太宰は『青森』という随筆に、青森中学時代、下宿先の近所にあった花屋に展示されていた無名時代の棟方の油絵を購入したことを書いており、棟方志功も太宰の思い出を自伝『板極道』に書いています。
彼ら2人には、青森出身の文化人、文学者や芸術家はもとより、保田與重郎をはじめとする日本浪曼派の文学者など共通する友人が多くおり、棟方は彼らの著書の装幀を行ったり、彼らの詩などを題材にした作品を数多く制作しています。しかし、それ以上に、文学、美術の両ジャンルにおいて近代日本を代表するこの2人の青森県出身の芸術家は、同じ時期に青森市に過ごし、東京に出たのちも青森とのつながりを持ちながら、故郷を題材にした作品を制作しつづけていたことなど、共通する点を数多く持っています。また、ともに富士山を題材にした作品を制作するなど、関心の方向性も似ています。
このコーナーでは、太宰の青森中学時代と重なる時期の棟方の油彩作品、日本浪曼派の著書の装幀本、太宰とゆかりのある人々を描いた作品など、太宰と関連する視点で棟方志功の作品を構成し、展示します。


第4章 太宰治と美術

展示室:M

太宰治は、東京美術学校に進んでいた兄圭治の影響もあり、中学時代のひととき、自ら編集する同人雑誌の表紙デザインやポスターをてがけるなど美術にも熱中し、美術と文学のどちらへ進むか迷っていたともいわれています。文学を選んだ後も、美術への深い関心をもちつづけ、画家の友人も多く、彼らのアトリエで自ら絵筆をとることもありました。また、筆で字を書くことも好み、酔うと機嫌よく気軽に揮毫していたといわれます。
ここでは太宰の落書きのある教科書やノート、太宰が描いた軸や色紙など展示するほか、太宰治の文学にかかわる様々な資料を展示します。

展示室:L

太宰治と美術 -自筆の絵画を中心に
太宰治は多岐にわたって美術への関心をもっており、彼が実際に筆をとって描いた油彩画ものこされています。それらは鰭崎潤や桜井浜江といった、友人の画家のアトリエで描かれた即興画であり、入念に準備された表現ではありませんが、桜井が回想するように、彼女アトリエにあったキャンバスや筆、絵の具をそのまま使って描き、すばやく仕上げていく様子は、本職の彼女が感心するほどのものであり、小説家の余技といった域を超えて、確かな表現の意思を感じさせるものです。
このコーナーでは、自身の描いた油彩画を中心に、友人の鰭崎潤の絵に即興の詩を書き込んだもの、小説『饗応夫人』のモデルとされる画家桜井浜江の1948年の油彩画などを展示し、「画家」太宰を紹介します。


第5章 家族の肖像 -太宰の見た家族、家族の見た太宰

展示室:J

太宰治は作品の中で妻や子供たち、兄たちなど家族のことを繰り返し書いています。「家族」は太宰の文学の重要なテーマでもありました。また、妻や娘たちと撮影した写真は、戦後無頼派として有名になったのとはまた違う太宰の側面をみせてくれます。
太宰の没後、美知子夫人は太宰の遺した自筆原稿や資料を収集・整理・保存して後世に伝えることに意を注ぎ、太宰治の文献学的研究の基礎を作るとともに、最も身近な人物の目によってとらえられた比類ない記録である『回想の太宰治』を著しています。このコーナーでは、家族とともに撮影された太宰の写真や、夫人がまとめた太宰の回想・資料などを紹介します。


第6章 「晩年」の時代 -東京の青森ネットワーク

展示室:K

太宰治は、東京に出た後も青森時代からの友人達と親しくつきあい、自作を朗読したり句会を開くなど、芸術について語り合い、刺激を与えあっていました。この時代に書かれた最初の作品集『晩年』の前衛的な手法とみずみずしい抒情には若き日にこの仲間達とかたりあった新しい芸術の息吹が反映していると思われます。当時太宰と親しく交わった義弟にあたる画家小館善四郎(1914-2003)やその従兄弟・同級生だった根市良三(1914-1947)といった同郷の年下の画家達のその後の作品には、この頃太宰と共有したであろう若々しい詩情がみちあふれています。
このコーナーでは小館善四郎と根市良三の作品を中心に、太宰が小館にあてた手紙や、根市が太宰の小説の手づくり本のために制作した版画などを展示し、彼らの芸術を育んだ文化的ネットワークについて紹介します。


第7章 太宰治と阿部合成

展示室:I

太宰治と青森中学の同級生で、同人誌『星座』を共に作るなど当時の文章のライバルでもあった画家の阿部合成(1910-1972)は、昭和12年頃東京で再会します。浪岡の名家の息子で、父が青森市長もつとめるなど、太宰と出自の環境も似ていた阿部合成は、再会後、詩人・評論家の山岸外史も交え、親密な友情を結ぶに至り、太宰のいくつかの作品の登場人物には彼の面影が指摘されています。阿部が召集され出征する際には、彼らは風呂にはいってともに体を洗いあい、別れをおしんだというエピソードがあるほどあつい友情で結ばれていました。
また阿部は、太宰の『千代女』『風のたより』などの著書の装幀を行い、太宰の没後は、1965年に金木町芦野公園の太宰治碑を制作しました。それ以後の阿部の作品は道化や聖書など、太宰と共通するようなテーマも数多くみられるようになっていきます。
本コーナーでは阿部の作品を中心に、太宰の著作の装幀本や関連資料を展示し、2人の交友と芸術について紹介します。


第8章 太宰と写真

展示室:H

太宰を写した写真は数多く残されていますが、カメラに向かって演技しているかのような彼の「道化」の本質を最もよくとらえているのが、弘前高校時代の友人藤田本太郎による一連のポートレートと晩年に写真家田村茂が撮影した一連の写真でしょう。天真爛漫といってもおかしくないくらい様々な表情をみせ、時には羞じらうように笑う弘前高校時代の太宰の姿は、友人ならではの親密さにあふれています。
一方で、田村茂による一連の有名な作品は、戦後の太宰の深い思索と創作への真剣な姿勢を感じさせる一方で、写真家の鋭い目は、その影に多忙と病による疲れた表情をもとらえています。
また、彼の自分の「顔」への関心は他人が撮った肖像写真だけでなく、自らの容姿を気にしたエッセイも残しています。ここでは、太宰の自らの「顔」への関心を、写された写真と原稿などによって見ていきます。

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事業概要

1 名称 
生誕100年記念 太宰治と美術―故郷と自画像
2 会期 
2009年7月11日 (土) - 9月6日 (日)
休館日 : 7月27日 (月)
3 開館時間 
9:00 - 18:00 (入館は17:30まで)
4 会場 
青森県立美術館常設展示室
5 主催 
青森県立美術館
6 共催 
青森県近代文学館
7 助成 
芸術文化振興基金
9 後援 
東奥日報社、陸奥新報社、デーリー東北新聞社、河北新報社、毎日新聞青森支局、読売新聞青森支局、朝日新聞青森総局、日本経済新聞社青森支局、共同通信社青森支局、時事通信社青森支局、NHK青森放送局、青森放送、青森テレビ、青森朝日放送、青森ケーブルテレビ、八戸テレビ放送、エフエム青森、コミュニティーラジオ局BeFM、FMアップルウェーブ、エフエムアジュール

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関連事業・関連企画

(1) 青森県近代文学館 「太宰治生誕100年特別展」第一回文学講座 (朗読・トーク・講演)

朗読とトーク:
「私と太宰-朗読 『魚服記』-」 山根基世 (「ことばの杜」代表)
講演:
「太宰治と津軽」 三浦雅士 (文芸評論家)
主催:
青森県近代文学館
共催:
青森県立美術館
場所:
青森県立美術館シアター
日時:
2009年7月26日 (日)
13:00 – 15:30
定員:
220名
申込み方法:
ハガキ・FAX (住所・氏名・電話番号明記)、電話。
あるいは青森県近代文学館Webサイト上から下記までお申し込み下さい。直接来館してのお申し込みも可能です。定員になり次第締切らせていただきます。

※受付は終了しました

お問い合わせ先:
青森県近代文学館
030-0184 青森市荒川字藤戸119-7
TEL 017-739-2575
FAX 017-739-8353

(2) 記念講演会 (講演・朗読)

講演:
「太宰治:自画像の文学」 安藤宏 (東京大学准教授)
朗読:
「太宰治『津軽』より」船水もも (弘前高校三年生)
場所:
青森県立美術館シアター
日時:
2009年7月12日 (日)
13:00 – 15:30 (12:30受付開始・開場)
主催:
青森県立美術館
共催:
青森県近代文学館
定員:
220名 ※本展の展覧会チケットが必要です。

(3) ドラマリーディング

1 「津軽/ことば」
構成・演出:
長谷川孝治 (青森県立美術館舞台芸術総監督)
日時:
2009年7月18日 (土)・7月25日 (土)
15:00 - (30分程度)
会場:
展示室H (展覧会チケットが必要です)

2 「畜犬談」「おしゃれ童子」
構成・演出:
長谷川孝治 (青森県立美術館舞台芸術総監督)
出演:
川上麻衣子・村田雄浩 他
日時:
2009年8月16日 (日)
14:00 –(60分程度)
会場:
青森県立美術館シアター
定員:
200名 (当日先着順)
※本展の展覧会チケットが必要です。

(4) ギャラリー・トーク

日時:
会期中毎土・日曜日
11:00 - 12:00
会場:
本展展示室内
※本展の展覧会チケットが必要です。

(5) 講演会 (アート入門「エキシビション・アイズ」第3回)「太宰治と美術」

講師:
池田亨 (青森県立美術館学芸員)
日時:
2009年7月19日 (日)
13:30-15:00
場所:
青森県立美術館シアター
定員:
220名 (当日先着順)・無料

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お問い合わせ

青森県立美術館
住所
〒038-0021 青森市安田字近野185
Tel
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Fax
017-783-5244

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