チラシ (PDF/1.6MB)

甚大な被害を及ぼした東日本大震災から今年で10年。青森県立美術館では、4人のアーティストによるグループ展「東日本大震災10年 あかし testaments」を開催いたします。時間と共にうすれゆく震災の記憶を、いかに次世代へとつなぎ、教訓を伝えていくか、時代の趨勢から取りこぼされてゆくものに目を向けてきたアーティストたちの作品をとおして考えます。

日本を代表する写真家・北島敬三、韓国・済州島出身で現代美術の最前線で活躍するコ・スンウク、沖縄出身で、今最も注目されている中堅アーティストの一人・山城知佳子、そして八戸市出身で演劇・美術・批評など多方面で才能を発揮した豊島重之[としま・しげゆき](故人)。4人のアーティストの写真や映像が展示室にともす「灯=あかし=証」を通じて、時間がもたらす風化や忘却の暗闇の中に、災厄をのりこえ、共に生きるための世界を照らし出します。

  • 画像:北島敬三「UNTITLED RECORDS」より≪青森県外ヶ浜町≫
    北島敬三「UNTITLED RECORDS」より≪青森県外ヶ浜町≫
    2011年
    顔料印刷
    ©KITAJIMA KEIZO


展覧会概要

会期

2021年10月9日(土)~2022年1月23日(日)

休館日

10月11日(月)、25日(月)、11月8日(月)、12月13日(月)、27日(月)~31日(金)、2022年1月1日(土)、11日(火)

開館時間

9:30 - 17:00 (入館は16:30まで)
※11月26日(金)、27日(土)、12月18日(土)は20:00まで開館(入館は19:30まで)

会場

青森県立美術館

参加アーティスト

北島敬三、コ・スンウク、豊島重之、山城知佳子

※マスクの着用、検温、手指消毒等、感染症の予防・防止対策にご協力ください。


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料金・チケット販売

観覧料

一般 1,500円(1,300円)/高大生 1,000円 (800円)/中学生以下無料
※( )内はWebチケット料金。Webチケットはシステム利用料等別途165円が必要となります。
※心身に障がいがある方と付添者1名は無料

チケット販売

  • 総合案内でのチケット購入
    窓口で当日チケットをお買い求めいただけます。
  • WEBチケットの購入
    販売開始日等の詳細が決まりましたら、本ホームページでお知らせします。

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キュレーターからのメッセージ

かつて生じたことで、歴史にとって、失われたと見なされるものは何ひとつない
― ヴァルター・ベンヤミン/『歴史の概念について』

東日本大震災から10年。甚大な被害をもたらしたあの災禍以降、被災地においては、将来の災害に備える社会基盤が次々と整えられ、被害の教訓を後世へ伝える数々の伝承施設が建設され、さらには「復興」を祝うイベントが開催されてきました。しかし、これらが達成される過程で、私たちは時に、被災地の現場からの声がかき消されてゆくのを目にすることになりました。震災という出来事は、一方で、まさにそのような「小さな声」に耳を傾けることの重要性を教えるものではなかったでしょうか。

周年記念日から半年以上を経た今、「東日本大震災10年」という言葉が既にどこか時機を逸したように響くほど、刻一刻とあの出来事が遠のいていく中で、封じ込められた叫びを知る私たちが、それらを救い出すために何ができるのか。このことを考えるために、4人のアーティストを招きました。北島敬三、コ・スンウク、豊島重之、山城知佳子。時代の趨勢から取りこぼされてゆくものに目を向けてきた彼らは、その姿勢の一貫性と純度において稀有なアーティストたちです。彼らの写真、映像、インスタレーションが、縄文時代の鼓動を伝える青森県立美術館の空間に広がる時、その作品の連鎖がともす「灯(あかし)」は、「小さな声」の「証(あかし)」となることでしょう。そしてその中に、私たちは一瞬目にするかもしれません。かつて生じたことを、何ひとつ失うことのないあの<歴史>の姿を。

(キュレーター: 李静和、倉石信乃、高橋しげみ)


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アーティスト紹介

北島敬三 KITAJIMA Keizo (1954─, 長野県出身東京都在住, 写真家)

撮影した写真を独特の時間軸の中で発表し、その記録的価値や人間の視覚に与える影響を探求しながら、国内外で活躍する写真家。1975年、「ワークショップ写真学校」森山大道教室に参加して以降、本格的に写真を始める。初期の活動では、都市の街路を行き交う人々を出会いがしらに捕らえたモノクロームのスナップショットが高い評価を得た。80年代末以降、大判カメラを用いた肖像写真のシリーズ「PORTRAITS」と、日本の地方を巡り、見過ごされ、打ち捨てられた風景を撮影したシリーズ「PLACES」に着手。「PLACES」を前身として、2012年から新たに始めたシリーズ「UNTITLED RECORDS」は、被写体に東日本大震災の被災地を含みながら現在も撮影を継続する。木村伊兵衛写真賞(1983)、伊奈信男賞(2007)、日本写真協会作家賞(2010)、東川賞国内作家賞(2010)。

出品: 震災をきっかけにスタートした風景写真のシリーズ「UNTITLED RECORDS」と人物を定点観測的に撮影した肖像写真のシリーズ「PORTRAITS」

  • 画像:北島敬三「UNTITLED RECORDS」より≪岩手県大船渡市≫
    北島敬三「UNTITLED RECORDS」より≪岩手県大船渡市≫
    2011年
    顔料印刷
    ©KITAJIMA KEIZO

コ・スンウク KOH Seung Wook (1968─, 韓国済州島出身・在住, 美術家)

韓国の現代アートシーンの最前線で活躍する美術家の一人。弘益大学(ソウル)で絵画を学び、美術学士号取得。ソウルでの初期の活動では実験的なアートを発信するオルタナティヴ・スペース「プール」のディレクターを務めながら(2007-2009)、ユーモアの中にも社会通念に挑む強い意志を感じさせるパフォーマンスや映像作品を発表している。2012年、故郷の済州島に活動の拠点を移してからは、同地の歴史的出来事に関わる記憶をテーマに、死者という不可視の存在者との対話を促す詩情豊かな写真や映像作品を制作。2006年、「釜山ビエンナーレ2006―二都物語/釜山―ソウル/ソウル―釜山」や2017年、「チェジュビエンナーレ 観光」などの大規模国際展の参加作家にも選ばれている。日本での展示は「民衆の鼓動 韓国美術のリアリズム 1945-2005」(2007年、新潟県立万代島美術館他)に続き2回目となるが、旧作を含む大規模な展示は今回が初めて。

出品: 第二次世界大戦後の済州島で多くの島民が犠牲となった「済州島四・三事件」をテーマにした映像作品を中心に、ドローイングや写真、新作映像など

  • 画像:コ・スンウク≪石の蝋燭 7≫デジタル写真(2010)
    コ・スンウク≪石の蝋燭 7≫デジタル写真(2010)
    ©Koh Seung Wook

豊島重之 TOSHIMA Shigeyuki(1946─2019, 青森県八戸市出身, 演出家)

精神科医として勤務する傍ら、演劇、美術、批評など多方面で才能を発揮し、生涯八戸を拠点としながらも、10か国を超える海外の舞台で作品を発表するなど国際的に活躍した。東北大学医学部学生時代から、ダダカンこと糸井貫二と共同作業を行うなど、1960年代の前衛のアートシーンに関わる。1986年、劇団「モレキュラーシアター」を結成。先鋭的なパフォーマンスで、舞台芸術の新しい地平を切り拓いた。同団は、1996年、豪州アデレードフェスティバルに正式招待され、同年の「TOKYOジャーナル」年間演劇賞受賞。2000年には八戸市民を中心としたアートプロジェクトの企画集団「市民アートサポートICANOF(イカノフ)」を結成し、キュレーターとしても活躍した。2019年1月、72歳で死去。今秋、評論集『一目散』(書肆子午線)刊行予定。

出品: 豊島重之が主催する劇団モレキュラーシアターによる舞台作品《直下型演劇》(2002年)のセノグラフィー(舞台装置)を中心に写真やサウンドインスタレーションなど

  • 画像:コ・スンウク≪石の蝋燭 7≫デジタル写真(2010)
    豊島重之主宰モレキュラーシアター公演《Legend of Ho》(2000)
    舞踏家・中嶋夏(左)と豊島重之(右)
    photo: Toru Yoshida

山城知佳子 YAMASHIRO Chikako (1976─, 沖縄県出身・在住, 映像作家・美術家)

現在、最も注目される中堅アーティストの一人。映像や写真、パフォーマンスなどによって出身地・沖縄を主題に作品を制作している。沖縄戦や基地問題など歴史や社会の具体的な事象に触れた初期の作品を経て、近年は言葉にならない記憶を伝えるべく、抽象的なイメージやフィクションの要素を効果的に取り入れた作品へと展開が見られる。国境や時代を超える普遍性を獲得した作品は国内外で高い評価を得ている。現在、東京都写真美術館で大規模な個展「山城知佳子 リフレーミング」を開催中(10/10まで)。Asian Art Award 2017 supported by Warehouse TERRADA大賞(2017)、第64回オーバーハウゼン国際短編映画祭ゾンタ賞(2018)、Tokyo Contemporary Art Award, 2020-2022(2020)。

出品: 戦争の記憶をテーマにした初期の傑作《あなたの声は私の喉を通った》を中心に、あらたに構成された映像インスタレーションや新作の写真など

  • 画像:コ・スンウク≪石の蝋燭 7≫デジタル写真(2010)
    山城知佳子《あなたの声は私の喉を通った》ビデオ(2009)
    ©Chikako Yamashiro, Courtesy of Yumiko Chiba Associates

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関連プログラム等

OPENING LIVE+TALK

◎港大尋ライブコンサート: かつて豊島重之作品に出演した作曲家によるパフォーマンス(会場:アレコホール)
◎アーティスト+キュレーター クロストーク(会場:シアター)
【日時】2021年10月9日(土) 13:30-16:00(開場13:00~)
【会場】青森県立美術館 アレコホール、シアター
【料金】無料(ただし企画展のチケット又は半券が必要となります。)
【申込】事前申込制(定員40名、先着順)
【申込締切】10月5日(火)
【申込方法】
・メールタイトルを『あかし展オープニングイベント申し込み』として下記のアドレスまでお申し込みください。メール1通につき、2名様までお申込可能です。
 (申込アドレス)akashi@aomori-museum.jp
・メールへは申込者様全員の「氏名」「住所」「電話番号」「メールアドレス」をご記載ください。
・座席を選ぶことはできません。当館からのお申込受付完了メールにて、あわせて座席番号をお知らせいたします。
・車椅子でご参加予定の方は、お申込時にメールにてご連絡ください。

※お預かりした個人情報は、本イベントに関する業務のみに利用します。
※新型コロナウイルス感染症の感染者又は感染が疑われる方が発生した場合は、保健所等公的機関へ氏名及び連絡先が提供される可能性がございます。
※新型コロナウイルス感染症の拡大状況によっては、開催を変更又は中止する可能性がございます。


■このほか各アーティスト関連のイベント(トーク、パフォーマンス、上映会等)を予定しております。詳細は、決まり次第本ホームページでお知らせします

ナイトミュージアム

夜間延長時間: 17:00-20:00
11月26日(金) / 11月27日(土) / 12月18日(土)

図録

展覧会のコンセプトや、各作家の論考、主要な出品作のカラー図版が掲載された図録『青森県立美術館展覧会図録 東日本大震災10年 あかし testaments』を、11月初旬、株式会社インスクリプトより刊行予定。
予価: 3,900円(税別) ISBN: 9784900997929
デザイン・装丁:須山悠里

◎諸般の事情により、展覧会の日程・内容等を変更する場合がございます。最新の情報は本ホームページをご確認ください。


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お問合せ

あかし testaments展実行委員会
〒038-0021 青森市大字安田字近野185 青森県立美術館内
TEL 017-783-3000  FAX 017-783-5244

主催

あかし testaments 展実行委員会(青森県立美術館、青森県観光連盟)

助成

画像:公益財団法人花王芸術・科学財団 公益財団法人朝日新聞文化財団

協力

青い森鉄道、JR東日本青森商業開発

後援

在日本大韓民国民団青森県地方本部 青森放送 青森テレビ 青森朝日放送 青森ケーブルテレビ エフエム青森 東奥日報社 デーリー東北新聞社 陸奥新報社 河北新報社 読売新聞青森支局 朝日新聞青森総局 毎日新聞青森支局 産経新聞社青森支局 青森県教育委員会

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