A World of Stage:
Russian Designs for Theater, Opera, and Dance

 

2007年9月29日 (土) - 10月28日 (日)
9:30 – 17:00 (入館は16:30まで)
※9月29日、30日は9:00 – 18:00 (入館は17:30まで)
※会期中無休


舞台展+アレコ
一般 800円 (700円)
高大生 560円 (460円)
小中生 320円 (220円)

舞台展+常設展
一般 1,200円 (1,100円)
高大生 800円 (700円)
小中生 400円 (300円)

※( )内は前売券および20名以上の団体料金
※心身に障がいのある方と付添者1名は無料 (入館の際に証明できるものをご呈示ください)

レオン・バクスト
《男性の衣装(バレエ『シェエラザード』より)》1910年
サンクトペテルブルク国立演劇音楽博物館蔵
©Texts,photos, The State Museum of Theatre and Music, St.Petersburg, 2007

20世紀前半のロシアは、舞台芸術の世界において新時代を切りひらき、世界中のエンターテインメントシーンに大きな影響を及ぼしました。本展覧会では、ニューヨーク、パリ、ロンドン、サンクトペテルブルク、そして日本国内から集められたデザイン画、当時の舞台衣装、ポスター、上演プログラム、再演映像など約190点の作品資料により、当時のロシア舞台芸術における多様なデザインの動向を紹介します。

ロシア舞台芸術の夜明け

19世紀後半から20世紀初頭にかけて、ロシアは大きな変動の時代を迎えていました。資本主義経済への移行に伴い、商売により財をなした実業家など新たな富裕層が貴族にかわり台頭するようになると、彼らは芸術の分野においても時代の牽引力となっていきます。
その結果、西欧の新しい芸術動向に対して積極的に目が向けられるようになり、さらにはロシア芸術の独自性が社会的、民俗的観点から模索されるようになります。
1885年、モスクワの鉄道王サッヴァ・マーモントフは私的なオペラハウスをモスクワ近郊に建て、作品の上演をはじめます。そこで彼は舞台美術専門の職人ではなくロシアの代表的な画家達を起用、芸術家が舞台芸術と深く関わることになりました。ロシア舞台芸術の新時代が到来したのです。

伝説のバレエ団「バレエ・リュス」の驚くべき世界

このような状況の中、20世紀初頭のロシアに登場したのが興行主セルジュ・ディアギレフでした。優れた芸術批評家でもあったディアギレフはバレエこそが舞踊、美術、音楽を統合させた「総合芸術」であるという信念のもと、ロシアの舞踊家、画家、音楽家からなるバレエ・リュス(ロシア・バレエ団)を組織し、1909年パリにデビューします。野性的なリズムを際立たせ、不協和音を多用した音楽を作曲したイーゴリ・ストラヴィンスキー、金、赤、緑、紫など濃厚な色彩によって官能的かつ非西欧的な美学に彩られた舞台美術をデザインしたレオン・バクスト、そして圧倒的なテクニックとともに性的な魅力をたたえた舞踊を披露した天才ダンサー、ワツラフ・ニジンスキー・・・その他ディアギレフの眼にかなった芸術家達が一体となって創り出したバレエという「総合芸術」の世界は、当時の人々に大きな衝撃を与え、歓声と怒号を浴びながら瞬く間にヨーロッパを席捲していきました。


レオン・バクスト
《ワツラフ・ニジンスキーのための衣装デザイン(上演されなかったバレエ『ペリ』より)》1911年
Coll. Professor Stavrovski, New York

芸術の実験場としての舞台芸術

しかし、当時の舞台芸術における画期的な動きは、ディアギレフのバレエ・リュスに限った現象ではありませんでした。ロシア国内では1917年のロシア革命の前後に展開された総合的な芸術運動《ロシア・アヴァンギャルド》を背景に、舞台においても実験的な試みが次々におこなわれます。
初期ロシア・アヴァンギャルドを代表する舞台の一つに、全てが機械化された未来世界を描いた“初の未来主義オペラ”『太陽の征服』(1913年)があります。「ZAUM」(ザーウミ/超意味言語)と呼ばれる、語呂合わせや音の自由な連なりを重視した新言語によって書かれたテキスト、俳優の動きや台詞に合わせて鳴り響く不協和音、そしてカシミール・マレーヴィチによる幾何学的で動的なデザインの舞台装置やコスチュームをとりいれたこの舞台は、それまでの平面的な舞台背景を変革し、舞台装置と俳優との律動的で有機的な結びつきを生みだしました。そして、これが1920年代ロシア舞台芸術におけるデザインの大勢となっていったのです。


ラザリ・ヒデーケリ
《登場人物スケッチ(オペラ『太陽の征服』より)》1920年
Coll. The Khidekel Family, New York

ラザリ・ヒデーケリ
《舞台デザイン(オペラ『太陽の征服』より)》1919年
Coll. The Khidekel Family
New York

*これらの作品は、『太陽の征服』再演(1920年)のために制作


大衆エンターテインメントとキャバレー文化

一方、ロシアの舞台芸術家達は演劇やオペラ、バレエといった専門的な舞台芸術に飽きたらず、豊かな大衆階層に向けた活動をキャバレー(*舞台付きの小さなカフェやレストラン)と呼ばれる小さな舞台空間で提供するようになります。ここではサーカスや見世物的なパフォーマンス、歌手やダンサーによる短いショー、笑劇などが繰り広げられ、広く人気を博しましたが、こうした小劇場は同時に、大劇場のような観客動員の圧力にさらされることのない自由な空間として、前衛的な芸術表現が試みられ、また社会問題をテーマにした風刺的作品が上演されるなど先進的な実験工房としての役割も備えていました。1908年にニキータ・バリーエフが開いたキャバレー〈こうもり座〉は当時特に人気の高かったキャバレーの一つで、ロシアの伝説的なオペラ歌手ヒョードル・シャリアピンや20世紀最大の演劇人とも称されるフセヴォロド・メイエルホリドなどの著名人も、このキャバレーの舞台に立っていました。


ニキータ・バリーエフ
《こうもり座のための楽譜》1921年
表紙:S・スデイキン
Coll. Professor Stavrovski, New York

亡命ロシア舞台人達の活躍

20世紀初頭のロシアに立て続けに起こった第一次世界大戦と革命は、国内の政情不安を招き、深刻な食糧不足を引き起こしました。そして、1922年にソビエト連邦が成立すると、その指導者達はまもなく芸術の自由な表現を規制し、革新的な表現に挑む芸術家達を「頽廃」という名の下に弾圧し始めました。このような状況の中、ロシアの芸術家の多くは自由な表現の場を求めて祖国ロシアを離れ、西ヨーロッパ諸国やアメリカへ渡ります。こうして活気溢れるロシア舞台芸術の世界はその後、世界各国の劇場へとその活躍の場を移し、各国の舞台芸術に大きな影響を与えることとなりました。


アレクサンドラ・エクステル
《舞台デザイン(バレエ『ドン・ファン』より)》
ヴィクトリア・アンド・アルバート美術館蔵
*本作品は1927年ケルン歌劇場上演のために制作


シャガールと舞台芸術

青森県立美術館はロシア出身の画家、マルク・シャガールが手がけたバレエ『アレコ』(*)の舞台背景画3点を所蔵し、常設展示しています。そのシャガールは、自伝『わが回想』の中で次のように振り返っています。「劇場のために働くこと、これは昔からの私の夢だった」。
1908年、20歳の若きシャガールはサンクトペテルブルクにあったスヴァンセヴァ美術学校に入学しますが、ここで師事したのが後にバレエ・リュスの舞台デザイナーとして活躍することになる画家レオン・バクストでした。この美術学校には当時、すでにダンサーとしての頭角をあらわしていた若き日のワツラフ・ニジンスキーも学んでおり、この頃から舞台芸術の世界はシャガールにとって身近なものとなっていました。まもなくしてパリに出たシャガールは、バレエ・リュスの成功を目の当たりにします。その後、1914年に一時ロシアに帰国、第一次世界大戦と、それに続くロシア革命を経験した後、革命政府により故郷ヴィテブスクの芸術人民委員に任命され、ヴィテブスクにつくられたテレフサート(革命的諷刺劇場)で数年間にわたって舞台美術を担当します。また、1920年、モスクワに転居した際にはユダヤ劇場のための舞台壁画を制作、そこで上演された作品の舞台美術等も手がけました。その後、シャガールは1922年に再び祖国ロシアを離れてパリへ向かいますが、途中、一時立ち寄ったベルリンでは、当地で大変な人気を博していたロシア・キャバレー〈青い鳥〉の舞台装置を描くなどして生活を支えました。また、第二次大戦中は、ナチスから逃れてアメリカ亡命中の1942年にバレエ『アレコ』の、1945年にバレエ『火の鳥』の舞台美術を手がけ、戦後はバレエ『ダフニスとクロエ』やオペラ『魔笛』の舞台美術を手がけました。このように、シャガールの画家としての人生は常に舞台芸術との関わりの中で存在していたといえるのです。


レオン・バクスト
《ミハイル・フォーキンのための「アムーン」の衣装(バレエ『エジプトの夜』より)》
Coll. Professor Stavrovski, New York
©Texts,photos, The State Museum of Theatre and Music, St.Petersburg, 2007
*本衣装は1908年サンクトペテルブルク・マリインスキー劇場で初演された『エジプトの夜』のために制作。1909年ディアギレフのバレエ・リュスによるパリ・シャトレ劇場上演でも使用

*バレエ『アレコ』は、バレエ・シアター(現:アメリカン・バレエ・シアター)により1942年に初演された全4幕のバレエ。プーシキンの叙事詩『ジプシー』を原作としたストーリーで、音楽にはチャイコフスキーの「イ短調ピアノ三重奏曲」(編曲)が用いられました。振付をバレエ・リュスでも活躍したロシア人ダンサー、レオニード・マシーンが、舞台美術をシャガールが担当する等ロシア的色彩に彩られたこのバレエは、バレエ・リュスの精神を新大陸において甦らせようとした試みでもありました。


主催
舞台芸術の世界展実行委員会 (青森県立美術館、青森放送、陸奥新報社)
 
後援 ロシア連邦大使館
 
協賛 イマジン株式会社
 
協力 ANA、ルフトハンザ ドイツ航空、ルフトハンザ カーゴAG
 
企画協力 アートインプレッション
 
前売り券発売所 サークルKサンクス(サークルK:青森、秋田、岩手県内の各店舗 サンクス:東北各県、北海道央、道南地区の各店舗)、サンロード青森、イトーヨーカドー青森店・弘前店、成田本店しんまち店Pax、さくら野百貨店青森店・弘前店・八戸店、中合三春屋店、県内JTB及びJTBトラベランド、県内日本旅行、県内近畿日本ツーリスト、県庁生協・青森県民生協、弘大生協、青森市文化会館、青森県立美術館ミュージアムショップ
 

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舞台芸術の世界展 関連イベントのご案内

『アレコ』鑑賞のための特別プログラム

当館アレコホールに常設展示中の『アレコ』背景画を舞台用の特殊照明と音楽を用いたストーリー解説によりご鑑賞いただく特別プログラム (約15分) を実施します。
日時:会期中 (1) 11:00 - (2) 14:00 - *1日2回開催
※10月6日、10月10日は (1) 11:00 - (2) 13:30 -

ダンス公演+講演+シンポジウム
バレエ・リュスとロシア・アヴァンギャルドの夕べ》

日時:10月6日 (土) 14:00 - 17:00 (13:45開場)
場所:青森県立美術館企画展示室E
参加料:鑑賞・聴講無料 *本展の観覧券が必要です
定員:100名 (当日受付・先着順)

ダンス公演 14:00 - 14:45
『バレエ・ビオメハニカ/BALLET BIOMECHANICA』
演出・振付・美術:豊島重之 TOSHIMA Shigeyuki (モレキュラーシアター芸術監督) 舞台監督:高沢利栄 映像監督:宮内昌慶 音楽編集:田島千征・大久保一恵
出演:大久保一恵・苫米地真弓・四戸由香・秋山容子・斉藤尚子ほかモレキュラーシアター

講演 14:50 - 15:50
「ディアギレフからカバコフまで」
講師:鴻英良 OTORI Hidenaga (演劇批評家・ロシア芸術思想)

シンポジウム 午後15:50 - 17:00
「バレエ・リュスが今日の芸術にもたらしたもの」
出席:鴻英良 (同上) ・大久保一恵 (ダンスアーティスト) ・豊島重之 (モレキュラーシアター芸術監督)

舞台作品『バレエ・ビオメハニカ/BALLET BIOMECHANICA』について
ディアギレフと「バレエ・リュス」が、多面的な要素をはらみながら、パリを起点として世界中の絶賛を浴びた理由は、同時代の前衛を積極的に取り込んだ点にあります。ピカソ・ブラック・ピカビア・レジェのキュビスムもその一つで、そのレジェの映画の題名から、本公演のタイトルが由来しています。もう一つは、メイエルホリドが提唱した「未来のための」俳優養成システム「ビオメハニカ」の含意も込められています。
「リュス」のクォリティの高さには、やはり同時代の「ロシア・アヴァンギャルド」との交響を忘れるわけにはいきません。そこで本公演のイメージとしては、マレーヴィチ「シュプレマティズム」の、とくに「白の中の (上の) 白 (い正方形) 」を私達は参照しています。具体的には三面が白亜のギャラリーを想定しています。

豊島重之 (モレキュラーシアター芸術監督)


講師紹介: 鴻英良 OTORI Hidenaga

演劇批評家・ロシア芸術思想。静岡県生まれ・東京都在住。東京工業大学卒業。東京大学大学院修了。ロシア演劇専攻。2002、03、04の3年間、世界最前衛のハンブルク国際演劇祭「ラオコオン」芸術監督を務める。著書に『二十世紀劇場』 (朝日新聞社、1998年) 。共著に『野田秀樹 赤鬼の挑戦』 (青土社、2006年) 。訳書にカントール『死の演劇』やタルコフスキー『映像のポエジア』など多数。2007年9月にはロシア最前衛の現代美術家イリヤ・カバコフの翻訳も出版される。

 

演出家紹介: 豊島重之 TOSHIMA Shigeyuki

モレキュラーシアター芸術監督・ICANOFキュレーター。八戸市生まれ・在住。東北大学卒業。精神科医。2004年現代詩手帖4月号で、故・太田省吾と吉増剛造との鼎談『渦巻く流動の相のもとに』に出席・提言。2006年10月、世田谷パブリックシアター企画制作「ベケットを読む」で、故・太田省吾演出の遺作と二本立て公演『OHIO・CATASTROPHE』を演出 (シアタートラム) 。論稿に『流刑地の秘書たち』『箔足のバロック』『四角いベケット』 (舞台芸術誌) ほか。編著に『写真集パンタナル2006』など多数。

 

出演者紹介:

大久保一恵 OHKUBO Kazue

ダンスアーティスト。八戸市生まれ・在住。豊島重之演出『f/F・parasite』『OSIRIS/OSCILLIS』など海外11ヶ国のモレキュラー公演に主演。2002年八戸市美術館主催・豊島弘尚個展オープニング・トーク講師として、深く鋭い明察を披露。


苫米地真弓 TOMABECHI Mayumi

ダンスアーティスト。八戸市生まれ・在住。豊島重之演出『FACADE FIRM=肖像画商会』など海外8ヶ国のモレキュラー公演に出演。06年モレキュラー世田谷トラム公演や沖縄公演にも出演。

四戸由香 SHINOHE Yoshika

モレキュラー・メンバー。ダンスバレエ・リセ出身。八戸市生まれ・東京都在住。ソロ作品に『untitled-0911』『監視カメラSUBWAY』など。06年9月モレキュラー20周年『PANTANAL』出演。

秋山容子 AKIYAMA Youko

モレキュラー・メンバー。八戸市生まれ・在住。06年モレキュラー20周年『PANTANAL』や『OHIO・CATASTROPHE』『CORIOLIS』で世田谷トラムや沖縄公演に出演。

斉藤尚子 SAITO Naoko

モレキュラー・メンバー。秋田県生まれ・八戸市在住。06年モレキュラー20周年『PANTANAL』や『OHIO・CATASTROPHE』『CORIOLIS』で世田谷トラムや沖縄公演に出演。

演劇ダンス・ユニット《MOLECULAR THEATRE》紹介:

1968年に (当時東北大医学生だった) 豊島重之が破天荒なジャンク・シアターを始動。それが「微分子劇場」を意味するモレキュラーの前身となった。翌2008年は豊島重之にとって演劇活動40年の節目となる。1983年「アテルイ」パリ公演や初の「東北演劇祭」主催・実現の成果で84年、青森県芸術文化奨励賞受賞。
1986年に八戸を拠点にモレキュラー結成。翌87年より99年まで海外12ヶ国の芸術祭に招待公演。89年に「国際カフカ芸術祭」主催・実現の成果により、主演の大久保一恵が八戸市芸術文化奨励賞受賞。95年『FOOTNOTED』が読売演劇大賞にノミネート。翌96年に『FACADE FIRM』がアデレード芸術祭に正式招待。同時に演出の豊島重之が東京ジャーナル演劇賞受賞。
2005年、国際交流基金フォーラムで「ベケット東京サミット」を主催・実現。その全容は豊島重之編著06年10月刊『モレキュラー20周年写真集PANTANAL』に収録。06年10月世田谷パブリックシアター主催公演に新作『オハイオ即興劇・カタストロフィ』上演。その核心は07年舞台芸術誌11号に豊島が「四角いベケット」執筆。07年9月14・15・23日に八戸市美術館での『ISTHMIAN RHAPSODY』公演や、10月6日青森県立美術館での『BALLET BIOMECHANICA』公演に続いて、11月3日 - 4日沖縄県立美術館・開館記念公演のモレキュラー新作『DECOY』も期待されている。

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記念講演会:「バレエ・リュスから『アレコ』ヘ -新しいバレエ世界-」

日時:2007年10月7日 (日) 14:30 -
場所:青森県立美術館シアター
講師:芳賀直子 (舞踊研究家)
参加料:無料
定員:220名 (当日受付・先着順)

バレエ・リュスはセルジュ・ディアギレフに率いられ1909年から1929年の間だけ存在したカンパニーでした。バレエ・リュスのパリ登場と同時に、ニジンスキーは文字通り一夜にしてスターとなり、また今で言うアイドルとなったのでした。
そして、初演から20年間、西欧芸術世界になくてはならない存在であり続けました。その顔ぶれは今から思うと夢のような豪華さです。ストラヴィンスキー、バクスト、ブノワ、コクトー、マティス、ピカソ、ゴンチャロワ、ラリオノフ、ローランサン、シャネル、キリコ、ルオー、etc... 綺羅星のようなメンバーが参加しています。
しかしそうした人たちを統率し続けるというのは簡単なことではありませんでした。バレエ・リュスは1929年のディアギレフの死と同時に解散を余儀なくされてしまったのです。
しかし、再興を願う多くの人たちによって様々なバレエ団が結成され、中でもバレエ・リュス・ド・モンテカルロは1962年まで存在し続けました。
また、バレエ・リュスのダンサー達は世界各国で活動を続け、特に米国、豪州ではとりわけ多くのダンサー/振付家が活動し、大きな影響を与えました。
青森で背景幕を収蔵している『アレコ』 (1942年) もそうした成果の一つなのです。振付けたマシーンもバレエ・リュスでディアギレフによってロシアで見出されたダンサー/振付家ですし、上演したアメリカン・バレエ・シアターはバレエ・リュスの最初のシーズンで人気を博したボルム、やはり最初のシーズンにも参加し後にアンナ・パヴロワの相手役としても人気を博したモルドキンらによって創設され、フォーキン、ドーリン、チューダーらの作品を次々上演したバレエ団なのです。
そうした事もご紹介しながら、バレエ・リュスによって始まり今も生き続ける「バレエ」の魅力をご紹介したいと思います。

芳賀直子 (舞踊研究家)

講師紹介:芳賀直子 HAGA Naoko

舞踊研究家。東京都生まれ。明治大学大学院文学部文学科演劇専攻博士課程前期修了 (文学修士号取得) 。専門はバレエ・リュス、バレエ・スエドワ。研究者としてバレエ、ダンスをはじめ、演劇、オペラ、歌舞伎等国内外の舞台を幅広く見、評論活動をおこなうほか、コンクール審査員としても活躍している。また、兵庫県立芸術文化センター所蔵〈薄井憲二バレエ・コレクション〉キュレーターとして展覧会企画、監修等も手がけている。著書に『ICON〜伝説のバレエ・ダンサー、ニジンスキー妖像〜』 (講談社、2007年) 。

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プレワークショップ :「マトリョーシカを作ろう」

企画展「舞台芸術の世界」〜ディアギレフのロシアバレエと舞台デザイン〜にちなんで、ロシア民芸品の木製人形「マトリョーシカ」を作ります。何も描かれていない白木のマトリョーシカに顔や服を描いて、オリジナルのマトリョーシカを作りましょう!

日時:2007年9月22日 (土) 13:00 - 16:00 ※展覧会会期前の開催となりますので、ご注意下さい。
場所:青森県立美術館 ワークショップA
講師:県立美術館普及スタッフ
対象:6才以上
料金:1,500円
定員:20名 (先着)
申込み先:Tel 017-783-5241 / Fax 017-783 5244
※定員に達しましたので、締め切りました。

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ワークショップ:「銅版画ワークショップ -『アレコ』のことば-」

銅版画には様々な技法がありますが、今回は主にディープエッチングと、リフトグランドエッチングという2つの技法を紹介します。技法によって生み出されてしまう偶然のかたちと、自分のイメージによってつくりあげた必然のかたちの重なりの面白さを体感しながら作品をつくりましょう。
『アレコ』のストーリーを構成している〈ことば〉を手がかりに、シャガールの「アレコ」とは全く違う、自分だけの『アレコ』ができあがっていきます。

日時:2007年10月20日 (土) - 21日 (日) 10:00 - 16:00 ※2日間通し
場所:青森県立美術館ワークショップB、屋外創作ヤード
講師:県立美術館スタッフ
対象:小学校高学年以上
料金:1,000円 (材料費)
申込み先:Tel 017-783-5241 / Fax 017-783 5244 ※事前申込みが必要です。

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ロシア映画上映

現在開催中の「舞台芸術の世界」展に関連する映画を10月13日 (土) と27日 (土) の2回にわたり紹介します。
13日は、1920年代に製作されたロシア映画の中から2本の作品を紹介。20世紀前半のロシアは舞台芸術の世界のみならず映画の世界も大きく花開き、画期的な作品が次々と生み出された時代でした。
27日は、展覧会にも数多くの関連デザイン画、衣装などが展示されているオペラ作品の中から、オッフェンバック作曲のオペラ《ホフマン物語》を映画化した作品を上映します。

日時:10月13日 (土) /13:30 - 14:54
「アエリータ」

(1924年 / 84min / モノクロ / サイレント [ 日本語字幕 ] )
監督:ヤーコフ・プロタザノフ/出演:ユーリア・ソーンツェワ 他

アレクセイ・トルストイ原作による同名SF小説を映画化したロシア初のSF映画。革命直後のロシア社会を、滅び行く火星と若い地球の対立になぞらえて諷刺するとともに、主人公のロケット技師とその妻をめぐる恋愛喜劇としてパロディ化した作品。
ロシア・アヴァンギャルドを代表する女性アーティストで、「舞台芸術の世界」展にも舞台デザイン画が展示されているアレクサンドラ・エクステルが衣装デザインを担当するなど、その舞台美術の斬新さと面白さにおいても、一見の価値あり、の作品です。


©I.V.C
日時:10月13日 (土) /15:15 - 16:29
「戦艦ポチョムキン」

( 1925年 / 74min / モノクロ / サイレント [ 日本語字幕 ] )
監督:セルゲイ・エイゼンシュテイン/出演:アレクサンドル・アントノーフ 他

エイゼンシュテイン監督初期の代表作にして、映画史上に残る傑作。舞台はロシア革命前夜の1905年夏、戦艦ポチョムキンに乗船していた水兵が起こした反乱に端を発して巻き起こった、帝政ロシア政府に対する民衆の反乱が描かれます。シーンとシーンをつなぎ合わせることにより見る側に新たな印象を与えるモンタージュという映像技法を確立させた作品としても必見。
エイゼンシュテイン監督は、20世紀前半のロシアで活躍した20世紀史上最大の演劇人フセヴォロド・メイエルホリドのもとで舞台の演出・美術を手がけた時期もあるなど、舞台芸術とも深い関わりを持っていた人物です。

日時:10月27日 (土) (1)10:00 - 12:04 (2)14:30 - 16:34 「ホフマン物語」
(1951年 / 124min / カラー / 英語 [ 日本語字幕 ] )
監督・脚本・製作:マイケル・パウエル&エメリック・プレスバーガー/出演:ロバート・ラウンズヴィル 他

酒と女性を愛した19世紀のドイツの怪奇作家E.T.Aホフマンを主人公にした、フランスの作曲家オッフェンバックの遺作にして唯一のオペラ《ホフマン物語》を映画化した作品。オペラは、詩人ホフマンが3人の女性との恋物語を回想するというストーリーで、間奏曲『ホフマンの舟歌』などの曲でも良く知られた作品です。
バレエ、オペラ、映画が融合したこの作品には、マルク・シャガールが舞台美術を担当したバレエ《アレコ》において振付をおこなったレオニード・マシーンが出演しているほか、元となったオペラの衣装デザイン画が「舞台芸術の世界」展にて展示されています。

©紀伊国屋書店

場所:青森県立美術館シアター (220席)
料金:無料 ※当日会場へ直接お越し下さい。

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アート入門

企画展「舞台芸術の世界」について、担当学芸員が映像をまじえてわかりやすく解説します。
日時:2007年10月10日 (水) 14:00 - 15:00
場所:青森県立美術館シアター
講師:板倉容子 (当館学芸員)

関連イベント一覧


ギャラリー・トーク

担当学芸員による展示解説をおこないます。
日時:10月7日・21日を除く会期中の毎週日曜日 14:30 -
場所:青森県立美術館企画展示室
料金:無料
※本展の観覧券が必要です。
※参加ご希望の方は14:30にB2F「舞台芸術の世界」展入口前にお集まりください。

関連イベント一覧


お問い合わせ

舞台芸術の世界展実行委員会 (青森県立美術館内)
住所 〒038-0021 青森市安田字近野185
Tel 017-783-5241 / 017-783-3000
Fax 017-783-5244

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