はじめに
県民参加型演劇「津軽」は、青森県立美術館の画期的なアートスペースを活用し、新しい美術館のヴィジョンにふさわしい演劇空間の創造を目指すプロジェクトです。
2006年7月13日、「シャガール:『アレコ』とアメリカ亡命時代」展で開館を迎える青森県立美術館ですが、何もない美術館での演劇公演は、文字通り、これが最初で最後のものとなります。

「津軽」とは
底本となるのは太宰治の「津軽」。昭和19年、太宰は久しぶりに故郷津軽を旅します。その旅で太宰はそれまでマイナスのイメージしかなかった津軽に、「そこに住む人々」をとおして新しい価値を見出します。それは、津軽の人々が持つ「大らかさ」であったり、「優しさ」であったりしました。そして、2005年、60年の時を経て津軽を旅する2人の女子大生がいました。2人は60年前の太宰と一緒に青森、弘前、金木、蟹田、小泊と津軽半島を旅します。60年の時を経て、津軽はどう変わったのか、そしてどう変わらないのか……。
登場人物は、演出家に指名された俳優と、青森県内からオーディションで選ばれた一般の方々が扮します。

公演時間は6時間 県立美術館内に5つもの舞台を設定
太宰が旅する津軽の町――青森、弘前、金木、蟹田、そして小泊。この5つの町での太宰と人々との出逢いと別れを描くために、青森県立美術館の巨大な館内に、5つもの舞台を設定します。そして、太宰が町から町、舞台から舞台へと旅するのと同時に、観客も一緒に舞台を巡っていきます。
この壮大な旅を描くために、公演時間は6時間を予定。これまでの演劇の常識を超えた、型破りな公演です。