明日の収穫〈種まき編〉

  • 大小島真木
    《「明日の収穫」のためのコンセプト・ドローイング》
    (2017)

美術館でお米の収穫体験!?
土に根ざした学びをもとに、美術館で新しい〈青森アート体験〉を始めよう!


チラシ (PDF/4.2MB)

「アグロス・アートプロジェクト 明日の収穫」は県立美術館発の、農業とアート体験をかけ合わせた地域アートプロジェクトです。
美術館敷地内の、お米や雑穀を育てる農園での農作業を体験しながら、アーティストとプロジェクト参加者が収穫物をもとに一つの作品づくりを行います。今年の幾つかの関連イベントを行った上で制作計画を立てる「種まき編」、翌年の計画に基づき作品を制作・展示する「刈入れ編」として2年間で構成され、この度「種まき編」の参加者を募集します。

プロジェクト参加に際してアートや農業の知識も資格も要りません。様々な分野への関心と積極的な「やってみたい!」の気持があれば大歓迎。全てを経験した頃には、お米や雑穀の栽培とアートプロジェクトの運営ノウハウが身につくはず。あなただけのアートイベントの企画を提案することができるようになっているかも!?

この土に根ざした学びと実践の「アグロス(*)」を舞台に、あなただけのアート体験を始めてみませんか。

–救いも詩も大地から湧く、我らの宗教も藝術も、ないしは生活も、ただ真にこの一つの大地から湧き出たものであらしめたい。
江渡狄嶺(**)「田作りの詩語り」

*「αγρος/agros」。古代ギリシャ語で「耕地」や「野原」の意。
**青森県五戸町出身の思想家(1880-1944)。1911年東京世田谷に「百姓愛道場」を開き、のち上高井戸に移住し、家族とともに農園を営む。その農業実践と思索の間で独自の「場」の思想体系を構築した。

プロジェクト参加希望の方へ

プロジェクトは基本的に無料でご参加いただけます。
なお、活動の際の交通費、謝礼等の支給はありません。ボランティア保険には加入いたします(費用は美術館負担)。

活動内容

  • 美術館で栽培されたお米や雑穀の収穫、画材等への加工作業
  • 8月~9月の企画関連イベントの運営
  • 10月以降のアーティストとの共同勉強会を通じた制作計画の作成

活動期間

平成30年3月末日まで

応募条件

  1. 15歳以上の方
    ※就学前児童や小中学生の方は、保護者の方同伴でご参加いただけます。
  2. 下記の説明会及び8月~9月の関連イベント運営に参加可能であること。
    〈全体説明会〉
    7月29日(土)14:00-16:00
    〈関連イベント〉
    8月19日(土)終日
    参加アーティストらによるトーク
    9月16日(土)・17日(日)終日
    参加アーティストらによるワークショップや「農業とアート」をめぐるシンポジウムを開催予定
  3. 10月以降、月1~2回程度活動に参加できること

募集締切

平成29年7月31日(月)必着

応募方法

「①氏名(ふりがな) ②年齢 ③住所 ④電話番号 ⑤メールアドレス(ある場合) ⑥参加にかける意気込み(文字数不問)」を添え、郵送・FAX・電話・メールいずれかの方法で、下の宛先までお申込み下さい。メール、FAXの場合は件名を「明日の収穫参加希望」として下さい。

※お送りいただいた個人情報は、応募受付及びプロジェクトに関するご連絡の目的でのみ使用いたします。
※応募者多数の場合は「⑥意気込み」をもとに選考させていただく場合がございます。

〒038-0021 青森市安田字近野185
青森県立美術館 「明日の収穫」募集係
TEL:(017)783-3000 FAX:(017)783-5244 
MAIL:bijutsukan@pref.aomori.lg.jp

活動費等 活動の際の交通費、謝礼等の支給はありません。
ボランティア保険には加入いたします(費用は美術館が負担します)。

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平成29年度のスケジュール

平成29年度

「種まき編」として美術館敷地内の田畑(プランター農園)での収穫を体験し、秋から冬にかけて企画参加アーティストとプロジェクトメンバーとで、画材としての収穫物の活かし方・加工の仕方や作品のモチーフを検討し、作品制作を計画していきます。

  • 美術館敷地内・プロジェクトのための農園の様子
7~9月に行う関連イベントや3月の中間報告展示はプロジェクト参加者の方でなくてもご参加いただけます。全回無料・申込不要!
※詳細は本ページに随時加筆します。その他青森県立美術館のFacebook、企画Twitterもご参照下さい。
Facebook:https://www.facebook.com/aomori.museum/
Twitter:https://twitter.com/Agros_ap

7月29日(土)14:00-16:00

①14:00-15:00 全体説明会
②15:00-16:00 レクチャー「土地を拓く前に ‐『サルケ』で狼煙を上げる」

今後の企画の進み方をお伝えするとともに、レクチャーを行います。テーマは「サルケ」。 サルケ(泥炭)は、青森で古くから用いられてきた燃料です。土地を拓くなかで、ひとびとはサルケを上手に活用していました。「サルケ」について知ることで、本企画の始まりと農園の始まりを告げる時間とします。

会 場:ワークショップB、アグロス・アートプロジェクト農園(美術館・八角堂近く)
講 師:①奥脇嵩大(青森県立美術館学芸員) ②増田公寧(青森県立郷土館学芸主査)
料金無料・申込不要


8月19日(土)14:00-16:00

①14:00-15:00 レクチャー「青森の米づくりとその歴史」
②15:00-16:00 アーティスト・トーク

青森の米づくりの歴史や農業にまつわる暮らしの知恵を学ぶと同時に、企画参加アーティストが自作を語るトークイベントを行います。

会 場:ワークショップB、アグロス・アートプロジェクト農園(美術館・八角堂近く)
講 師:①成田敏(青森県立郷土館ゲストキュレーター) ②大小島真木(企画参加作家)
料金無料・申込不要



9月16日・17日は「〈「余地」の芸術〉を拓く」と題して様々なイベントを開催!

9月16日(土)10:00−16:00(予定)

①10:00−16:00 ワイェダ兄弟によるワルリ画(*)の公開制作
②11:00−12:00 インド・ラダック舞踊公演in青森(**)
③14:00−15:00 ミティラー美術館長・長谷川時夫氏講演「インド民俗画の伝統と未来」

会 場:ワークショップA、B、アグロス・アートプロジェクト農園(美術館・八角堂近く)
料金無料・申込不要

*農耕をもとにした自然観に基づき、すりつぶした米と水による白い絵の具で制作されるインド西部の民俗画

**インド最北の高山地帯たるラダック地方の伝統的なテーマや民間伝承を元にした舞踊団。今回インド政府ICCR(インド文化交流評議会)派遣により来日、インド政府が日本国内で開催している「2017年日印友好交流年」事業のハイライトとして、青森以外にも全国各地を巡行する予定。(協力:NPO法人日印交流を盛り上げる会)


9月17日(日)10:00−16:00(予定)

①10:00−16:00 ワイェダ兄弟によるワルリ画の公開制作
②11:00−12:00 インド・ラダック舞踊公演in青森
③13:00−16:00 シンポジウム「〈余地の芸術〉を拓く」

会 場:ワークショップB、アグロス・アートプロジェクト農園(美術館・八角堂近く)
料金無料・申込不要


シンポジウム「〈余地の芸術〉を拓く」について

農とアートから現在を考え、両者の接地点を未来につなげるためのシンポジウムを行います。

13:00-13:10 前説、講師紹介
13:10-13:40 石倉敏明 演題)食のコスモロジー
13:40-14:10 山内明美 演題)コメに宿るもの
14:10-14:40 豊島重之 演題)飛び地のヴィジョネール
14:40-15:00 椹木野衣 演題)飢えと植え~楳図かずお『漂流教室』をめぐって
15:10-16:00 討 論 会 〈余地の芸術〉を拓く

【シンポジウム趣旨】

農の実践とアート体験を同時に行う「アグロス・アートプロジェクト 明日の収穫」。ギリシャ語で「耕地」「野原」の意である「アグロス」を冠する本企画シンポジウムで実現されるべきこと。それは言葉を介して農とアートの臨界から芸術の活きる「余地」を見出し、そこから芸術のための古く新しい構造を拓くことにある。
かつて度重なる飢饉に見舞われた青森の地、そこに新たに出現した特権的時空間としての美術館、そしてその間で辛うじて存在する本プロジェクト農園。そこで育てられるお米や雑穀と交わされる言葉の一つひとつは、人と大地の根の一つである飢餓の心性にいかなる共振を示し、「明日の収穫」のための滋養となるのだろうか。このシンポジウムは青森の土地に〈余地の芸術〉のための種子あるいは「アグロス」という〈場〉の到来を告げる狼煙である。

【登壇者プロフィール】

石倉敏明 Toshiaki ISHIKURA

1974年東京都出身。芸術人類学者、秋田公立美術大学准教授。1997年よりダージリン、シッキム、カトマンドゥ、日本の東北等各地で聖者(生き神)や山岳信仰、「山の神」神話調査を行う。近年では「食べること」を基点に、食環境と人類文化をつなげ、地域に根ざした研究・教育活動の実践を行う。主な共著・編著に12年『人と動物の人類学』(春風社)、15年『野生めぐり 列島神話の源流に触れる12の旅』(淡交社/写真家・田附勝との共作)他。

食物を通じて生と死の循環のサイクルを想像すること。その食物が「リンゴ箱」という可動を前提とした装置による農園で栽培されること。その背後にある宇宙論(コスモロジー)は、シンポジウムの命題たる〈「余地」の芸術〉とどのような共振を示すだろうか。

山内明美 Akemi YAMAUCHI

宮城県生まれ。歴史社会学者、大正大学准教授。近代日本における東北地方の役割とポジションについて社会学、歴史学、民俗学双方の観点をとり入れ、朝鮮半島、台湾など旧植民地地域も対象地域に含めた“The Rice Nationalism”の研究に取り組む。近年宮城県南三陸町での生存基盤調査を開始。主な著作に11年『こども東北学』(イースト・プレス)、主な共著・編著に12年『「辺境」からはじまる‐東京/東北論‐』(明石書店)他。

「皇居には天皇陛下の田んぼがあって田植えをなさる」という。この田んぼは皇居の敷地の一部か、あるいは別の次元で存在し得るのだろうか。米に宿る「もの」を通じて、東北の単一性と複数性の境からにじみ出る「もの」が見えてくるとしたらそれは何か。

豊島重之 Shigeyuki TOSHIMA

1946年青森県出身。モレキュラーシアター演出家、ICANOFキュレーター。主な演出作品に06年《Ohio/Catastrophe》(シアタートラム)、07年《Decoy》(沖縄県立美術館)、15年《Svarbard Vault:Vehicle for Seeds》(青森県立美術館)他多数。主な共著・編著に10年『飢餓の木2010』(以文社)、13年『種差四十四連図』(ICANOF)他多数。01年より八戸市美術館にてICANOF企画展を、2011・12年を除いて毎年開催。

豊島重之は、地方芸術における一つの「ひらかれ」と同時に深度ある「迷宮」を体現する。一志向としての東北をいくつもの「飛び地」へと解体し、紡ぎ還す「ヴィジョネール(Visionnaire/幻視者)」たる氏の思(視)考。それは飛び地の間にひそむ〈「余地」の芸術〉の一端を逆照射することだろう。

椹木野衣 Noi SAWARAGI

1962年埼玉県出身。美術批評家、多摩美術大学教授。95年阪神淡路大震災と地下鉄サリン事件を契機に98年『日本・現代・美術』(新潮社)刊行。戦後日本の社会を取り巻く非歴史的な「悪い場所」観から発する美術の構造を指摘、大きな反響を呼ぶ。05年『戦争と万博』、15年『後美術論』(共に美術出版社)を刊行。他著書多数。00年「日本ゼロ年」(水戸芸術館)、16年「釜山ビエンナーレ2016」(釜山市美術館)等キュレーション展多数。

〈「余地」の芸術〉は氏の「悪い場所」とルーツである埼玉県秩父地方への種々の言及にその成立土壌の養分を見出している。遍在し漂い続ける「悪い場所」。秩父と八戸共通の基幹産業に、かつてのセメント(石灰岩)採掘事業があるのは偶然ではない。


10月  参加アーティストとプロジェクト・メンバーによる勉強会等①
予定内容:今後の方針共有
11月  参加アーティストとプロジェクト・メンバーによる勉強会等②
予定内容:米、雑穀の画材への加工の仕方を学ぶ
12月  参加アーティストとプロジェクト・メンバーによる勉強会等③
予定内容:作品モチーフについてのミーティング
1月  参加アーティストとプロジェクト・メンバーによる勉強会等④
予定内容:中間成果発表の準備(1)
2月  参加アーティストとプロジェクト・メンバーによる勉強会等⑤
予定内容:中間成果発表の準備(2)
3月  平成29年度の成果を発表するプロジェクト中間報告会を予定
会期:3月の2週間程度 会場:青森県立美術館内

平成30年度

「刈入れ編」として昨年度の計画をもとに、アーティストとプロジェクト・メンバーらがともに実作品の制作を行い、美術館で展示を行います。

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参加作家について

作品制作の担い手として参加

大小島真木 Maki OHKOJIMA

画家。1987年東京都東久留米市生まれ。2011年女子美術大学大学院修士課程修了。 描くことを通じて鳥や森、菌、鉱物、猿など他者の視野を自身に内在化し、物語ることを追求している。作品とは思考を少しずらしたり、視野を少し変えてみせたりすることの出来る“装置”のようなものであると考え、日々制作中。主な賞に2009年ワンダーウォール賞、2014年VOCA奨励賞。個展、グループ展多数。インド、ポーランド、メキシコなどで滞在制作。2017年フランス海洋調査船タラ号にレジデンス・アーティストとして参加。近年、南沢氷川神社(東京)に天井画奉納。2017年多摩六都科学館(東京)との共同制作にてプラネタリウム番組を公開。同年「本と美術の展覧会vol.1『絵と言葉のまじわりが物語のはじまり~絵本原画からそうぞうの森へ~』」(太田市美術館・図書館)参加、府中市美術館の公開制作に参加予定。
http://www.ohkojima.com


農業の場づくりに参加

齋藤瑠璃子 Ruriko SAITO

画家/齋藤農園3代目。1984年秋田県仙北市生まれ。2009年多摩美術大学絵画学科油画専攻卒業。2011年から故郷に戻り農業と制作活動を開始。両者をともに軸とし、自らの日常体験をベースに、絵画作品や立体作品を空間インスタレーションの手法で展示する作品群を制作。主な個展に2011年「森の共犯者 郷の抽象化」(ゼロダテアートセンター東京)他。主なグループ展に2016年「あきたの美術」(秋田県立美術館)、2017年「VOCA展2017」(上野の森美術館,東京)他多数。2009年第24回ホルベイン・スカラシップ奨学者。齋藤農園は職業軍人だった氏の祖父が戦後に興したもの。土地に300年以上伝わる日本一大きいとされる「西明寺栗」や、周囲の豊富な渓流の水を活かした「原木椎茸」等を育てている。
http://saito-ruriko.com


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お問合先

「明日の収穫」募集係(青森県立美術館)

〒038-0021 青森市安田字近野185
TEL:(017)783-3000 FAX:(017)783-5244 MAIL:bijutsukan@pref.aomori.lg.jp

協力:青森県立郷土館、独立行政法人青森県産業技術センター 農林総合研究所

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