東奥日報で連載「棟方志功と崔榮林」が始まりました

現在開催中の企画展「棟方志功・崔榮林展」について4日から8日まで5回にわたって東奥日報で連載されます。
第1回目の今日は、日韓の画家の交流による画風への影響と独自のスタイルなどについて担当学芸員がご紹介しています。

木版画や仏教的主題など崔は志功から影響を受けていますが、一方で韓国古代の壁画のような質感や李朝の民画を思わせるような人物や動物たちは崔独自のスタイルです。
韓国近代のひとりの画家の作品がこれほどの規模で出品される展覧会は、日本ではおそらく初めてですし、日本の占領時代にはじまり、戦後は朝鮮戦争という政治的な状況に大きく影響されてきた韓国近代美術への入門としても絶好の機会となる展覧会です。

さて、今日の青森はフワフワと静かに雪が降っています。
美術館もすっぽりと雪の中に・・・。
「あおもり犬」の頭や肩、耳にも綿帽子がかぶせられ、地面も雪で隠れてしまいました。
今年の冬は、「あおもり犬」にどれくらい雪が積もるのでしょう・・・。
そういっている間にも、静かにしんしんと・・・。

特別講演会「柳宗悦と棟方志功の朝鮮芸術観」

12月2日は日本民藝館学芸部長尾久氏を講師にお招きし、企画展特別講演会を開催しました。

まずは、簡単に柳宋悦と棟方志功の関係をご説明しますと・・・

柳らが明治43年に創刊した雑誌『白樺』。
大正10年2月号の『白樺』にゴッホのひまわりの絵を掲載し、日本に紹介したのが柳。
その『白樺』に掲載されているゴッホの絵を大正10年5月に洋画家の小野忠明が志功にみせ、「わだばバン・ゴッホのようになりたい」と志功は感動。
そして、画家を志し、大正13年9月に志功は上京。
その後、昭和3年に志功は、版画の道を志します。
ゴッホは、絵の中に浮世絵などを描きこんでいたように「日本の版画は自分の最大のお手本である」と言っていたそうで、ゴッホを敬愛した志功が版画の道を選択というのもご縁なのでしょうか。
志功の出発点となる「大和し美し」で昭和11年に国画会へ出品。
そこで、国画会の審査員をしていた柳と志功は出会い、「大和し美し」を評価されます。
そしてゴッホを志功に教えた小野は平壌で崔に志功への紹介状をもたせます・・・と、不思議なご縁により志功は画家を志し、崔とも出会い・・・。

柳は朝鮮芸術を愛した方ですが、朝鮮の日常品として造られたもの、自己に執着せずに造り出されたもの、濁りのない、邪気のない、こだわらない心の美というものとして評価しています。
それは、棟方の作品についても、崔の作品についても共通する点であり、「造る人も自在人になればよい。自在をことほぐこと、自在美により人間の心がほぐされ、忘我になれる。それが幸福を与える。神と接合できる。」と柳は信じたんだそうです。
「美でもって朝鮮民族を救おう、美は神にかわりうる」、「神との接合の瞬間、それは美しいなぁと感じている瞬間」・・・、柳が朝鮮芸術に感じている気持ち、それは志功作品に感じているそれと同じ・・・いつまででも聴いていたい講演会でした。

最後に柳と志功が対談しているお写真も紹介してくださいました。

尾久先生、本当にありがとうございました。

土日14:30から「棟方志功・崔榮林展」ギャラリートーク開催中

「棟方志功・崔榮林展」のギャラリートークを展覧会会期中の土日14:30から開催しています。
担当学芸員が、見どころについて、展示室内をツアー形式で解説するギャラリートークは、企画展チケットをお持ちの方ならどなたでも参加していただけます。
「この作品は韓国の民話をモチーフにしていて・・・」、「壁画をイメージして土や砂を絵の具に混ぜ・・・」など、難解そうに思われる崔の作品についても、分かりやすく解説しています。

また、1月6日まで「アレコ」の特別鑑賞プログラムを開催中です。こちらもあわせてお楽しみください。
(1月6日まで毎日11:00-11:15、14:00-14:15)

◆ギャラリートーク
「棟方志功・崔榮林展」会期中の土・日の14:30から、担当学芸員が展覧会の見どころをツアー形式で解説します。
(1)日時:会期中の土日 14:30 -
(2)場所:美術館企画展示室 (企画展チケットが必要です)

「棟方志功・崔榮林展」カタログ販売中

棟方志功・崔榮林展の見どころ満載の展覧会カタログをショップで販売しております。
今回のカタログはなんとハングル標記つき!
約250ページのボリュームで、2,200円(税込)です。

棟方志功・崔榮林展がNHKで紹介されます

現在開催中の棟方志功・崔榮林展が11月26日(月)から30日(金)までの5回に渡ってNHKの夕方のニュース「あっぷるワイド」で紹介されます。

崔が志功から受けた影響を作品の類似性など通してお伝えする内容になっています。志功から崔に宛てたお手紙も紹介されます。

また、30日(金)のNHK「情報ランチ」には担当学芸員がスタジオにお邪魔して見どころをお伝えします。

放送日時:2007.11.26(月) - 11.30(金) 18:10 - 19:00
番組名 :NHK総合「あっぷるワイド」

放送日時:2007.11.30(金) 11:30 - 12:00
番組名 :NHK総合「情報ランチ」

ミュージアムショップに棟方志功さんのコーナー登場

12月24日(日・振休)まで開催の棟方志功・崔榮林展にちなんで、ミュージアムショップに棟方志功さんのコーナーが登場。
もちろん今までも志功さんのグッズはありましたが、今回の展覧会にあわせて作品が印刷された風呂敷額装(『沙羅双樹頌図』 37,000円 :左の画像)、リトグラフやグラビア、本、クリアファイル、一筆箋などなどボリュームアップ。

また、店内はすっかりクリスマス!
トナカイやサンタ、雪の結晶などの模様の手ぬぐいや、クリスマス(升)、3Dクリスタル、ミラーグラスフォトフレームなど様々取り揃えておりますので、クリスマスプレゼントはこれから・・・という方は、ミュージアムショップでお洒落なプレゼントをセレクトしてみてはいかがでしょうか。

企画展記念シンポジウム「棟方志功・崔榮林展をめぐって」

棟方志功・崔榮林展オープニングの今日、14時からシアターでシンポジウムを開催しました。
パネリストは、崔銀珠徳寿宮美術館館長、奇惠卿徳寿宮美術館キュレーター、武田公平棟方志功記念館館長補佐、担当学芸員の池田亨、コーディネーターは、三好徹美術企画課長。

担当学芸員の池田からは、「志功も崔もピカソが好きで、ユーモア感覚を持っている人。大変な時代を生きてきたにも関わらず明るさがある。そのような人間としての共通性を感じる。ふくよかな女性に対する好み、宗教的な心と女性を愛する心があるところが共通するところでは。」と言った感想も。
また、「それまで東京中心であった芸術の世界で、青森という地方でどうやって東京に出てヒエラルキーの上にのぼって行くかという棟方にとっての課題、そして、占領下にあった朝鮮平壌にいた崔たちの姿勢に大きな共通点を感じる。占領下の朝鮮と青森とを簡単に比較はできないかもしれないが、強い上昇意欲、芸術家のあり方を考える上で重要な要素になると思う。」とも。
奇さんからは、「韓国の現代美術の研究の大きな壁は朝鮮戦争。その期間に沢山の作品が失われた。それまで北での動向を知ることができない。その壁の迂回は日本での研究。単に、崔や小野忠弘などの作家たちに限られたことではなく、近現代美術全体に関わる研究である。日韓が強い協力関係を気付くことが重要。」と意気込みをお話いただきました。

今回の展覧会、日韓の近現代美術を紐解く大きなきっかけになる重要な展覧会になりそうです。

棟方志功・崔榮林展が始まりました

いよいよ、棟方志功・崔榮林展がオープンしました。
8時半からオープニングセレモニーを開催し、主催者挨拶、韓国国立現代美術館分館徳寿宮美術館館長のチェ・ウンジュ様からのお祝いのお言葉、(財)棟方版画間理事長様からのメッセージ紹介をさせていただき、テープカットで華やかにオープン。
テープカットは、青森県立美術館館長代理副知事 蝦名 武、棟方志功・崔榮林展実行委員会副委員長 日本放送協会青森放送局放送部長 藪下 眞宏様、実行委員会監事 財団法人棟方志功記念館館長補佐 武田 公平様、国立現代美術館分館徳寿宮美術館館長 チェ・ウンジュ様、青森市長様代理 青森市市民文化部長 外川 幸子様、在日大韓民国民団青森県地方本部団長 林 成鎬(イム・ソンホ)様、小野忠明様御遺族 鳴海 眞理子様、平成19年度あおもり子ども共同版画コンクール優秀賞受賞 莨町小学校5年生 小沢 仁君の8名の方によって行われました。

セレモニーの後は、担当学芸員によるギャラリートークを行い、棟方のスケール感あふれる作品と建築との融合、棟方志功に影響を受けたといわれる崔榮林の作品、崔榮林へ宛てた棟方志功や小野忠明からのお手紙・・・。
小野忠明様の御遺族の鳴海様は、小野忠明様から崔への手紙をご覧になって、「本当に懐かしく思いました。展示も素晴らしい。」とご感想の言葉をいただきました。

普遍的かつ独創的なスタイルを創造した世界的版画家・棟方志功と、その影響を受けて広く自らの民俗の心に根ざした美術を志した崔榮林。この展覧会では、それぞれの国の独自性とともに普遍性を志向した日本と韓国の画家の交流を軸に、志功の作品約50点、崔の作品約80点と見ごたえたっぷりの作品を
紹介します。

本日、14:00からは、企画展シンポジウム「棟方志功・崔榮林展をめぐって」を開催します。シアターにて無料で開催しますので、是非お越し下さい。

いよいよ来週 開催 『棟方志功・崔榮林展』

美術館では、青森県と韓国の国際交流事業の一環として、11月10日より『棟方志功・崔榮林展』を開催します。
崔榮林(チェ・ヨンリム)は1938年ごろ棟方志功のもとを訪れ、志功からさまざまな影響を受けたといいます。帰国後は主に油絵を描いていましたが、志功がヴェネツィアビエンナーレでグランプリを獲得したことに勇気づけられ、再び版画を志すようになりました。
今まで日本ではほとんど知られていなかった棟方志功と崔榮林の交流を軸に、アジアの大きな枠組みの中で『世界のムナカタ』を改めて見直す展覧会となります。
その見どころを、11月3日「文化の日」の「ABAメッセージ」でご紹介します。

放送日時:2007.11.3 ( 土 ) 9:30 - 9:35
番組名:青森朝日放送「メッセージ」
テーマ:青森県立美術館 棟方志功・崔榮林展

棟方志功・崔榮林展 前売り券販売中

2007年11月10日 (土) から開催の棟方志功・崔榮林展。ソウルの国立現代美術館分館徳寿宮美術館との共同企画による本展では、これまで日本ではほとんど知られていなかったこの2人の交流を軸に、それぞれの国を代表する画家である彼らの作品を紹介するとともに、アジアの大きな枠組みの中で「世界のムナカタ」を検証します。

現在、前売り券好評発売中です。


棟方志功・崔榮林展


会期 2007年11月10日 (土) - 12月24日(月・祝) ※11月26日休館
 
開催時間 9:30 - 17:00(入館は16:30まで

前売料金 棟方志功・崔榮林展+アレコ 一般 700円、高大460円、小中220円
棟方志功・崔榮林展+常設展 一般1,100円、高大700円、小中300円

前売り券発売所 サークルKサンクス(サークルK:青森、秋田、岩手県内の各店舗 サンクス:東北各県、北海道央、道南地区の各店舗)、サンロード青森、イトーヨーカドー青森店・弘前店、成田本店しんまち店Pax、さくら野百貨店青森店・弘前店・八戸店、三春屋、県内JTB及びJTBトラベランド、県内日本旅行、県内近畿日本ツーリスト、県庁生協・青森県民生協、弘大生協、青森市文化会館、青森県立美術館ミュージアムショップ、棟方志功記念館