常設展+特別展示「超群島 -ライト・オブ・サイレンス」

2012年6月9日(土) ━ 7月8日(日)

コレクション展 終了
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常設展+特別展示「超群島 -ライト・オブ・サイレンス」

常設展+特別展示「超群島 -ライト・オブ・サイレンス」

展示のみどころ

2012年から始まるアート・プロジェクト「青森EARTH」の一環として「超群島-ライト・オブ・サイレンス」を開催します。その他、シャガールによるバレエ「アレコ」の舞台背景画3幕や奈良美智、成田亨といった、当館のコレクションを展示します。

 

青森EARTH(アオモリ・アース)
2012年から始まる新しいアートプロジェクト。
縄文に創造の原点をたずね、「土着」の意義を見直し、土(earth)に根ざした新しいアート(art)の形を、青森の地で多角的に探るための展示やイベントを行います。

開催概要

会期

2012年6月9日(土)– 7月8日(日)

※当初ご案内していた会期を変更いたしました。会期最終日を7月16日(月)から7月8日(日)に変更させていただきます。予めご了承ください。

休館日

6月25日(月)

開館時間

9:00 – 18:00(入館は17:30まで)

観覧料

一般 500 (400) 円
高大生 300 (240) 円
小中生 100 (80) 円

※常設展+特別展を両方ご覧いただけます。
※()内は20名以上の団体料金
※心身に障がいのある方と付添者1名は無料

会場

青森県立美術館 企画展示室+常設展示室

展示内容

特別展示「超群島-ライト・オブ・サイレンス」

2011年3月11日の東日本大震災以後、都市インフラの脆弱性、財政危機、中央と地方の不均衡など、1960年代以後構築してきた近代社会全体の限界が顕わになった。複雑化しすぎた社会のシステムはウルリヒ・ベックがいう「危険社会」的状況を全面化させ、コントロール不可能な「新たな自然」として人々の恐怖の対象となった。ここに現代的な霊(アニマ)の現れをみることもできるだろう。

 

そこで本展覧会では、日本列島全体を交通インフラによってネットワークする1960年代以後の群島的状況と、情報インフラのネットワークによる1990年代以後の新たな群島的状況が構成する現代の「超群島―Hyper Archipelago」的状況のありようを描き、そこに新しいコミュニケーションを生み出そうとするアーティスト/アーキテクトに焦点を当てる。青森が持つ深い森と大地のイメージを、複雑なシステムの上に生と死が隣り合う現代社会の静かなる光=「ライト・オブ・サイレンス」に満たされた風景として描く試みである。

スプツニ子!
菜の花ヒール2012

チームラボ
グラフィティ@グーグル
東京群鴉図〈Horizontal〉

藤村龍至
雲の都市 2012

出展作家:
磯崎新 / キュルルfeat.チハルチロル / 大庭大介 / ダレン・アーモンド / 阿部合成 / 中村宏 / 小島一郎 / 工藤甲人 / 森万里子 / マーク・ダイオン / 石井七歩 / リチャード・ロング / 高山良策 / 伊藤隆介 / 棟方志功 / 荒川修作 / スプツニ子! / チームラボ / 工藤哲巳 / 今井俊満 / mashcomix + TEAM ROUNDABOUT / 藤村龍至 / 動線設計:青木淳

 

関連企画:トヨダヒトシ スライドショー
会期: 2012年6月29日 – 7月1日
会場: 三内丸山遺跡 大型竪穴式住居内
定員: 各日50名 ※要申込
料金: 入場無料

常設展示

展示室G | 成田亨 怪獣デザインの美学
成田亨(1929-2002)は、「ウルトラマン」、「ウルトラセブン」という初期ウルトラシリーズのヒーロー、怪獣、宇宙人、メカをデザインし、日本の戦後文化に大きな影響を与えた彫刻家兼特撮美術監督です。美術家としての高い感性によってデザインされたヒーロー、怪獣は、モダンアートの成果をはじめ、文化遺産や自然界に存在する動植物を引用して生み出される形のおもしろさが特徴です。誰もが見覚えのあるモチーフを引用しつつ、そこから「フォルムの意外性」を打ち出していくというその一貫した手法からは成田の揺らぐことのない芸術的信念が読みとれるでしょう。

 

展示室F | 奈良美智 インスタレーション
青森県弘前市出身の奈良美智(1959- )は、弘前市の高校を卒業後、東京と名古屋の大学で本格的に美術を学び、1980年代半ばから絵画や立体作品、ドローイングなど、精力的に発表を続けてきました。青森県立美術館は、1997年から奈良美智作品の収集をはじめ、現在その数は150点を越えます。

 

《Hula Hula Garden》と《ニュー・ソウルハウス》という2点のインスタレーション (空間設置作品) を中心に、奈良美智の世界をご紹介します。
そのほか、カフェやミュージアムショップの裏側に位置する野外のスペースで、奈良美智のコミッションワーク『八角堂』をご覧いただけます。八角堂のお堂の中に、《Shallow Puddles Ⅰ/浅い水たまり Ⅰ》 (2004年) と題された6点の皿場の絵がひっそりと収められています。礼拝堂を想わせる神秘的な空間をお楽しみ下さい。
※美術館本体の開館と同じ時間帯に、無料でご入場いただくことができます。

 

アレコホール | マルク・シャガールによるバレエ「アレコ」の背景画
青森県は1994年に、20世紀を代表する画家、マルク・シャガール (1887-1985) が制作した全4幕から成るバレエ「アレコ」の舞台背景画中、第1幕、第2幕、第4幕を収集しました。
ユダヤ人のシャガールは1941年、ナチの迫害から逃れるためにアメリカへ亡命します。バレエ「アレコ」の舞台美術は、画家がこの新大陸の地で手がけた初の大仕事でした。
1942年に初演をむかえたバレエ「アレコ」の振付を担当したのは、ロシア人ダンサーで、バレエ・リュスで活躍したレオニード・マシーン。音楽には、ピョートル・チャイコフスキーによるイ短調ピアノ三重奏曲をオーケストラ用に編曲したものが用いられ、ストーリーはアレクサンドル・プーシキンの叙情詩『ジプシー』を原作としていました。
シャガールは祖国ロシアの文化の粋を結集したこの企画に夢中になり、たくましい想像力と類いまれな色彩感覚によって、魅力あふれる舞台に仕上げたのです。

 

・『アレコ』第1幕 《月光のアレコとゼンフィラ》(1942年/綿布・テンペラ/887.8×1472.5cm)
・『アレコ』第2幕 《カーニヴァル》(1942年/綿布・テンペラ/883.5×1452.0cm)
・『アレコ』第4幕 《サンクトペテルブルクの幻想》(1942年/綿布・テンペラ/891.5×1472.5cm)

関連ファイル