「戯曲寺山修司論」稽古日誌11

2006年8月18日

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「戯曲寺山修司論」稽古日誌11

今日は、青森に参加する下山和男さんです。

「すみません。ちょっと遅れてきてしまいました。会社が終わって7時過ぎに到着。ネクタイをほどいて、黒のTシャツ、黒のスウェットパンツに着替え稽古場へ向かう。建材のにおいがまだ新しい稽古場では、すでに練習が始まっていた。自分の名前を呼ばれ中に入れてもらう。視線が集まりちょっと緊張する。今日はダンス中心の稽古とのこと。前回不覚にも稽古に参加できなかったため、宿題の台詞覚えをがんばってきたのだがうまくかわされてしまった。でも全部覚えきれなかったから、助かったかな。
ちょっとした好奇心から応募し、オーディションの合格をもらっても、辞退しようかどうか悩んでいるうちにこの渦に巻き込まれてしまいここまで来てしまった。自分でも不思議な気がしている。
オーディションで選ばれたぼくらは素材だと思っている。青森県で生まれ青森県で育ち、今こうして暮らしているぼくらは、この演劇では素材なのである。素材であるからには、うまく料理してもらえればいいなと思っている。そのため、できるだけ監督、先生の要求することに対して、正確にアウトプットできればいいなと思っている。
演劇未経験者のぼくは、ダンスも台詞もうまくできなくて苦痛だけれど、稽古に来るたび何か引き出されるようで、これは心地いいものです。
これからもよろしくお願いいたします。

下山和男」

お仕事を終え、稽古場にいらっしゃる下山さんの表情は、いつも何となく素敵なのですよ。何というのか、一見落ち着いているんだけど、ワクワクしているような。(私の勝手な想像ですが・・・。)
私は、参加者の皆さんが、普段、どのような表情でお仕事なさったり、生活されていらっしゃるかは知らないので間違っているかもしれないのですが、きっと、皆さん、「戯曲寺山修司論」で、初めて見せる表情をなさっている瞬間があるのではないかと思います。
ぜひ、劇場でお確かめになってはいかがでしょう?