アートプロジェクト こども−おとなコネクション!!

アートプロジェクトの展開

黒岩恭介(青森県美術館整備推進監)

青森県立美術館(仮称)は2006年7月に開館する。開館以後の本格的美術館活動の前に、われわれは美術館建設の期待感を醸成するために、またハードにとらわれないソフトとしての美術館を前もって実現するために、「キッズ・アートワールドあおもり」と「アートツアー・イン青森」の二つのプレ事業を開催してきた。こどもたちを対象にした「キッズ」は過去4年間にわたって、コレクションを中核として企画した「アートツアー」は過去2年間にわたって、県内さまざまな地域で展開された。
今年度の二つの事業を通観してわかるように、両者ともいわゆる狭い意味での美術に、その活動を限定していない。またすでに述べたように、県内のさまざまな地域と協力連携して開催するものでもあった。この二つの要素は来るべき青森県立美術館の方向性をよく示すものである。つまり青森県立美術館の活動は芸術文化全般を射程に置く。美術作品の研究・収蔵・展示・保管といういわゆる美術館活動の基本はしっかり押さえながら、それだけにとどまらず、演劇や音楽、映画や舞踏など、分野横断的な活動や実験的な動きを持続的にまた活発に行う。そしてその開催場所も美術館内にとどまるものでなく、積極的に地域に出て行き、その地域の組織あるいは個人とネットワークを築いていく。その結果、地域からの美術館へのフィードバックを可能にし、美術館はいろいろな意味で開かれた存在となる。
このような活動をわれわれはアート・プロジェクトと呼ぶ。地域の可能性を引き出しながら、また地域から触発されて、われわれの美術館は成長していく。例えば今回のアートツアーに見られるように七戸町の「山勇」という建築ストックを展示に利用・活性化したのは、美術館と山勇さんとの協力関係において実現したプロジェクトであった。このように美術館が自らを開こうと努力する運動が、アート・プロジェクトなのである。



特集
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