アート・ボランティア開花宣言

青森県*ボランティアの大冒険

高田敬子(青森県環境生活部NPO・ボランティア推進監)


青森県内の3つの都市で、市民によるアートプロジェクトが街を元気づけている。昨年夏、3500人ものボランティアによる企画運営で話題を呼んだ「奈良美智展弘前」、八戸市の街を舞台に展開された「ラグタイム展」、そして今青森市では、古民家を会場に「ナンシー関消しゴム版画展」の準備が進められている。こうした市民プロジェクトが活発化してきた背景として様々なことが考えられるが、注目しておきたいのは、3つの都市の間で経験や情報の蓄積・交換、そしてメンバー同士の相互交流があったことである。
市民によるアートプロジェクトの先駆けは3年前に遡る。1999年秋、「トヨタアートマネジメント講座〜青森セッション」が行われたが、これを企画運営したのは、地元の美術家、建築家、NPO、自治体職員、マスコミ関係者、そして学芸員から成るボランティアの実行委員である。これは、アートマネジメントを学ぶ場を創る活動であったが、そのまま実践する者同士の出会いと交流の場となった。「奈良美智展」も「ナンシー関展」も、コアメンバーはここを出発点としている。
この翌年行われた「インタ―ナショナル・アーティスト・イン・レジデンス青森―水辺」は、青森市とNPOとボランティアの協働による企画運営となった。この経験は、現在、国際芸術センターのサポーターや「ナンシー関展」へと引き継がれている。また、この時公演を行った八戸市の劇団「モレキュラーシアター」のメンバーは、市在住アーティストとともにアートボランティア「イカノフ」を立ち上げて、「ラグタイム展」を主催するなど八戸市のアートシーンを盛り上げている。
3年前に投じられた一石は、県内に広がり重なる波紋を巻き起こした。この波紋の底のは何があるのだろうか。色彩と形が溢れるねぶた祭り、三社大祭など、この地域の祭りのマネジメントの歴史は、アートプロジェクトへの関心や関わりを容易にする土壌になっているのかもしれない。



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