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特集 寺山修司 劇場美術館 開催! 4月1日 (火) - 5月11日 (日)

エッセイ|「寺山修司」と「劇場美術館」

青森高校在学中から本格的な創作活動をはじめた寺山修司は、早稲田大学進学後の1954年に第二回短歌研究新人賞を受賞。 作家中井英夫の推薦で1957年に第一作品集『われに五月を』を出版するなど一気に文壇の寵児となります。1983年に没するまで歌集、小説、戯曲、評論、エッセイといった多彩なジャンルで膨大な著作を残し、今もなお強い影響を与え続けている作家です。
寺山は文学を起点としつつ、ラジオ、テレビ、演劇、映画と多方面に活動を広げていきましたが、中でも特筆すべき仕事は、1967年に「見世物の復権」をテーマとして「演劇実験室◎天井棧敷」を立ち上げたことでしょう。 寺山は旧来的な演劇の制度に異議を申し立て、観客や不特定多数の人々を挑発するかのような実験的試みを次々に行いました。天井棧敷はやがて海外でも高い評価を受けるようになり、1969年のドイツ公演を皮切りとして、ほぼ毎年のように海外公演が続くことになります。
寺山が活躍した1960 -1970年代は、それまでの正統的な文化に対抗する「アングラ」の動向が一気に広がりを見せた時代。 高度成長によって近代化が急速に進む一方、社会的な構造と人間の精神との間に様々な歪みが生じ、そうした近代資本主義社会の矛盾を告発するかのように権力や体制を批判、従来の価値観を否定していく活動が盛んとなっていったのです。 寺山の活動もまた、そうした時代精神と無縁ではなかったでしょう。ただし、受け手となる読者や観客、ひいては作品をとおして社会とのつながりを寺山ほど強く意識した芸術家は他にいないかも知れません。そして、大衆の興味や関心をひきつける術に関しても寺山は群を抜いていました。「有能なアジテーター」と称される所以です。芝居や実験映画では特にそれが顕著で、演劇、映画のあらゆる「約束事」が否定され、感情や欲望を刺激するイメージで覆い尽くされた寺山の斬新な作品は多くの人々を虜にしていきました。
この「 寺山修司 劇場美術館 」展でも文学、美術、映画、演劇、音楽、スポーツといった寺山の多彩な活動が網羅されています。寺山の残した様々な言葉や意匠はそのいずれもが魅力的です。
しかし、それらは本来、寺山修司という存在の本質に触れるための「入り口」の一つ一つにしか過ぎません。その多様な表現の奥底に込められた寺山の一貫した思想・・・、すなわち常識と非常識、現実と虚構、自由と不自由、近代と前近代、洗練と土俗、調和と過剰、美と醜など様々な対となる概念をあえてぶつけることで、固定化した我々の「常識」や「価値」に揺さぶりをかけていく寺山の態度を理解したとき、我々受け手にも新しい思考の回路が開かれていくのではないでしょうか。
急速なグローバル化が進み、地域性や固有性が徐々に失われつつある現代という時代を生き抜くためのヒントが、寺山の作品には隠されているように思えてなりません。 -工藤健志 (学芸員)


併設企画展|土方巽と日本のアヴァンギャルド

寺山修司と同時代に活躍した多彩な才能を紹介する併設企画。1960 - 70年代の前衛芸術運動を総体的に振り返り、寺山の活動した時代相を明らかにします。
本展では特に秋田県出身の舞踏家土方巽を中心としつつ、東北の風土や精神性が日本のアヴァンギャルドに与えた影響を考察するとともに、土方とゆかりの深い澁澤龍彦、種村季弘、唐十郎といった同時代に活躍した作家、演出家の仕事を様々な資料によって多角的に検証します。

  • 会場:コミュニティギャラリー A-C
  • 企画:青森県立美術館、スパンアートギャラリー、NPO法人舞踏創造資源

寺山修司 増殖計画 敢行!!

3月22日 (土) 、23日 (日) 、新町商店街を中心に各地を寺山修司で埋め尽くし、寺山通りをつくるというワークショップ「寺山修司増殖計画」が行われました。
計画執行メンバー:ワークショップ参加者、弘前大学教育学部美術教育講座、近隣町内会、草刈隊、三内丸山遺跡応援隊、サポートスタッフ、商店街、の皆さん!!

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展覧会 春コレ 始まります

4月からはじまる企画展「寺山修司 劇場美術館」に併せて、常設展示では4月15日から『春のコレクション展:斎藤義重、工藤哲巳、江口隆哉・・・、「時代」を作った芸術家たち』がスタートします。ジャンルを横断した先駆的な活動をおこない、続く時代に大きな影響を及ぼした寺山修司と同様に、青森県は芸術の様々な分野で新しい時代を築いた芸術家を数多く輩出しています。その中から今回の展示では、戦後美術の開拓者として実験的な作品を制作し続け、後進に多大な影響を与えた斎藤義重 (さいとう・よししげ) 、「反芸術」と呼ばれる衝撃的な作品によって戦後の消費社会を鋭く描き出した工藤哲巳 (くどう・てつみ)、戦前のドイツに赴いて「ノイエ・タンツ (新しい舞踊) 」を学び、日本における現代舞踊の礎を築いた江口隆哉 (えぐち・たかや) の活動等を紹介し、その「先駆性」や「前衛性」を検証します。とりわけ江口隆哉については、江口が長年にわたり教鞭を執った日本女子体育大学をはじめ関係各位のご協力により、当館では今回初めての展示となります。この貴重な機会をぜひお見逃しなく!

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教育普及 見ることを楽しむ工夫いろいろ

オリジナル教材 アートカード
美術館にはアートカードというオリジナル教材があります。コレクションから主な作品50点をハガキサイズのカードにしました。
「あ、この作品は美術館で見たことあるな」「こんな作品、美術館にあったんだ!」など発見がたくさん。手にとって見るだけで、十分楽しめます。
しかも、七ならべや神経衰弱、カルタなど、あそび方もさまざま。あそびながら美術館のコレクションを知ることができます。
もともとは学校へ貸出しするためにつくられました。美術館に見学にくるまえの学習や、鑑賞の授業などに使ってもらっています。
使ってみたい人のために、美術館のキッズルームにもおいてあります。ぜひ、あそんでください!キッズルームのスタッフがあそび方をお手伝いしますよ。

人気作品をじっくり味わう オープンアトリエ
毎月1回、「あおもり犬」「アレコ」「怪獣デザイン画」といった、人気作品をテーマにしたオープンアトリエを行います。スタッフといっしょに作品をじっくり見てから、ワークショップで絵を描いたり、ねんどあそびをしたり。見るのが好きな人、つくるのが好きな人、どちらも楽しめるプログラムです。

  • 対象:4 才以上 (未就学児は保護者同伴)
  • 料金:小学生以上は、コレクション展観覧料が必要です。 (未就学児は無料)

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舞台芸術 パフォーミングアーツの2008

今年度も、ダンス・演劇・映像・・・様々な分野での活動を展開していきます。
出演者・スタッフを募集する企画もあります。 鑑賞とはまた違った楽しみを味わってみてはいかがでしょうか?

ダンス
将来的に青森県民による舞踊劇「アレコ」を創作することを目標に、今年は準備段階として舞踊劇「アレコ」をテーマとしたダンス作品を6月、12月、1月に計3本上演します。

  • 1作目:6月28日、29日於 青森県立美術館シアター
  • 出演:岩渕伸雄 他

演劇
青森県日韓演劇交流事業
韓国の劇団コルモッキルとの演劇共同制作。2年目となる今回は、パク・クニョン氏 (劇団コルモッキル) が作・演出、長谷川孝治青森県立美術館舞台芸術総監督が監修をつとめます。この「津軽海峡」 (仮題) に出演する俳優を公募いたします。
オーディション・ワークショップは5月中旬を予定しております。

  • 稽古場所:青森市内 (青森県立美術館など)
  • 公演時期:
    8月30日 - 31日 青森公演 (於 青森県立美術館シアター)
    9月6日 - 7日 東京公演 (於 ザ・スズナリ)
    9月中旬 - 下旬 韓国公演

県民参加型演劇
県内各地から出演者を募って行われてきた県民参加型演劇。4年目の今回は「チェーホフ」を題材に取り上げます。また、今回は脚本などのスタッフ部門でも参加を募集いたします。
オーディション・ワークショップは10月 - 11月を予定しております。

  • 制作場所:弘前市を中心とした津軽地方
  • 公演時期:平成21年3月15日:弘前公演、21日・22日:青森公演

コンサート
6月より、アレコホールでのコンサートを月1回の予定で開催します。アレコホールに響きわたるピアノの音色を、シャガールのアレコの背景画とともにお楽しみ頂けます。

定期映画上映会

  • 4月 | ジャン・ヴィゴ監督作品 『 新学期、操行ゼロ 』 『 アタラント号 』
    4本の映画 (うち劇映画は2本) のみを残し、29歳で夭折したフランスの映画監督ジャン・ヴィゴ。彼の作品はその突出した先進性により映画界に多大な影響を与え、本国フランスでは、若手作家の実験的な作品に与えられる賞として「ジャン・ヴィゴ賞」が設けられています。4月はジャン・ヴィゴが残したこの劇映画を2本立てで上映します。
    『 新学期、操行ゼロ 』 42min / 『 アタラント号 』 85min ※同時上映 モノクロ
    日時:4/12(土) (1)10:00- (2) 14:00- (3) 17:30-/ 会場:1階シアター / 料金:無料

  • 5月 | ロベール・ブレッソン監督作品 『 ラルジャン 』
    ロシアの文豪トルストイの中篇小説「偽の利札」を原作に、フランスの映画監督ロベール・ブレッソンが映画化した作品。偶然手に入れたニセ札をきっかけに一人の男が転落していく様が、ブレッソン独特の誇張を排した簡潔で繊細なスタイルで描かれています。'83年カンヌ国際映画祭創造大賞受賞作品。
    『 ラルジャン 』 84min カラー
    日時:5/24 (土) (1) 10:00- (2) 14:00- (3) 18:00- / 会場:1階シアター / 料金:無料

  • 6月| 20 世紀ロシア映画特集 第一弾 “ 美術館でパラジャーノフを知る”
    20年度は20世紀ロシア映画特集と題し、セルゲイ・パラジャーノフ監督とアンドレイ・タルコフスキー監督の作品を取り上げます。最初の6月はセルゲイ・パラジャーノフ監督にスポットを当て、彼の残した美しい映像表現を紹介します。中世グルジアの伝説をモチーフにした、パラジャーノフ一流の民族色溢れる演出や、自由奔放な色彩イメージに溢れたファンタジー物語。トルコ軍の侵略に立ち向かうグルジア王国を舞台に、一組の恋人の数奇な運命を暗示的なカットを重ねることで描く、幻想的な一作。
    20世紀ロシア映画特集は、6月、7月、10月 - 3月を予定しています。
    『 スラム砦の伝説 』 82min カラー
    日時:6/14 (土) (1) 10:00- (2) 14:00- (3) 18:00- / 会場:1階シアター / 料金:無料

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ラウンジ 美術館情報いろいろ

メンバーシッププログラム
メンバーシッププログラムは下記のとおり会員を募集しています。
4月からは、年度ごとに会員を募集することとし、一般会員のみなさんにも、年に2回、お好きな企画展を無料でご観覧いただけるようになりました。
美術の好きなお友達、ご両親へのプレゼントとしてもどうぞ。みなさんの入会をお待ちしております。
カテゴリは3種類:一般会員 3,000円・学生会員 2,000円・特別会員 10,000円

サポートスタッフ
昨年の12月から、キッズルームで絵本の読み聞かせをお手伝いいただけるスタッフの研修を兼ねて、おとなの「絵本ワークショップ」を開催しました。このワークショップは全3回行い、絵本とはどういうものかから、実際に読み聞かせを行うところまでを参加者に習得していただきました。
このワークショップに参加されたみなさんは、4月からサポートスタッフとして、引き続き絵本について勉強を行い、キッズルームにて月1回のペースで絵本のおはなしかいを開いていく予定です。美術館のおはなしかいは、ちいさなこどもに、美術に興味をもってもらえるようなものにしていきたいと思います。
絵本の読み聞かせにご興味のある方は、サポートスタッフに是非ご応募を!
詳しくは017-783-3000まで。

ネットワークプロジェクト
県内の美術館、博物館、ギャラリー等が相互に連携し、地域の芸術振興に取り組むことで、暮らしの中で気軽にアートに親しめる環境の創出を図ろうという、「 あおもり芸術振興ネットワークプロジェクト 」。ここでは、青森県立美術館と、このプロジェクトや研究をとりまく最新のうごきなどをお知らせしていきます。
さて、4月26日、待望の十和田市現代美術館がオープンします。この美術館は十和田市が推進するアートによるまちづくりプロジェクト「Arts Towada (アーツトワダ) 」の中心となる施設。Arts Towadaは、アートという新しい要素をまちづくりに取り入れることで、新たな魅力を感じさせる都市をつくろうという試みです。こどもが楽しめる作品もたくさん!・・・アートに触れられる機会がじわじわと増殖中です。

図書室
図書室では、当館を設計・建築した青木淳氏、そしてサインなどのヴィジュアルアイデンティティを考案した菊地敦己氏に関する書籍を集めたコーナーを設けています。中でも「COMPLETE WORKS」は、青森県立美術館の魅力を凝縮した一冊。写真家・鈴木理策の撮り下ろしで、「青森県立美術館」をめぐるテクスト3本と写真構成 (オールカラー) 、建築データ、建築ディテール、この美術館のために開発されたタタキ、ハンチク工法についてまとめた「soil report」等で構成されています。ぜひご一読を!
また、4月1日から5月11日までの寺山修司展開催期間中、ミュージアムショップのご協力をいただき、寺山修司コーナーを設けます。展覧会とあわせて、寺山の世界の全貌を紹介します。
期間中は、県立図書館でも特設コーナーを設けています。こちらもぜひ。

キッズルーム・フリーアトリエ
土日祝日のみオープンしているキッズルームとフリーアトリエ。4月1日から5月11日までの寺山修司展、5月24日から7月21日までの人体の不思議展開催中は、平日もオープンしています。
また4月から、閉室している平日に、幼稚園や保育園のみんなに楽しんでいただけるサービスをはじめます。日頃、あまり触れることのない形の積み木やえほんを楽しめるチャンス!
予約制ですので、お申し込みはお早めに。

ショップ
オリジナルグッズでも人気No.1のてぬぐい『こぎん文様』に、2008年限定カラーが登場!今年だけの期間限定です。青森県立美術館で使われている土の色で、ちょっと渋めの『こぎん文様』に仕上がりました。ハンカチ代わりに、タペストリーに使い方は様々です。青森ならではのデザインをあなたの身近に・・・。
価格:1枚1,050円 (税込) / お問い合わせはミュージアムショップ 017-761-1420 まで。

カフェ
「Café 4匹の猫」では、3月下旬から春の新メニューがお目見え。
中でもおすすめなのは「手捏ねハンバーグ デミソース」。「津軽愛情豚」と県産牛を使用したボリュームたっぷりのハンバーグと3日間かけて仕上げたデミグラスソースの組み合わせ。おなかの中が喜びます。
食後には紅玉のタルト。りんごがとってもジューシーです。
他にも、春を楽しむメニューがたくさん。美術鑑賞のあとには、カフェで素敵なひとときをお過ごしください。

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