美術館のシンボルマーク決定!

青森県立美術館のVI計画

黒岩恭介(青森県美術館整備推進監)

VIとはビジュアル・アイデンティティー(Visual Identity)の略語です。普通は企業のブランドイメージを高めるために、企業のコンセプトを象徴的に表現したシンボルマークや企業名ロゴをデザインし、それらをあらゆる媒体を通して使用・展開して、企業イメージの集約化を図るものです。これからの時代、企業が生き残りをかけて取り組まねばならない重要な戦略として、このVIは位置づけられています。
さて、美術館もまた生き残りをかけて経営しなければならない時代を迎えています。そのため青森県立美術館はVI計画の一環として、今回美術館ロゴとシンボルマークを決定しました。これをポスターやチラシ、ホームページ、封筒などの事務用品、また種々の広告媒体に一貫して使用し、青森県立美術館のイメージを集約化し、その周知徹底を図ります。それにより、青森県立美術館の存在感を高めること、すなわち社会からその存在と価値を広く認識されるようになること、これがVI計画の大きな目的です。
ここに決定されたロゴやシンボルマークは青森県立美術館のアイデンティティー(個性や、らしさ)を象徴的にあらわしています。本州の極北に位置する青森県、木々が集合して青い森に成長するイメージ、そのシンプルで分かりやすいシンボルマークには、青森県の芸術文化環境も、自然環境と同じく継続的に成長・発展していってほしいという、デザイナー菊地敦己さんの思いが込められています。そしてこのシンボルマークは美術館本体にネオン管として設置され、美術館を訪れる人々をやさしく迎えることになるでしょう。また美術館建築の水平、垂直、45度からなる鉄骨構造体を彷彿とさせる設計を基本としたロゴタイプは、ダイナミックで安定した印象を形成しています。この設計による文字はロゴタイプにとどまらず、美術館内のすべてのサインに統一的に応用されます。その結果、建築空間と親和性を持った館内表示が分かりやすく展開されます。
ロゴタイプとシンボルマークのさまざまな組み合わせで、青森県立美術館の名前は世に出て行きます。またシンボルマークは、固定的、単一的に使用されるのではなく、使用する素材(封筒、包装紙、バッグ等)に応じてさまざまなパターンとして繰り広げられます。しかしその断片を眼にしても、青森県立美術館のマークであるという認識が得られるくらいに、このマークは浸透していくことでしょう。広くメディアを通じて使用、展開されるこれらのイメージは、それを眼にする人々の心の中に、青森県立美術館に対する信頼感、他の美術館とは一味違った活動に対する期待感などを意識的、無意識的に醸成するための効果的な手段となることを願っています。



特集
(仮称) 青森県立美術館設計の経過報告 断面図から構想された建築デザイン

キッズ・アート・ワールドあおもり2000−終わる世紀とはじまる未来−

美術館の思想、着想、そして形−基本設計をめぐって−
アートとこどもの関係−キッズ・アートワールド2001あおもり報告
美術館のコレクション − 工藤哲巳展をめぐって
アートが作るネットワークとは? -「キッズ・アートワールドあおもり2002」が残したもの
アート・ボランティア開花宣言
アートプロジェクト こども−おとなコネクション!!
美術館のシンボルマーク決定!