8月28日‐9月23日の展覧会の関連企画として、以下の企画を開催します。

①スペシャル・バスツアー

担当学芸員の解説を交えて、全会場をめぐるバスツアーを開催。
詳細はこちらから。

②トークイベント「民話でひらく津軽半島の記憶」


チラシ (PDF/800KB)

私たちの住まう土地にはそれぞれ固有の民話があります。例えば青森市や外ヶ浜町に伝わる「善知鳥うとう」にまつわる物語、十和田から竜飛にかけて伝わる「赤神」「黒神」の伝説…。時に旅人からもたらされ、親から子へ、子から孫へと受け継がれる民話とは、土地と人にまつわる記憶、現在に生きる「そうぞう」(想像/創造)のアーカイヴといえます。
この民話を次代に引き継ぎ、再び土地の記憶に回帰させる試みとして、石倉敏明氏(芸術人類学者)の紹介の下、津軽半島に伝わる民話を、「あおもり民話かたりべの会」の方々から聴く夕べを開催いたします。ここで語られる民話の一つ一つは今・この土地に住まう私たちの感性と等しく響きあい、土地に新たな記憶の層を積み上げることとなるでしょう。それは、「青森EARTH2015」が目指す、津軽半島から出発して「みち(未知/路)の奥」へもつながっています。
大人も子どもも、今までとは少し違った角度から民話と土地の歴史に親しめることができる機会です。ご期待ください。

日時:2015年9月11日(金)17:45-19:00
出演:石倉敏明(芸術人類学者/秋田公立美術大学アーツ&ルーツ専攻講師)あおもり民話かたりべの会の方々
集合:エントランスギャラリー(美術館入ってすぐ)
入場無料・申込不要


「善知鳥」についての覚書

…「うとう」という鳥は母鳥が子を砂の中に隠しておき、エサを持って来て「うとう」と呼ぶと「やすかた」と答えて出て来るという習性を悪用して、母の呼ぶまねをしては捕らえるのだそうです。すると母鳥が来てあちらこちらと子を呼び求めて、血の涙を雨と降らして捜すのです。それが身にふりかかると悪いのでミノ、カサを用いるといわれております。「子を思ふ涙の雨の血にふれば、はかなきものはうとうやすかた」と古歌に見られます。

…「ウトウ」はアイヌ語で突き出たところをいい、「うとう」の生殖期には、上くちばし期部から角状突起が生ずるのでウトウというと「広辞苑」には見えています。

(川合勇太郎「うとう物語」『ふるさとの伝説』津軽書房 1970 pp.263-264,266)


赤神と黒神

昔、陸奥の国(青森県)は津軽半島の竜飛に、黒神という神様が住んでいた。そして竜飛から遠く離れた十和田湖のほとりには、一人の美しい女神が住んでいた。
一方、羽後の国(秋田県)は男鹿半島に、赤神という神様が住んでいた。黒神と赤神はお互い十和田湖の女神に惹かれており、ついには女神をめぐって争うことになった。天地に響き、山を割る激しい戦の果て黒神が勝利し、傷ついた赤神は男鹿の岩屋に身を隠した。
勝った黒神は女神の元に向かうも、女神は十和田湖におらず、ついに男鹿の岩屋に赤神とともにいる所が見つかった。黒神は怒り、悲しみ、津軽半島一帯は大嵐となった。最後に黒神は深いため息をついた。そのあまりに大きな息吹は大地を動かし、こうしてできたのが青森と北海道を分かつ津軽海峡だと言われている。


石倉敏明(いしくら・としあき)


1974年東京都生まれ。人類学者・神話学者。1997年よりダージリン、シッキム、カトマンドゥ、出羽三山各地で聖者(生き神)や山岳信仰、「山の神」神話調査をおこなう。環太平洋の比較神話学に基づき、エッセイ、神話集、論考等を発表。多摩美術大学芸術人類学研究所勤務を経て現職。2011年より明治大学野生の科学研究所研究員。共著・編著に『人と動物の人類学』、『道具の足跡』、『折形デザイン研究所の新・包結図説』、『タイ・レイ・タイ・リオ紬記(高木正勝CD附属神話集)』、『「生活工芸」の時代』、「野生めぐり」(田附勝との連載、雑誌『なごみ』)等。主な論文に「裸の精霊」、「女神と対称性」、「生を与えまたそれを奪う神」等。展覧会企画として「自然の産婆術/ MAIEUTIKE 野生の創造」展(馬喰町ART+EAT)、アーカイヴ展示協力として「トランスフォーメーション」展(東京都現代美術館)等。

お問い合わせ

青森県立美術館「青森EARTH2015」係
〒038-0021 青森市安田字近野185
Tel: 017-783-3000
Fax: 017-783-5244
Mail: bijutsukan@pref.aomori.lg.jp

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