特集 NHK「日曜美術館」連携企画 「みつけよう、美」in 青森県立美術館

企画関連展示 アンリ・マティス、工藤甲人、成田亨、寺山修司、土方巽

展示室N,PQ

特集 ケンジロー・レインボー ~七尾謙次郎の版画世界

七尾謙次郎は、1929年、青森市に生まれ、青森中学時代には美術の教師だった小館善四郎に学び、卒業後上京し、日本大学経済学部に学ぶ傍ら阿佐ヶ谷学院に籍を置いて美術の基礎を身につけました。美術へのさらなる志を抱いて1960年に渡米、サンフランシスコを中心に活躍した画家・版画家です。教師としてもカリフォルニア州立大学ヘイワード校で教鞭をとるなど長く米国で活躍し、2013年に亡くなりました。モノクロームの思索的な人物表現から、多彩な色の表現により静物から濃厚な生命の息づかいを引き出すリトグラフ作品まで、版画による代表的な作品を展示します。

ページトップ

展示室H,F,志功展示室

特集 NHK「日曜美術館」連携企画 「みつけよう、美」in 青森県立美術館

今年放送40年目を迎えるNHK「日曜美術館」には、これまで、青森県を代表する芸術家たちの当館収蔵作品も取り上げられてきました。
世界的に知られた版画家・棟方志功の傑作《花矢の柵》や、番組放送から大きな反響のあった写真家・小島一郎の作品など、当館のコレクションの魅力をわかりやすく紹介する「日曜美術館」や「極上美の饗宴」の抜粋映像とともに、番組に登場する実際の作品を展示します。
芸術家の生きざまや時代背景などの映像とあわせて作品をご覧いただきながら、ぜひ当館収蔵品の中にあらたな「美」を見つけてください。

HP特集ページへ

  • 小島一郎 つがる市木造
    小島一郎 つがる市木造 1958年
    16.6*24.2cm ゼラチン・シルバー・プリント 個人蔵(青森県立美術館寄託)

ページトップ

展示室M

マティスの版画集《ジャズ》 ~ブルーナに影響を与えた「線」と「色」と「形」

マティスは、美しい線を描くことができ、色彩に関しても鋭い感覚をもっていました。線と色がお互いの魅力を最大限に引き出し合うという理想を目指したマティスが見出したのが切り絵です。色がついた紙を切り抜くという方法なら、線と色と形を同時に作り出すことができます。マティス自身の言葉によれば「色彩の中でデッサンができる」のです。
《ジャズ》はマティスの切り絵を元に制作された版画集です。美しい色彩から美しい輪郭線を切り抜いて、美しい形を作る。マティスが作り上げた究極の美が溢れています。
オランダのユトレヒトで生まれ育った「ミッフィー」の生みの親ディック・ブルーナは第二次世界大戦終了後に、家業の出版業を継ぐための研修として、イギリスやパリに赴きます。しかしパリで目にしたマティスやフェルナン・レジェらの作品に強い影響を受け、画家を志すようになります。特にマティスの《ジャズ》におけるグラフィカルな要素は、ブルーナの芸術世界を構築する大きな基礎となりました。ミッフィーと《ジャズ》、その線と色と形の豊かな関連性を、ぜひこの機会にお楽しみください。

ページトップ

展示室L,J

工藤甲人 / 懐・想 -夢と覚醒のはざまに- (生誕100年を機に)

故郷、津軽を創造の源泉として独自の作品世界を築き、日本画に斬新な表現を切り拓いた工藤甲人(1915-2011)。自然を題材としながらも樹、鳥、枯葉や蝶などが現実を超えた存在と化して画面に息づいています。その作風はしばしば幻想的といわれますが、工藤は自らの作品が幻想的と評されることをよしとせず、夢幻と現実のはざまに漂う世界こそが自分にとっての真実だと繰り返し語っています。生誕100年を機に、あらためて工藤甲人が描き続けた真実の世界をふりかえります。

  • 工藤甲人《夢と覚醒》
    工藤甲人《夢と覚醒》
    1971年 青森県立美術館蔵

ページトップ

展示室I

成田亨:鬼と怪獣

「ウルトラQ」、「ウルトラマン」、「ウルトラセブン」に登場するヒーロー、怪獣、宇宙人、メカニックのデザインを手がけ、その世界観を構築した成田亨。もともと美術家、彫刻家であった成田は、怪獣デザインに芸術家としての持てる力、すなわち成田が同時代の美術や西洋モダンアートから吸収した造形センスを惜しみなく怪獣デザインにつぎ込み、誰も目にしたことのない意外性を持つ形が次々に生み出され、今も変わらず愛され続けています。形そのものを創出する彫刻家の仕事をそこに認めることができるでしょう。
今回の展示では、酒呑童子の伝説に着想を得た成田彫刻の集大成である《鬼モニュメント》(1991年)をはじめとする鬼の作品と、怪獣のデザイン原画を比較展示いたします。成田の類い希なる造形センスに加え、それらモチーフに込められた成田の想いを感じ取ってみてください。

  • 成田亨《鬼モニュメント》
    成田亨《鬼モニュメント》
    1990年 個人蔵

ページトップ

展示室O

寺山修司:生誕80年記念「イメージの宇宙〜映像と幻想写真〜」

寺山修司(弘前市生まれ、1935-1983年)が活躍した1960~70年代はいわゆるアングラ文化が全盛の時代でした。高度成長によって近代化が急速に進む一方、社会的な構造と人間の精神との間に様々な歪みが生じ、そうした近代資本主義社会の矛盾を告発するかのように権力や体制を批判、従来の価値観を否定していく活動が盛んとなっていったのです。特に寺山は大衆の興味や関心をひきつける術に特異な才能を発揮しました。演劇や映像作品にはそれが顕著で、演劇、映画のあらゆる「約束事」が否定され、感情や欲望を刺激するイメージで覆い尽くされた寺山の斬新な作品は多くの人々を虜にしていきました。
今回の展示では、寺山が作り出した豊かなイメージの世界を、映像、ポスター、映画のスチールパネルなど様々な作品、資料で紹介いたします。
協力:テラヤマ・ワールド、三沢市寺山修司記念館

  • 成田亨《鬼モニュメント》
    寺山修司コーナー展示風景

ページトップ

展示室K

土方巽の芸術——DANCE EXPERIENCEからDANCE METHODへ

土方巽の舞踏は、1950年代末に始まり、その死の年1985年までを数えても30年に達しません。しかし、死後ほぼ30年を経た現在、「舞踏」は世界に広がっています。世界のダンス史において「舞踏」を外して考えることはもはや不可能ですし、海外から多くのダンサーや研究者が、「舞踏」とは何かを探して来日しています。今回の展示では、そうした土方巽の「舞踏」研究の新しい成果を示すとともに、その「体験」から「方法」までを発見する、舞踏を巡る旅と言えるでしょう。

ページトップ

棟方志功展示室

青森讃歌

20代前半で上京して以降、戦中戦後の6年間を富山県福光で過ごした他は、ずっと東京で創作活動をした棟方ですが、故郷青森に対する想いは人一倍強くありました。
津軽の冬景色、八甲田山や奥入瀬渓流、十和田湖などの美しい自然、ねぶたの鮮やかな色彩、もの悲しい津軽民謡の旋律など、故郷の風景や風物は棟方の脳裏に強く焼き付いており、作品にも繰り返し描かれています。特に晩年、故郷をテーマとした作品を数多く制作しています。望郷の念は故郷発展への祈りの想いとなり、板壁画《花矢の柵》を生み出しました。
今回の展示では、《花矢の柵》ほか、板画《砂山の柵》、《津軽三味線の柵》、倭画《青森頌春夏秋冬の柵》などの作品を展示し、棟方の故郷への想いを紹介します。


  • 棟方志功《花矢の柵》
    棟方志功《花矢の柵》 1961年 青森県立美術館蔵

ページトップ


通年展示

展示室F|奈良美智:『A to Z Memorial Dogマスター型』『ニュー・ソウルハウス』

国内外で活躍する美術作家奈良美智(弘前市生まれ、1959 – )は、挑むような目つきの女の子の絵や、ユーモラスでありながらどこか哀しげな犬の立体作品などで、これまで若い世代を中心に、多くの人の心をとらえてきました。
青森県立美術館では、開館前の1998年から、絵画やドローイングなど、奈良美智作品の収集を始めました。現在、160点を超えるそのコレクションの多くは、1988年から2000年まで、奈良が滞在したドイツで制作されたものです。
この展示室では、創作ユニット・grafとのコラボレーションにより、2006年に制作した小屋の作品の一つ、《ニュー・ソウルハウス》を中心に、当館のコレクションや作家からの寄託作品を展示しています。


ページトップ


アレコホール|マルク・シャガールによるバレエ「アレコ」の背景画

青森県は1994年に、20世紀を代表する画家、マルク・シャガール (1887-1985) が制作した全4幕から成るバレエ「アレコ」の舞台背景画中、第1幕、第2幕、第4幕を収集しました。
ユダヤ人のシャガールは1941年、ナチの迫害から逃れるためにアメリカへ亡命します。バレエ「アレコ」の舞台美術は、画家がこの新大陸の地で手がけた初の大仕事でした。
1942年に初演をむかえたバレエ「アレコ」の振付を担当したのは、ロシア人ダンサーで、バレエ・リュスで活躍したレオニード・マシーン。音楽には、ピョートル・チャイコフスキーによるイ短調ピアノ三重奏曲をオーケストラ用に編曲したものが用いられ、ストーリーはアレクサンドル・プーシキンの叙情詩『ジプシー』を原作としていました。
シャガールは祖国ロシアの文化の粋を結集したこの企画に夢中になり、たくましい想像力と類いまれな色彩感覚によって、魅力あふれる舞台に仕上げたのです。


ページトップ