PHASE2015 公開デザインセミナーを開催しました

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現在八角堂で開催中の「PHASE2015 カンパニー:ニッポン・北のヒミツ」に関連し、出展作家であるデザインユニットのCOMPANYを講師としてお招きして、公開セミナーを8月2日(日)にA-FACTORYにて開催しました。

今回のセミナーは、COMPANYと、デザインやものづくりを学んでいる高校生・大学生が互いの活動を発表し合い、デザインを通じて交流を図ろうというもの。

まずはCOMPANYの二人(アーム・ソン&ヨハン・オリン)から、これまでの活動についてお話いただきました。
ヘルシンキの大学で出会ってユニットを結成した二人。大学卒業後に様々な分野の若いデザイナー達と一緒に開催したファッションショーのことや、COMPANYとしての活動が本格化してきた頃に作ったいくつかの作品、代表作のひとつ「RED DRESS」のアイデアソースとして日本のコタツがあったこと、言葉が通じないロシアでのプロジェクトではスケッチを描いて意思疎通を図ったこと、そして今回の青森での展示。
参加した学生は皆デザインやものづくりを学んでいるとあって、COMPANYの下積み時代の話はとても興味深かったよう。皆さん真剣にプレゼンテーションに聴き入っていました。

続いて、学生たちが発表を行いました。
一校目は青森県立青森第一高等養護学校の皆さん。
学校ブランドとして展開している「テイネイ」の新製品「ふにゃふにゃヤジルシ」を紹介しました。「ふにゃふにゃヤジルシ」は、はぎれの布を利用して作ったマグネット付きの矢印型のぬいぐるみ。福祉施設等でよく作られているシューズキーパーの制作方法を応用して、より学校ならではのものを作ろうということで考案されたそうです。案内表示や掲示物に使用することを想定しています。
COMPANYからは、「これは物のデザインというだけではなく、グラフィックデザインでもあり、環境デザインでもあるというところが素晴らしい。」とのコメントがありました。

二校目の発表は、八戸工業大学第二高等学校美術コースの皆さん。
三名の生徒が、それぞれ自分の制作した県南地区の観光資源をPRするポスターを発表してくださいました。
デザインソフトのPhotoshopを駆使して制作されたポスターに、COMPANYからは「みなさんが高校生だということにびっくりです。とてもプロフェッショナルなデザインだと思う。色の選び方なども上手。」とのコメントがありました。

三校目は、八戸工業大学感性デザイン学科ビジュアルデザインコースの皆さん。
八戸市の郷土玩具である八幡馬のパタン(文様)をモチーフにした課題作品を発表してくれました。
ちなみに、この講義を担当している横溝准教授は以前にストックホルムのファニチャーフェアで偶然にもCOMPANYの二人と会ったことがあったそう。人の縁は不思議なものです。
COMPANYからは、「モダンだけど伝統的な日本を感じさせるデザイン。美しさと商業性とのバランスが良いと思う。今回はデザイン提案ということですが、これが実際に現場で採用され使われるようになるといいですね。」とのアドバイスがありました。

その後はCOMPANYへの質問タイム。参加者からの質問をいくつかご紹介すると…

質問:「デザインをする上でモットーのようなものはありますか?」
回答:「モットーと言えるかどうか分かりませんが、デザイン過程を楽しいものにすること、そして使う人が楽しめるような物を作るということです。作っている人が楽しんで作れば、出来た物もきっと良いエネルギーを持つ。そしてそれを買った人もそのエネルギーを感じ、楽しむことができたら良いなと考えています。」

質問:「アイデアに行きづまった時はどうしていますか?」
回答:
アーム「秘密を教えちゃいます。私の場合は、15~20才位の時に描いていたスケッチブックを最初から最後まで見直します。年を取ると新しいアイデアはなかなか出てこなくなるので、ぜひみなさん若いうちに自分のアイデアを記録しておいてください。」
ヨハン「長い散歩に出るといいと思います。泳いだり、自転車に乗ったり、そういう関係ないことをしている時に、必要なアイデアに出会えるものです。」

最後にアームさんからはこんなお話がありました。
「デザイン活動においては、ただ頭の中にあるものを表現するだけでなく、そこには常に解決すべき現実的な問題が生じてきます。デザイナーはその問題に挑戦して、それを乗り越えなければならない。そんな時は、みなさんぜひ答えのない状況というものを楽しんでください。それはデザイナーだからこそできるメリットでもあります。」

終了後も、COMPANYに質問をする学生が絶えませんでした。
熱心な彼らが、今日の経験を自身のデザイン活動に生かしていってくれたら良いなと思います。
ご参加いただいた皆さま、サポートをしてくれたボランティアスタッフの皆さん、通訳をしていただいたマロンさん、発表校の学生さん(大学生は試験期間の真っ只中だったそう!)、そしてCOMPANYのお二人、本当にどうもありがとうございました!

発表された学生作品は、A-FACTORYの2Fラウンジで9月13日(日)まで展示させていただいています。当日参加できなかった方はぜひ見に来てくださいね!
by 普及スタッフ | 2015年8月23日 20:06 | PHASE | トラックバック (0)

PHASE2014 座談会を開催しました

会場 アップ 作家プレゼン風景
プロジェクト「PHASE」の関連イベントとして、今年度の参加アーティスト三名とディレクターの奈良美智氏をお招きし、座談会を10月18日(金)に開催しました。

まずは奈良氏から、このプロジェクトを企画した経緯や作家の選考基準、会場となった八角堂についてお話があり、そのあと各作家からそれぞれの展示について説明していただきました。

第一期に展示を行った宮川慶子さんは、展示タイトルにも使われている「お祈り」という言葉に込めた思いや、初めて八角堂を訪れたときの体験から八角堂に対して礼拝堂のような神聖なイメージを抱いたということ、また、やがて建物が朽ちていくという命の流れを感じ取り、そこに自分がこれまでやってきたことと交わる部分があったと話してくださいました。

第二期の伊藤早樹子さんは、八角堂内の螺旋状の階段や連続した小窓のある廊下を歩いている時に、進んでいるのに戻っているような曖昧な感覚を持ったことを紹介し、そうした建物の特徴なども取り入れながら行った展示構成の仕方などについて説明してくださいました。
また、伊藤さんにとって今回の展示は、震災を経て疑心が生まれた「土」に対する信頼を取り戻すひとつの試みでもあったということに対し、司会を務めたプロジェクト担当学芸員からは、奈良氏が震災後に「土」を求めた感覚(2011-2012年頃に制作されたブロンズ作品のための塑像制作に触れながら)となにか共通するものがあるのだろうか、という質問がなされました。

第三期の永井天陽さんは、展示にあたって始めは戸惑ったけれども、八角堂のなかでスケッチをしたりしながら多くの時間を過ごすうちに、屋内空間と屋外空間が混在する建築の構造と、自身の「metaraction」というシリーズの作品コンセプトが重なっていき、それによって八角堂自体も作品として取り込むような展示にしようと考えたといいます。

三人のお話を通して、それぞれの作家の目が捉えた八角堂という空間、そしてそれが作品にどのように取り込まれ今回の展示として出来上がっていったか、ということがよく分かったように思います。
そんなお話を受けて、奈良氏は自身が八角堂をデザインした際の意図について説明し(八角堂は奈良氏によってデザインされた当館のコミッションワークです)、各作家の視点は「ある種の核となる部分を捉えていた」と話されました。
最後に、「これからもこの三作家のことを気にとめておいてほしいのと、また美術館に来ることがあったらちらっと八角堂をのぞいていってくれれば」というお話があり、プロジェクト担当学芸員が「三人が力を振り絞って展示をしてくれたことによって、お客さんが八角堂のある南側の敷地まで回遊し、美術館自体が活性化している印象を持った」という感想を述べて、座談会は終了。

プロジェクトを通してすっかり仲の良くなった三人は、来年の「PHASE」の展示を皆で見にきます!と宣言してそれぞれの拠点へと帰っていきました。
この若い作家たち(全員大学院の一年生!)が今後どのような活動を展開していくのか、今から本当に楽しみですね。
改めて、宮川さん、伊藤さん、永井さん、八角堂での展示お疲れさまでした。
そして、座談会に参加してくださった皆さま、奈良さん、どうもありがとうございました!
by 普及スタッフ | 2014年12月1日 18:27 | PHASE | トラックバック (0)

PHASE2014 PART2伊藤早樹子 アーティスト・トークを開催しました

トーク会場 八角堂入り口 八角堂吹き抜け
今年度から始動したプロジェクト「PHASE」に関連し、参加作家の一人である伊藤早樹子さんによるアーティスト・トークを10月5日(日)に開催しました!

伊藤さんは現在、京都市立芸術大学大学院に通う大学院生。宮城県石巻市の出身で、大学時代はテキスタイル、現在は彫刻を専攻しています。
今回のアーティスト・トークは、伊藤さんの過去の作品なども紹介しながら、八角堂で開催していた個展「イマイマスメロン」に至る経緯などを当館学芸員と語り合うというもの。

当日は会場のテーブル上にメロンやトマトが並べられ、八角堂を飛び出した伊藤さんの作品世界がトーク会場にまで広がっていました。実はその中に作品の陶器製のメロンもまじっていたのですが、参加者の皆さん、気づきましたか??

トークは、伊藤さんがいつ美術に興味を持ったのかという話に始まり、故郷の風景が大きく変化してしまった震災体験を当時の自分がどのように受け止めていたのかということや、その後の「日常」に対して感じた違和感、そしてプロジェクトに参加するきっかけとなった卒制作品の話にすすみ、青森の街を訪れて感じた、自分がそこに「いる」という感覚や、「土」への信頼を取り戻すという気持ちで置いたメロンなど、今回の個展に関する話へと展開していきました。途中で学芸員から、「直接的な土地とのコミュニケーションみたいなものと、たまたまここで出会ってしまったということなんですね」といったコメントが入り、伊藤さんの持つ感覚や体験が皆さんにも伝わっていった気がします。

そのあと展示会場に移動すると、参加者の方から次々と質問が!
ひとつの質問に対して伊藤さんが答えると、さらに次の質問が生まれて…というようにまた話が深まっていきました。
そんな皆さまのおかげもあり、貴重なお話をたくさん聞くことのできた一時間半のトーク。
言葉にすることで自分でも改めて気づくことってあったりしますよね。

これまでの自分自身を振り返りながら、時に楽しく、時に丁寧に言葉を選ぶようにして話してくださった伊藤さん、熱心に耳を傾けてくださった参加者の皆さん、濃密な時間をどうもありがとうございました!
詳しいトーク内容は後日HPに掲載する予定ですので、こちらもぜひぜひご覧ください。
by 普及スタッフ | 2014年10月14日 17:51 | PHASE | トラックバック (0)

土曜ゼミ「プロジェクトPHASEと八角堂」を開催しました

ワークショップAにて講話 八角堂周辺 八角堂周辺2
プロジェクト担当学芸員から八角堂というスペースの魅力、プロジェクトの開催に至るまでをお話ししました。

まずは建築について、八角堂の「八」という数字はどこからきているのか、屋根のない空間のもつ意味、奈良氏の八角形の作品に寄せる思いについてです。
彼の作品の中にある八角形の作品、それとともに表現される水。水とは作品のなかでどんな意味をもたらすのか?奈良氏とプロジェクトに一緒に携わってきた学芸員の視点から見た解説は大変興味深いものでした!

更に、八角堂を囲むトレンチについて、以前行った建築家・青木淳さんと画家・杉戸洋さんの「the south side プロジェクト」で八角堂にレモンが乗った企画のお話など、八角堂を取り囲む空間の魅力についても語りました。
講話のあと、実際に八角堂と周辺スペースも参加者全員で見に行くと新しい発見がまだまだありました!八角堂の小窓から見える風景や屋根のない空間、学芸員のお気に入りの場所!も案内しながら和やかな雰囲気で鑑賞が行われました。
解説を聞いてから見るとまたイメージも一新!

PHASE第二期展示「イマイマスメロン」の作家・伊藤早樹子さんの作品では、作品の植物に水やりをしていることをお話すると、ゼミ参加のお客様から「毎日、変化している作品なんですね!」と鑑賞を楽しんでいる様子がうかがえました。
伊藤さんの目線から見た作品のなかの青森らしさ、風景の感じ方なども体感できる空間ではないでしょうか。

また、三期に渡って展示を行う作家さんの魅力についてもお話いただき、まだまだ魅力たっぷりのプロジェクトです。奈良美智氏やプロジェクト参加作家の方々と煮詰めてきたプロジェクトの意気込みや熱意がひしひしと感じられます。
学芸員のお話に耳を傾けているお客様と一緒に作品の世界に入り込んだ素敵な時間でした!

まだまだ熱の冷めやらぬプロジェクト!ぜひ、新しい発見を探してみてはいかがでしょうか!!
by 普及スタッフ | 2014年9月14日 12:39 | PHASE | トラックバック (0)

PHASE(ファーゼ)第二期展示 始まります

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この写真は今日の八角堂の様子。なんか違う場所みたいです!
真ん中に立つのは、8月30日からここで開催される展覧会「イマイマスメロン」の作家・伊藤早樹子さん。
伊藤さんは、現在、京都市立芸術大学大学院生。空間を大胆に使った、不可思議で強烈なインパクトを与える作品を発表してきました。
今回は、「自身の実感が持てる点(スポット)」=「今います」という感覚を「イマイマスメロン」という自らが創り出した架空の品種のメロンに託し、日常と非日常が混在する風景をインスタレーション(空間設置作品)として表現します。
不思議ですね、何がおこるんでしょうね。今からドキドキです。

ところで、この伊藤さんを含むPHASE2014の出展作家3名とディレクターの奈良美智さんをお招きして行う座談会の参加申し込みの締め切りが、なんと9月1日に迫っています!

座談会開催日は10月18日(土)。参加費無料。奈良さんがなぜこの3人に注目したか、とか、それぞれの作家の展示にこめた熱い思いなどが聞けることでしょう。ふるってご参加ください!

申込方法などはhttp://www.aomori-museum.jp/ja/exhibition/62/index.html#title_5

PHASE2014ワークショップ「樹脂粘土で変身しよう!」を開催しました!

八角堂展示鑑賞 宮川さん説明 参加者作品例
8月17日(日)に、PHASE2014アーティストワークショップ01「樹脂粘土で変身しよう!」を開催しました。
このワークショップは、今年度から始まったプロジェクトPHASEの参加アーティストをお迎えして行うワークショップの第一弾。今回はPART1の出展作家である宮川慶子さんにお越しいただきました。

生き物に対し温かいまなざしを向けながら、「生」と「生」の営みにまつわる矛盾について考え、作品制作を行っている宮川さん。樹脂粘土を用いた造形によって、動物の剥製やキャンバスといった素材は大きな「変身」を遂げています。
今回のワークショップでは、キャンバスの代わりに鏡を使って、参加者の皆さん自身の体を「変身」させてみます。

制作を始める前に、まずは八角堂で行われている宮川さんの展示を観に行きました。
参加者の方から寄せられる質問に答えながら、樹脂粘土は時間が経つにつれて白色から黄色っぽい色へと生き物のように変化していくことなど、様々な話をしてくださった宮川さん。
20分程度のやりとりでしたが、作家自身から直接話を聞くとまた作品の見え方も変わってきます。

そんな宮川さんの世界に触れたあとは、いよいよ制作に取りかかります。
使うのは樹脂粘土と17cm×21cmの大きさの板鏡。机の上に置いた鏡に顔を映しながら、鏡の表面に樹脂粘土を貼り付け、カッターナイフやヘラを使って思い思いの形を作っていきます。途中宮川さんからアドバイスをもらったりしながら、一時間半ほどで個性あふれる変身ミラーの完成!

今回のワークショップでは、作家と一緒に、その人が使用している素材や技法を使って制作をしてみました。アーティストの作品世界をすこし身近に感じていただけたでしょうか?
参加してくださった皆さん、宮川さん、どうもありがとうございました!
宮川さんについてご興味を持たれた方は、ぜひ今後の活動にもご注目ください。
また、9月にはPART2の出展作家である伊藤早樹子さんによるワークショップも開催予定ですので、こちらもお楽しみに!
by 普及スタッフ | 2014年8月28日 13:34 | PHASE | トラックバック (0)

PHASE(ファーゼ)2014 オープニングセレモニー開催します!ぜひご参加ください!

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青森県立美術館では、今年度から、若く才能豊かな国内外のアーティストたちに、美術館の空間を最大限活かした展示や企画を実施してもらうプロジェクト「PHASE(ファーゼ)」をスタートします!
平成26年度と27年度は、本県出身のアーティスト・奈良美智さんをディレクターに迎え、同氏がデザインした当館の「八角堂」を会場に開催いたします。
今年度は、昨年度末に行われたいくつかの美術系大学の卒業展を奈良さんがリサーチし、注目した3人の学生(大学院生)たちに、それぞれ八角堂を会場に個展を開催してもらうというものです。

今回は、奈良さんのほか出展作家も参加してオープニングセレモニーを開催します。
こちらは一般のお客様にもご参加いただけるようになっておりますので、ぜひお越しください!

PHASE2014についてはこちらをご覧ください
http://www.aomori-museum.jp/ja/exhibition/62/index.html

日時:7月19日(土)15:00-
場所:八角堂前 屋外トレンチ
 ※雨天時は県立美術館地下1階ワークショップ外軒下にて開催
出席者:奈良美智(なら・よしとも)氏(本プロジェクトディレクター)、宮川慶子(みやがわ・けいこ)氏(出展作家)、永井天陽(ながい・そらや)氏(出展作家)