美術館のシンボルマーク、ロゴタイプをはじめとする総合的なビジュアルイメージを設計するヴィジュアル・アイデンティティ(VI)を考えるにあたり、普通のやり方とは少し違う方法を試みました。シンボルマークは「木」と「a」をモチーフにしています。このマークを単体でというよりも、パターン(繰り返しの群れ)として展開し、美術館のシンボルとしていく方法をとりました。つまり、「青い木が集まって森になる」という成長を描いています。建築の外観に設置されるサインも、館名を表札的に入口部に掲げるのではなく、ネオン管でつくられた30センチほどのマークが多数並んだパターンとして配置されます。建築と一体化した情景がアイデンティティとなる設計です。色彩は、空色と建築で用いられている土壁の茶色を選び、周囲の環境との調和を図りました。美術館全体の体験をイメージとして伝達していくことが大切だと考えています。
ロゴタイプやサインの書体は、水平・垂直・斜め45度同幅の直線だけで構成されたオリジナルフォントです。これはサッカー選手のユニフォームの背番号や、道路標示の「止まれ」等のシンプルな構造の書体がもつ「わかりやすさ」から着想を得ており、ロッカーの番号や消火器表示に至る細かい部分まで徹底して統一されています。

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菊地敦己  Atsuki Kikuchi
アートディレクター/グラフィックデザイナー

1974年生。武蔵野美術大学彫刻科中退。2000年にブルーマークを設立。企業のブランディングをはじめ数々のグラフィックワークを手掛ける一方、展覧会の企画等、アートプロデューサーとしても知られる。NPO法人「アート・ミーティング・ポイント」代表理事。2006年日本グラフィックデザイナー協会新人賞受賞。(撮影:守屋松一郎)
www.bluemark.co.jp

  • エレベーター誘導サイン

  • 誘導サイン

  • 展示室名表記

  • トイレピクトグラム